今度こそto不定詞を体得!3用法の見分け方のコツも伝授します。

このページの読了時間:約214

「to不定詞の3用法ってどういう意味だったっけ?」ーー何度学習しても抜けてしまいがちなto不定詞の用法、今度こそしっかりつかんでしまいましょう!

不定詞とは

to不定詞の「不定詞」とは「動詞の原形」と同じことです。

to不定詞=to+動詞の原形

to不定詞は to と動詞の原形を組み合わせた形式で、様々な意味で使われるため、英文法でも特別に項目として取りあげられています。

※英文法の参考書や解説サイトのなかには、「to+動詞の原形」という形式を「不定詞」と呼んでいるものもありますので、ご注意ください。

to不定詞が様々な意味を生み出しているのは、to の働きによるところが大きいので、本記事では to のコアイメージを確認してから、to不定詞の用法を確認していくことにします。

不定詞の「不定」とは何なのか?

さきほど不定詞とは動詞の原形のことだと述べました。しかし、そうであるならば、なぜ動詞の原形をわざわざ「不定詞」などと呼んでいるのでしょうか?動詞の原形のどこに「不定」の要素があるのでしょう?

その答えは「不定」が表す内容にあります。不定詞の「不定」とは「語形が述語動詞(V)として使える語形に定まっていない」ことを表しています

※述語動詞とは文型として習うSVOなどのVの部分のことです。SVO は S(主語)+V(述語動詞)+O(目的語)の略です。

つまり、不定詞とは述語動詞として使える語形に定まる前の動詞を表す用語であり、そのため動詞の原形と同じになるのです。

「不定」についてのより詳しい解説は以下を参照ください。
https://togetter.com/li/1111863

toのコアイメージ

toのコアイメージは「別のところに向かう動き(矢印)とその向かう先にある対象(到達点)」です。

to はto不定詞以外に前置詞として使われることもあります。しかし、前置詞のtoも、to不定詞のtoもイメージは同じです。

例文:He sent presents to the children.(彼は子どもたちにプレゼントを送った)

プレゼントが向かう先にあるのは子どもたち、というわけです。前置詞のtoは「~に」という日本語にだいたい対応しているのでわかりやすいですね。

しかし、to不定詞のtoはそのような特定の日本語に留まらない広い意味で使われます

それもこれもtoが「矢印と対象物」というシンプルなイメージだからです。

そのようなtoのシンプルなイメージから、to不定詞の様々な意味が生まれてくることをひとつずつ見ていきましょう。

to不定詞の名詞的用法

名詞的用法のイメージ

toのコアイメージのなかでも「向かう先にある対象」に焦点を当てた用法がto不定詞の名詞的用法です。

対象なので「~すること」と固まり(名詞)のように扱います。

名詞的用法の例文

例文:To know her is to love her.(彼女を知ることは彼女を愛することだ)

to knowは「知ること」です。toによって指し示した先にあるのがknowだという感じです。

このように主語にto不定詞(名詞的用法)を持ってくると、そのような類の行為を指し示すことになり、「一般的な内容」というニュアンスが含まれるようになります。

「彼女を知るということ(=知るという類の行為)は、彼女を愛することだ」と言っているわけです。

この “To know her is to love her.” というフレーズはロックバンド Beatles(ビートルズ)の楽曲名で、邦題は「会ったとたんに一目惚れ」となっています。

その意中の彼女と、まだお近づきになれていない男性の「もっと彼女のことを知って、彼女のことを愛したい」という気持ちを歌った曲です。

例文:He needs to see a doctor.(彼は医者に診てもらうことが必要だ)

He needsは「彼は必要としている」、to see a doctorは「医者に診てもらうこと」です。

toによって指し示した先にあるのがsee a doctorというわけなので、「これから(診てもらう)」というニュアンスが含まれます

名詞的用法の代表的な意味

to不定詞の名詞的用法における代表的な意味は「~すること」です。「一般的な内容」や「これから」というニュアンスが含まれることがあります。

to不定詞の形容詞的用法

形容詞的用法のイメージ

「直前の名詞を引っ張って、その内容を指し示す」用法がto不定詞の形容詞的用法です。

「その○○(直前の名詞)とは…である」という感じです。

形容詞的用法の例文

例文:I’m looking for someone to take care of my dog.(犬の面倒を見てくれる人を探しています)

