前置詞 of のコアイメージ、用法・意味まとめ

このページの読了時間:約1433

of には様々な用法がありますが、「所属・所有」を表したかと思えば、それとはまったく逆の「分離」を表したりと、なかなか捉えにくい前置詞ですよね。この記事では幅広い of の用法を1つのコアイメージから解説しました。

スポンサーリンク

of のコアイメージ

of のコアイメージは「背景を作り、その支配下に置く」です。

A of B で「A は B の支配下にある」イメージになります。

of の主な用法は「部分 of 全体」「所属・所有」「コンセプトの体現」「容器 of 内容」「原因」「分離」です。

of はこの他にも幅広い用法で使われますが、基本的なイメージはすべて同じです。それを例文で確認していきましょう。

of の用法

部分・所属

部分 of 全体

フレーズ:the top of the hill(丘の頂上)

まず the top で「その頂点」を描いて、of で背景を設け、the hill で「その丘」をその背景にもってきます。

これら立体的な構図を重ね合わせることで、「丘の頂上」という「部分ー全体」の関係を表しているわけです。

フレーズ:one of my friends(私の友だち(の一人))

one で「ある人・あるモノ」を描いて、of で背景を設け、my friends で「私の友だちたち」をその背景にもってきます。

これらを重ね合わせて、「私の友だちの一人」となります。

フレーズ:a friend of my mother’s(私の母の友だち(の一人))

「a friend の背景に my mother’s (friends) がある」→「私の母が所有している友だちのうちの一人」となります。

なお、one of my friends と a friend of my mother’s を比較したとき、a friend of my mother’s は先に「ある友だち」という関係性を伝えています。この表現はたとえば「いま話していた人は誰?」への返答などとして使われる傾向があります。

一方で、one of my friends は先に「one(ある人・あるモノ)」を出して、それから my friends という関係を後出ししています。この表現は「ある人の話なんだけど…」という感じで、話の導入として使われる傾向があります。

フレーズ:the 24th of July(7月24日)

the 24th で「その24番目のモノ」を描いて、of で背景を設け、July で「7月」をその背景にもってきます。

これらを重ね合わせて、「7月24日」となります。

所属・所有を表す of

フレーズ:the University of California(カリフォルニア州の大学)

the University of California は「カリフォルニア州立大学」のこと。カリフォルニア州が支配下に置いている大学というイメージから「所属・所有」を表しています。

なお、of のコアイメージに出てくる「支配下に置く」は have のイメージで捉えるとよいでしょう。

フレーズ:a friend of my mother(私の母の友だち(の一人))

「a friend の背景に my mother がいる」→「私の母が所有している友だち」となります。

ここで a friend of my mother と a friend of my mother’s という似ている表現を取り上げましたが、ネイティブは a friend of my mother’s のほうがナチュラルなものとして聞こえるそうです。

a friend of my mother という表現は間違いとは言えないけれど、曖昧な表現のように聞こえるとのことでした。

おそらく、of における「所有」の用法自体が、「部分ー全体」の用法から所有格が欠落する形で派生してきたものなのではないかと考えられます。

そのため、of が所有を表すと言っても、所有格のように強く所有を表すイメージではなく、前景と背景という位置関係から緩く所有関係を表している程度のものと捉えておいたほうがよいかと思います。

※この “a friend of my mother” は参考書などによく出てくるので、あえて解説用に取り上げさせていただきました。

フレーズ:the people of China(中国の人々)

「the people の背景に China がある」→「中国という国や文化に属する人々」となります。

なお、「中国人」を表すだけならば Chinese people のほうが一般的です。the people of China という表現は、”The People of China and Their Food(中国の人々と食生活)” のように文化や風習について述べたいときに使われる傾向があります。

関連

行為者を表す of

フレーズ:the roar of a lion(ライオンのほえる声)

「the roar の背景に a lion がいる」→「ライオンのほえる声」となります。

背景にいるライオンは行為者を表しています。

例文:It’s kind of you to help me.(ご親切に助けて頂き、ありがとうございます)

