前置詞 by のイメージと意味・用法まとめ

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前置詞 by は「~によって」という意味が有名ですが、stand by(~のそばに立つ)のように「~によって」では捉えられない用法もあります。この記事では by のコアイメージから、by の持つ意味・用法(「場所」「手段・方法」「受け身」「時間」)について解説します。

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by のコアイメージ

by のコアイメージは「~に寄って」です。

by は、ある状況に至った経緯を表します。つまり、何かに「近寄って接した」結果、ある状況になった、という一連の流れを表しているわけです。

またイラストにある B はオーブのようなもので、A が B に接したときに「A は B の影響を受ける」というニュアンスも含んでいます。

by の主な用法は「すぐそばに(近接)」「~で(方法)」「~によって(動作主)」です。

ここまでの説明は少し抽象的だったと思いますので、例文で具体的に確認していきましょう。

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by の用法

場所に関する用法

近接

例文:He stood by the window.(彼は窓のそばに立っていました)

by the window は「その窓のすぐそばに」という意味。by は近接を表しています。

通過

例文:The bus was going by the post office as I came out.(私が出てきたとき、そのバスは郵便局を通り過ぎていったところでした)

by the post office は「その郵便局を通り過ぎて」という意味。by は通過を表しています。

The bus was going(そのバスは行っているところでした)と組み合わさって、「郵便局を通り過ぎていったところでした」となります。

手段・方法に関する用法

手段・方法

例文:He earns his living by selling insurance.(彼は保険を売ることで生活費を稼いでいます)

by selling insurance は「保険を売ることで」という意味。by は方法を表しています。

ここで注意してほしいのは、表現の順番です。英語では He earns his living と状況を先に述べて、次にその状況に至ることになった経緯として by selling insurance と述べています。

自然な日本語訳は「保険を売ることで」となりますが、英語本来のイメージとしては「保険を売ることを通じて」のほうが近いことがわかりますね。

※英語では、方法を表す by を “way of doing something“(何かをする方法)と表現します。この way は「方法」という意味ですが、way は他にも「道」という意味をもっています。つまり、英語では「道」と「方法」はイメージとして近いわけです。

例文:He goes to work by bus.(彼はバスで仕事に行きます)

by bus は「バスで」という意味。by は輸送方法を表しています。

by が一般的な輸送方法を表す場合、by の後には名詞をそのままもってきます。つまり、冠詞の a や the などをつけません。

英語では、無冠詞の名詞は具体的なモノではなく、コンセプトを表します。つまり、無冠詞の bus は「バスの働き(※)」というコンセプトを表しているわけです。

無冠詞 bus と by を組み合わせた by bus は「バスの働きを通じて」というイメージであり、その結果として He goes to work(仕事に行っている)という状況に至るわけなのです。

(※)「バスの働き」とは、幼児から「バスって何?」と聞かれたときに答える内容だと思ってください。正解があるわけではありませんが、たとえば「バス停からバス停まで運んでくれる」「お金を払って乗るもの」「運転手さんがいる」などが挙げられます。

経由

例文:He came in by the back door.(彼は裏口から入ってきました)

by the back door は「裏口を通って」という意味。by は経由を表しています。

単位

例文:Eggs are sold by the dozen.(卵は1ダース単位で売られています)

by the dozen は「1ダース単位で」という意味。

by the A で「A単位で」となり、単位を表します。必ず the を用いることに注意してください。

なお、by the dozen は「12個を1まとまりにすることを通じて」とイメージするとよいでしょう。

例文:He showed me the process step by step.(彼は私に一つずつ工程を示しました)

step by step は「一歩ずつ」という意味。慣用句として用いられる表現です。

なお、最初の step は「歩み」のイメージで、by step で「一歩ずつの単位で」というイメージが加えられます。

差異

例文:I was overcharged by 1,000 yen.(私は1,000円余分に請求された)

overcharged by 1,000 yen は「1,000円余分に請求される」という意味。by は差異を表しています。

by 1,000 yen は、請求される過程において「1,000円分を受ける」ようなイメージです。今回は overcharged なので上乗せされた金額となります。

※ I was undercharged by 1,000 yen. だと「1,000円少なく請求された」となります。by 1,000 yen はあくまで差分の金額というわけです。

受け身に関する用法

動作主

例文:The mouse was chased by the cat.(そのネズミはその猫に追いかけられた)

by the cat は「その猫によって」という意味。by は受動態で動作主を表すときに用いられます。

※受動態についての詳細は「受動態の文型ごとの例文解説と受動態の作り方」をご参照下さい。

例文:a painting by Monet(モネの絵)

by Monet は「モネによって(描かれた)」という意味。作品の後に続く by は作者を表します。

参考:a play by Shakespeare(シェークスピアによる劇)

乗法・除法

例文:3 multiplied by 4 is 12.(3×4=12)

3 multiplied by 4 は「4を掛けられた3」という意味。by は乗法や除法を表すときにも使われます

なお、例文は 3 times 4 is 12. と同じです。口語では times のほうがよく使われます。

寸法

例文:The room is 15 meters by 24 meters.(その部屋は15メートル✕24メートルです)