I’m looking for someoneは「私は誰かを探しています」、(someone) to take care of my dogは「(その人とは)私の犬の面倒を見てくれる」です。

toは直前の名詞someoneを引っ張って、その内容としてtake care of my dogを指し示しています。

someoneはtakeの意味上の主語になります。

例文:I have a lot of work to do this month.(今月はたくさんやるべき仕事がある)

I have a lot of workは「私はたくさんの仕事をもっています」、(work) to do this monthは「(その仕事とは)今月やらなければいけない」です。

toは直前の名詞workを引っ張って、その内容としてdo this monthを指し示しています。

workはdoの意味上の目的語になります。

例文:She has strong desire to be an actress.(彼女は女優になりたいという強い願望を持っています)

She has strong desireは「彼女は強い願望をもっています」、(desire) to be an actressは「(その願望とは)女優になる」です。

toは直前の名詞desireを引っ張って、その内容としてbe an actressを指し示しています。

このように直前の名詞desireの具体的内容をto不定詞to be an actressが表している場合、直前の名詞とto不定詞は同格の関係にあると言います。

形容詞的用法の代表的な意味

to不定詞の形容詞的用法における代表的な意味は「その○○(直前の名詞)とは…」です。

自然な日本語訳にすると「~するための」「~するような…」「~するべき…」「~するという…」などが当てはまります。

to不定詞の副詞的用法

副詞的用法のイメージ

「行為の目的や原因を指し示す」用法がto不定詞の副詞的用法です。

「~している、その目的・原因は…である」という感じです。

副詞的用法の例文

例文:He is working hard to buy a new car.(彼は新車を買うために一生懸命働いています)

He is working hardは「彼は一生懸命働いています」、to buy a new carは「(その目的は)新車を買うこと」です。

toは He is working hard という行為の目的として buy a new car を指し示しています。

例文:I’m very happy to meet you.(あなたに出会えてとても嬉しいです)

I’m very happyは「私はとても幸せです」、to meet youは「(その原因は)あなたに出会ったこと」です。

toは I’m very happy という状態の原因として meet youを指し示しています。

to不定詞はいつもこれから(将来)のことを述べるわけではありません。

toは別のところにあるものを指し示すので、これまで(過去)のことであっても、聞き手が推測しにくいことであれば普通に使えます

例文:He grew up to be a famous artist.(彼は成長して、有名なアーティストになった)

He grew upは「彼は成長した」、to be a famous artistは「(その結果)有名なアーティストになった」です。

toは He grew up という動き(推移)の結果として be a famous artist を指し示しています。

この結果を表すto不定詞の用法は、思いがけないことを述べるときによく使われます

例文:He must be a genius to understand the theory.(その理論を理解するなんて彼は天才に違いない)

He must be a geniusは「彼は天才に違いない」、to understand the theoryは「(その根拠は)その理論を理解したこと」です。

toは He must be a genius という判断の根拠として understand the theory を指し示しています。

副詞的用法の代表的な意味

to不定詞の副詞的用法における代表的な意味は「その目的・原因・結果・根拠は~」です。

自然な日本語訳にすると「~するために(目的)」「~して(原因)」「その結果~(結果)」「~するなんて(根拠)」などが当てはまります。

to不定詞の3用法の見分け方

学校の試験によく出てくるto不定詞の3用法の見分け方のコツをお伝えします。社会人の方はスルーしていただいて大丈夫です。

まず、最初に見るべきは、to不定詞が固まり(~すること)として捉えられるかどうかです。捉えることができる場合は名詞的用法になります。

固まり(~すること)で捉えられない場合は、to不定詞の直前が名詞かどうか確認します。直前が名詞でなければ、副詞的用法になります。

問題は直前が名詞の場合です。

to不定詞が直前の名詞の内容を指し示している場合(その○○とは…)は、形容詞的用法になります。

to不定詞の直前で区切って、その行為の目的や原因などを指し示している場合(その目的・原因は…)は、副詞的用法になります。

直前が名詞である場合の形容詞的用法と副詞的用法の見分け方のポイントは「to不定詞の直前で区切るかどうか」です。

to不定詞が直前の名詞とつながっていて区切らなければ形容詞的用法、to不定詞の直前で区切れば副詞的用法というわけです。

これについては練習問題で確認してみましょう。

練習問題

次の英文に含まれているto不定詞が3用法のいずれに当てはまるか選べ。(名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法)

問題1:Our plan is to climb the mountain tomorrow.

問題2:would you like something to drink?

問題3:You were careless to make such a mistake.