「It’s kind(それは親切です)の背景に you to help me(あなたが私を助けた)がある」→「あなたが私を助けてくれたことは親切なことです」となります。

背景に行為者と行為がセットで述べられています。

もちろん、この表現は「ご親切に助けて頂き、ありがとうございます」という感じで、助けてくれた行為に対してお礼を述べているわけです。

目的格の of

フレーズ:the discovery of oil(石油の発見)

「the discovery の背景に oil がある」→「石油の発見」となります。

この表現は「発見→石油を(目的語)」という関係なので、これをもって「目的格の of」と呼ばれます。

目的格と聞くと難しそうですが、of のイメージである「前景 of 背景」は同じです。ただ、目的格の場合は「前景と背景の距離が近くなる」ことに注意が必要です。

この例文でいえば、シールのように前景の「発見」を背景の「石油」に貼り付けるイメージになるわけです。

フレーズ:the election of the President(大統領選挙)

「the election の背景に the President がある」→「大統領選挙」となります。

これも、シールのように前景の「選挙」を背景の「大統領」に貼り付けるイメージとなります。

同格の of

フレーズ:the city of Tokyo(東京という都市)

まず the city で一般的な都市のイメージを描き、of Tokyo でその背景に東京のイメージを描いています。一般的な都市のイメージに東京という中身を代入しているような感じで、意味は「東京という都市」となります。

フレーズ:the art of painting(絵を描くという芸術)

一般的な芸術のイメージに絵を描くという中身を代入しているような感じで、「絵を描くという芸術」という意味になります。

性質・特徴

コンセプトの体現を表す of

フレーズ:a man of courage(勇気のある男)

「a man の背景に courage(勇気)がある」→「勇気を体現した男」となります。

この表現は a courageous man(勇気のある男)よりも堅い表現として受け取られます。その理由は courage が名詞であり、形容詞 courageous よりもカッチリした感じになるためです。

フレーズ:an issue of importance(重要性のある問題)

「an issue の背景に importance(重要性)がある」→「重要性を体現する問題」となります。

なお、issue は「話し合うべき問題」であり、problem(解決するべき問題)とは区別されます。

内容・素材

容器 of 内容

フレーズ:a cup of coffee(一杯のコーヒー)

「a cup(一杯のカップ)の背景に coffee(コーヒー)」→「コーヒーの入っている一杯のカップ」となります。

ただ、このあたりの表現はイメージよりも定型表現として丸暗記してしまうほうが早いですね。

素材を表す of

例文:I made a desk of wood(私は木で机を作った)

「a desk(ある机)の背景に wood(木)」→「木が素材である机」となります。

構成要素を表す of

フレーズ:a staff of 2 men and 3 women(男性2人、女性3人からなるスタッフ)

「a staff(あるスタッフの集団)の背景に 2 men and 3 women(男性2人と女性3人)」→「男性2人、女性3人からなるスタッフ」となります。

起点・原因

原因を表す of

例文:He died of a heart attack.(彼は心筋梗塞で死んだ)

die of ~ は「~で死ぬ」という意味。of は原因を表しています。

なお、from も原因や起点を表しますが、from と比較して of は原因や起点とつながっているイメージになります。この例文も、直接的な死因が心筋梗塞であることを表しています。

出自を表す of

例文:He is of a good line.(彼は良家の出です)

a good line は「良い家系・血筋」という意味。of a good line で「良家の出」となります。

彼と家系はつながっていて、切っても切れないものというニュアンスで、of が使われています。

起点を表す of

フレーズ:a quarter of seven(6時45分)

a quarter of seven は「7時から15分戻した時間」で「6時45分」となります。

of は後ろ(背景)から前に戻る働きをするため、of が起点を表す場合も、その起点から前に戻る向きに働きます。

なお、a quarter of seven という表現はアメリカの一部地域で使われています。一般的には a quarter to seven(15分経てば7時 → 6時45分)という表現のほうが使われています。