15 meters by 24 meters は「15m ✕ 24m」という意味で、縦 ✕ 横の寸法を表しています。

by は乗法で用いられることから掛け算のイメージが伴っており、そこから寸法という用法が派生したものと考えられます。

※ by は掛け算の代替として使えるものではありません。by はあくまでも、四角形の辺の長さ(縦・横)を表しているだけです。

時間に関する用法

期限

例文:I’ll be back by 4:00.(私は4時までに戻ってきます)

by 4:00 は「4時までに」という意味。by は期限を表しています。

4時に至るまでの間に「戻ってくること」を実行し、その結果、4時には戻っているつもりだ、というわけです。

なお、期限を表す by は “on or before”(ちょうどまたはそれまでに)と英語圏では説明されており、ぴったりの時間も含みます。

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by の用法まとめ

by のコアイメージは「~に寄って」です。

by の主な用法は「すぐそばに(近接)」「~で(方法)」「~によって(動作主)」です。

カテゴリ 用法 フレーズ 意味 備考
場所 近接 by the window その窓のすぐそばに
通過 going by the post office その郵便局を通り過ぎていったところ
手段・方法 手段・方法 by selling insurance 保険を売ることで
輸送方法 by bus バスで by+無冠詞の名詞(~の働きを通じて)
経由 by the back door 裏口を通って
単位 by the dozen 1ダース単位で 12個を1まとまりにすることを通じて
差異 overcharged by 1,000 yen 1,000円余分に請求される by は差分の金額
受け身 動作主 by the cat その猫によって
乗法・除法 3 multiplied by 4 3×4 口語では times がよく使われる
寸法 15 meters by 24 meters 15m ✕ 24m
時間 期限 by 4:00 4時までに ちょうどまたはそれまでに

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コメント

  1. アバター Narnian より:

    こんなにもbyの使い方があったのだなと1つずつ確認して改めて感じました。中でも、後に無冠詞が来る場合と冠詞がつく場合についてしっかりと確認できました。ついつい適当になりがちなので、とても説明がわかりやすかったです。

    説明にもあったように、私も普段掛け算の表現はTIMESを使う事しかしていなかったので、multiplied by という言い回しも今後活用してみます。

  2. アバター ぽちぽち より:

    とてもわかりやすかったです。乗法・除法のような数学的な場面でもbyを使うというのは、初めて知りました。そして、差異の使い方が今までは納得できていなかったのですが、この記事の説明で理解できたような気がします。

  3. アバター 匿名 より:

    全ての前置詞に言えることですが、難しいというか、いつも混乱してしまいます。しかし、こちらの記事ではby用法がイメージで解説してあるので、眺めるだけで「なるほど!」と思いました。また、それぞれの用法ごとに詳しい説明と例文があるため大変参考になりました。

  4. アバター 一人焼肉党 より:

    前置詞 by の手段・方法に関する用法の中で、by bus の by は「一般的な輸送方法の時は、by の後には名詞をそのままもってきます。つまり、冠詞の a や the などをつけません。」との記述があり、この際の bus というのは「バスの働きというコンセプトを表しているわけです。」とのことでしたが、by が単位を示すケースの場合は the をつけることに注意という説明があり、このあたりが少し理解するのに難しいと感じました。ですので、もう少し突っ込んだ説明があると、よりわかりやすいかなと思いました。

  5. アバター すけ子 より:

    byと言う前置詞はよく見ますが、こんなにもたくさんの意味で使われているのかとちょっと驚きました。経由や単位の意味など、私の知らなかったところでも使われることがわかって勉強になりました。最後の表にまとまっているので、これを見れば頭が整理される気がします。

  6. アバター Tommy より:

    まず、コアイメージの「~に寄って」という漢字を使うということで、byのイメージがとても分かりやすくなったと感じました。また、byのそれぞれの用法をひとつずつ分かりやすく覚えることができるようになっていて良かったです。しかし、それでもたくさんの用法があり、覚えるのが大変だとも感じました。

  7. アバター 岡田 より:

    byの用法については分かっていたつもりだが、改めてそれぞれの用法を見てみるとその多さに驚いた。特に、「差異」や「単位」の使い方は参考になった。それぞれの用法が簡単な例文と共に、非常にわかりやすく書かれていたのが良かった。byを使わない前置詞を混ぜた練習問題も出してみると面白いかもしれない。

  8. アバター さくらランナー より:

    by というのは日本の和製英語的表現でも非常によく使うものですが、コアイメージとなると意外と分かりにくいものですね。
    前置詞 by が、ある状況に至った経緯そのものを指すというのは、解説されないと分からないものです。

  9. アバター 匿名 より:

    byの内容に関して、一見長い記事かなと思って読むのを躊躇しましたが、実際読んでみると、それぞれの用法ごとにイメージを使っての解説があり、凄く分かり易くまとめられていて、今まで読んだ参考書の中で一番良かったです。大変勉強になりました。

  10. アバター rascal より:

    by にはいろいろな用法があるようですが、何となく意味はつかめます。ただ、乗法・除法については、言い方自体がわからなかったのでとても勉強になりました。この機会に算数で使う英語について復習しようと思います。