問題4:I visited Nara to see my uncle.

●解答1:Our plan is to climb the mountain tomorrow.

名詞的用法

to climb the mountain tomorrowは「明日その山に登ること」という固まりなので名詞的用法。

●解答2:Would you like something to drink?

形容詞的用法

to drinkはここでは「飲むこと」と捉えられないので、名詞的用法ではありません。

次に、直前のsomethingは名詞です。something / to drinkのように区切ると「飲むために、何かを欲していますか?」のようなニュアンスになり、不自然です。

この場合は、something to drinkと続けて、to drinkはsomethingの内容を指し示していると解釈するのが普通です。よって、形容詞的用法となります。

●解答3:You were careless to make such a mistake.

副詞的用法(根拠)

to make such a mistakeはここでは「そんなミスを犯すこと」とは捉えられないので、名詞的用法ではありません。

また直前の単語carelessは名詞ではないので、副詞的用法となります。

この例文では、to make such a mistakeは「その根拠は…」と、あなたは不注意だった(You were careless)と判断した根拠を付け足しています。

●解答4:I visited Nara to see my uncle.

副詞的用法(目的)

to see my uncleはここでは「叔父に会うこと」と捉えられないので、名詞的用法ではありません。

次に、直前の単語Naraは名詞です。I visited Nara / to see my uncleと区切ることで「叔父に会うために、奈良を訪れた」となります。よって、副詞的用法です。

なお、形容詞的用法だとすると、to see my uncleはNaraの内容を指し示すことになりますが、「その奈良とは、私の叔父に会う」のような意味不明な解釈しかできないので、やはり不適切となります。

問題2~4における区切りは会話における呼吸と同じです。読み上げたときに、一呼吸いれるかどうか、something to drink、careless to make、Nara to see それぞれ音読して確かめてみてください。

to不定詞のその他の用法

ここまで説明しておいて何ですが、名詞的用法はともかく、to不定詞の用法として形容詞的用法と副詞的用法に分けることに私は否定的です。

なぜなら、どうしても分類できない例もあるからです。

例文: She designed and implemented a page layout program to help her with magazine design.

この例文は

  • 「彼女はページレイアウトプログラムを設計し、実装した。(そのプログラムとは)彼女の雑誌デザイン業務を助けてくれる」(形容詞的用法)
  • 「彼女はページレイアウトプログラムを設計し、実装した。(その目的は)彼女の雑誌デザイン業務を助けるために」(副詞的用法)

のどちらでも解釈できます。

話し手がto不定詞の直前の名詞programで区切って話していれば副詞的用法のような解釈になりますし、区切らずに続けて話していれば形容詞的用法のような解釈になります。

そもそも、この3分類は日本語訳したときに名詞的・形容詞的・副詞的に訳せるというだけのものです。

これは授業の板書で見たことがあるようなイラストですよね。さきほど記事内で挙げたイラストと比較してみましょう。

一番の違いは、板書イラストでは「矢印が戻ってくる」ことです。

なぜ矢印が戻ってくるのかというと、自然な日本語に訳すためには、矢印を戻して日本語的な順序で捉える必要があるからです。

つまり、これは翻訳のためのテクニックなのです。そしてもっと言えば、to不定詞を3用法に分類すること自体、日本人が勝手にやっていることなのです。(英語圏の文法では、そのような分類はしていません)

「えっ、じゃあ今まで読んできた解説って意味ないの?」と思われたかもしれませんね。そんなことはありませんのでご安心ください。

toのコアイメージが同じである以上、どんな例文でもto不定詞のイメージは同じようなものになります

ここまでto不定詞の主要な働きを3つ学びました。他の用法もだいたいこの3つの働きのいずれかだったり、組み合わせたものなのです。

ただ、組み合わせとなると名詞的、形容詞的、副詞的のような分類はできなくなります。

そこで一旦これらの用語を忘れて頂いて、実用英語という観点からto不定詞が登場するその他の用法を確認していきましょう。

be+to不定詞

be+to不定詞は「予定、運命、意思、可能、義務、命令」を表します。次のようなイメージになります。

例文:The next meeting is to take place in Tokyo.(次の会合は東京で行われる予定です)【予定】

例文:You are to do your homework before going to play.(遊びに行く前に宿題を済ませなければいけません)【義務】

例文:If you are to succeed, work hard.(もし成功するつもりならば、一生懸命働きなさい)【意思】

どの用法も向かう先にある対象物という基本イメージから派生しています。また、基本的には話し手の都合や気持ちを含まない客観的な表現です。

「意思」の用法がありますが、それもたいてい例文3のように「あなたが~するならば」という感じで、単なる条件分岐のように使われることが一般的です。

この感覚はhave to do(客観的に~しなければならないことがある)に近いものがあります。

「be+to不定詞」も「have+to不定詞」も、その意味はともに to のイメージから派生しているわけです。

SVO+to不定詞

例文:I want you to buy health insurance.(私はあなたに健康保険に入ってほしい)