※a quarter of seven / a quarter to seven のいずれの表現においても、最初の a を付ける人と付けない人がいるようで、はっきりとは定まっていないようです。今回は 1/4 であることがわかりやすいように a をつけておきました。

分離

ここまで of の働きについて説明してきましたが、すべて「つながっている」感じがありました。

しかし、of が副詞として使われる場合は、「分離」という逆の働きをするようになります。

そのようになる理由は、前置詞のときは「背景から前景への流れ」を表していたものが、副詞になると「背景から前景へ分離させる動き」として働くようになるからです。

このことを例文で確認していきましょう。

分離を表す of

例文:The man robbed me of my bag.(その男は私のバッグを奪い取った)

この例文で難しいところは me of my bag という部分を「私から私のバッグを分離させる」と解釈するところです。

しかし、これまでの解説に従えば me of my bag は、前景が「me」で背景が「my bag」となり、「私のバッグから私を分離させる」となってしまいますよね。

そのイメージだと「その男は私のバッグから私を奪い取った」となって、大変おかしな状況になってしまいます。では、どうすれば「私から私のバッグを奪い取る(分離させる)」と解釈できるのでしょうか。

実は、この例文の骨格は me を取り除いた The man robbed of my bag.(その男は私のバッグを奪った)です。

of は副詞として「何かから分離する」ニュアンスを動詞 robbed(奪った)に加えています。また、動詞 robbed は my bag を目的語としています。

この骨格 robbed of my bag に me を差し挟むことで、「何かから分離する」の「何か」として「私」が置かれることになるわけです。

まとめると、robbed の目的語を me ではなく my bag と捉えることと、of を前置詞ではなく副詞として捉えること、という2つがポイントだったわけです。

of の語源は、副詞の off です。そのため of が副詞として働くとき、この例文のように語源の off に近いニュアンスになることがしばしばあります。

※ rob A of B はこれまでの英文法では第三文型(SVO)に分類されますが、本稿では第四文型(SVOO)の亜種として取り扱っており、イメージもそれに沿ったものにしています。(これまでの英文法解釈とは異なっていますのでご注意ください)

存在を取り出す of

例文:I thought of you last night.(昨晩、あなたのことを考えていました)

thought of you は「あなたの存在を取り出して考えていた」というイメージです。

あなたの存在を分離させることは、あなたの存在を取り出すことでもあります。こうすることで、あなたの存在そのものに焦点を絞って考えていたニュアンスを表しているわけです。

なお、この例文は恋人同士で交わすやり取りに出てくるようなイメージです。

of の用法まとめ

of のコアイメージは「背景を作り、その支配下に置く」です。

of の主な用法は「部分 of 全体」「所属・所有」「コンセプトの体現」「容器 of 内容」「原因」「分離」です。

カテゴリ 用法 フレーズ 意味 備考
部分・所属 部分 of 全体 the top of the hill 丘の頂上 立体的な構図を重ね合わせる
所属・所有を表す of the University of California カリフォルニア州立大学 have のイメージ
関連 行為者を表す of the roar of a lion ライオンのほえる声
目的格の of the discovery of oil 石油の発見 シールのように前景を背景に貼り付ける
同格の of the city of Tokyo 東京という都市 東京という中身を代入
性質・特徴 コンセプトの体現を表す of a man of courage 勇気のある男 堅い表現
内容・素材 容器 of 内容 a cup of coffee 一杯のコーヒー
素材を表す of a desk of wood 木の机
起点・原因 原因を表す of die of ~ ~で死ぬ 直接的な死因
起点を表す of a quarter of seven 6時45分 起点から前に戻る
分離 分離を表す of robbed me of my bag 私から私のバッグを奪い取った of は副詞、robbed の直接目的語は my bag
存在を取り出す of think of you あなたのことを考える あなたの存在に焦点を絞る

【Special Thanks】

Emma Ferrazzi(ネイティブチェック)