I want youは「私はあなたを欲している」、(you) to buy heakth insuranceは「(そのあなたとは)健康保険を買う」です。

toは直前の名詞youを引っ張って、そのyouが行う内容としてbuy heakth insuranceを指し示しています。

そうです。これは形容詞的用法で出てきたイメージと同じですね。もちろん、これを形容詞的用法だとは言えません。日本語訳したときに形容詞的にならないからです。

しかし、イメージは同じであることはお分かりいただけると思います。

イメージが描ければ意味もわかる。用法による分類ではなく、イメージで捉えるメリットはこのようなところにあるのです。

難易表現+to不定詞

例文:Trust is hard to earn and easy to lose.(信頼は得難く、失いやすい)

Trust is hardは「信頼は難しい」、(hard) to earnは「(その難しさとは)稼ぐこと」です。

toは直前の形容詞hardを引っ張って、そのhardの内容としてearnを指し示しています。またto earnは「稼ぐこと」と名詞的に扱われています。

この例文のポイントは2つあります。一つ目は、to不定詞の働きは独立しているわけではなく、複数を組み合わせて用いることもあるということです。

むしろこれはイメージをどう解釈するかという問題なだけで、toはtoとしてのイメージのまま変わっていないと言ったほうが正確かもしれません。

二つ目は、to不定詞の直前が名詞ではない形容詞でも、toは同じように内容を指し示すことができるということです。

ただし、この例文においては、わざわざ日本語訳の「その難しさとは」という言葉を入れるよりは、「信頼は難しい→稼ぐこと、簡単→失うこと」と記号化したほうが英語の感覚に近くなります。

難易度のレベルごとに行為を紐付けているようなシンプルなイメージであり、解説しようとすればするほど、ごちゃごちゃしてしまう典型例だと言えます。

形式主語+to不定詞

例文:It‘s difficult to get up in the morning.(朝起きるのは難しい)

It’s difficultは「それは難しい」、to get up in the morningは「(それとは)朝起きること」です。

toは形式主語itを引っ張って、その内容を指し示すとともに、to get up in the morningは「朝起きること」と名詞的に扱われています。

このように形式主語itに関しては、toはitが少し離れていても(=直前になくても)引っ張ってくることができます

話し手としても形式主語itを述べた段階で、後でその内容を言わなければいけないという意識を持つので、その気持ちをtoと述べたときに引っ張って表に出してあげる感じです。

例文:I find it difficult to get up early.(早起きは難しいとわかった)

さきほどのitは主語でしたが、目的語の位置にあっても同じです。toは形式目的語itを引っ張って、その内容を指し示しています。

なお、これら形式主語や形式目的語は学校文法では、名詞的側面を重視して、名詞的用法として分類しています。

まとめ:to不定詞の用法一覧

toのコアイメージは「別のところに向かう動き(矢印)とその向かう先にある対象(到達点)」です。

to不定詞の主な働きは「1:向かう先にある対象」「2:何かを引っ張って内容を指し示す」「3:行為の目的や原因を指し示す」になります。

▼to不定詞の用法一覧

用法 働き 見分け方 代表的な意味
名詞的用法 1(*) 固まりとして捉えられる ~すること
形容詞的用法 2 直前が名詞で、その内容を指し示している ~するための
副詞的用法 3 直前で区切って、行為の目的や原因を指し示している ~するために
be+to不定詞 1 予定、運命、意思、可能、義務、命令
SVO+to不定詞 2 SはOが~することをVする
難易+to不定詞 1、2 ~することが難しい(易しい)
形式主語it+to不定詞 1、2 ~することは…である

(*) 働きの番号はto不定詞の主な働きの番号に対応しています。

繰り返しになりますが、to不定詞で大切なことは3用法に分類することではなくて、toのコアイメージを使って英文のイメージを描き、そこから意味を捉えることです。本稿によって3用法にとらわれないtoの魅力を知って頂ければ幸いです。