前置詞 for のイメージと意味・用法まとめ

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前置詞 for は「~のために」という意味が有名ですが、それ以外にも「賛成する」や「対価」など「~のために」では捉えられない用法もあります。

この記事では for のコアイメージから、for の持つ意味・用法(「向かう先にあるもの」「代わりを提示する」「範囲・期間」「予定日時」など)について解説します。

for のコアイメージ

for のコアイメージは「(目の)前の方向」です。

「人が腕を広げている」状況を想像してみると for のイメージがつかめます。「腕と腕がつくりだす領域」を表していると考えるとよいでしょう。

for の主な用法は「~のために」「~に向かう」「~を求めて」「代わりを提示する」「前提を提示する」「範囲・期間」です。

for にはたくさん用法がありますが、ひとつずつ例文で確認していきましょう。

for の用法

「向かう先にあるもの」を表す for

~のために(利益)

例文:This is a present for you.(これはあなたへのプレゼントです)

for you は「あなたのために」という意味。腕を広げた領域内に「あなた」がいるイメージで、for は「利益(を受ける対象)」を表しています。

~にとって(対象)

例文:It was tough for me to clean my room.(部屋を掃除することは私にとって大変でした)

for me は「私にとって」という意味。大変な状態である対象として「私」がいるイメージです。

また for me to clean my room は「私が部屋を掃除すること」という意味でもあり、for me は to clean my room の意味上の主語にもなっています。

ただし、これは for というよりも to の働きによるところが大きい用法です。なぜなら、me が to に引っ張られることで「me → clean my room(私→部屋を掃除する)」という形式になっているからです。

このような英文の連続的な流れはイメージで確認した方がわかりやすいですね。

~に対して(対象)

例文:Thank you for your kindness.(ご親切に感謝します)

for your kindness は「あなたの親切に対して」という意味。あなたの何に感謝しているのか、その対象としている内容を for 以下で表しています。

「先に向かう動き」を表す for

~に向かう

例文:The train has already left for Tokyo.(その列車は東京に向けて既に出発しています)

leave for Tokyo は「東京に向けて出発する」という意味。for はどこに向かうのかを表しています。

この「~に向かう」は to と意味がよく似ているので、まぎらわしいですね。その違いは、to が「到達点につながっている」のに対して、for が表しているのは「方面」であり、つながっているというよりはその範囲内にあるというものです。

~を求めて

例文:I’m waiting for the bus.(私はそのバスを待っています)

wait for the bus は「そのバスを待つ」という意味。for は何を求めて待っているのかを表しています。

例文:Let’s go for a walk.(散歩をしに行きましょう)

go for a walk は「散歩をしに行く」という意味。a walk は「一歩き」であり、for a walk は「一歩きを求めて」というニュアンスになります。

一歩きを求めて出掛けましょう」→「散歩をしに行きましょう」というわけです。

~に賛成する

例文:I’m all for your plan.(あなたの計画に大賛成です)

all for your plan は「あなたの計画に大賛成」という意味。for は腕を広げるイメージで、ここから「~の方を向いている」→「~に賛成する」となります。

「代わりを提示する」for

交換・対価

例文:I bought the diamond for 237 dollars.(私はそのダイヤモンドを237ドルで買った)

the diamond for 237 dollars は「そのダイヤモンドを237ドルで」という意味。for はダイヤモンドの代わりとなるものを表しています。

イメージとしてはダイヤモンドの配下に代わりとなるものをパッと投影するような感じです。

意味・言い換え

例文:Red is for danger.(赤色は危険を表しています)

red is for danger は「赤色は危険を表す」という意味。for は赤色という色のもつ意味を表しています。

イメージとしては「赤色」の配下に、赤色がもっている意味や言い換え表現をパッと投影するような感じです。

代理・代表

例文:Please say hello to your family for me.(私の代わりにご家族によろしくお伝えください)

for me は「私の代わりに」という意味。for は代理を表しています。

イメージとしては家族へのメッセージの配下に「私」をパッと投影するような感じです。

メッセージの根っこに私がいる」→「代わりに伝えてもらった私のメッセージ」というわけです。

例文:I’m speaking for all of us.(みんなを代表してお話しています)

for all of us は「私たちを代表して」という意味。for は代表を表しています。

イメージとしては話していることの配下に「私たち」をパッと投影するような感じです。

「前提を提示する」for

~するための(用途)

例文:I used a knife for cutting bread.(私はパン切りナイフを使った)

a knife for cutting bread は「パンを切るためのナイフ」という意味。for は「~するための」という用途を表しています。

ナイフの配下に、そのナイフがもっている「パンを切ること」という用途を提示しています。そのナイフが何を前提としているかを表しているとも言えます。

~で(理由・原因)

例文:Kyoto is famous for its old temples.(京都は京の古いお寺で有名です)

famous for its old temples は「その古寺で有名」という意味です。for は「~で」という理由を表しています。

有名な状態の配下に「その古寺」という理由を提示しています。for は何が前提にあって有名なのかを表しているとも言えます。

例文:We could hardly see for the mist.(霧で私たちはほとんど見えなかった)

for the mist は「霧で」という意味。この for も「~で」という原因を表しています。

霧が前提にあって(=原因で)、私たちはほとんど見えなかったというわけです。

基準・対比

例文:She looks young for her age.(彼女は年齢のわりに若く見える)

for her age は「彼女の年齢のわりに」という意味。for は「~のわりに」と基準を表しています。

彼女が若く見えるという状態の配下に「彼女の年齢」という基準を提示しているイメージです。

例文:According to a recent survey, there is one divorce for every two marriages.(最新の調査によると、2件の結婚ごとに1件の離婚がある)

one divorce for every two marriages は「2件の結婚ごとに1件の離婚」という意味。for は対比を表しています。

ただし、for の表す対比は純粋な「A 対 B」という関係ではありません。この例文のように「1件の離婚」の配下に「2件ごとの結婚」という基準を提示することで対比を表していることに注意してください。

「範囲・期間」を表す for

例文:Bake the cake for 40 minutes.(ケーキを40分間、焼きなさい)

for 40 minutes は「40分間」という意味。for は範囲・期間を表しています。

腕を広げた範囲が40分だというイメージで捉えるとよいでしょう。

「予定日時」を表す for

例文:A meeting was arranged for 18th May.(ミーティングが5月18日に設定された)

for 18th May は「5月18日に」という意味。for は予定日時を表しています。

設定されたミーティングの配下に「5月18日」という前提を置くことで、それがこれまでのやり取りによって決められた日時であることを表しています。

例文:I’ve invited them for 9 o’clock.(私は彼らを9時に招待しています)

for 9 o’clock は「9時に」という意味。彼らを招待した状態の配下に「9時」という前提を置くことで、予定日時を表しています。

前置詞 for は過去志向

ここまで述べてきたように for は「前提」や「配下」というキーワードが結びついています。

「前提」に関して言えば、for は過去のことと結びつきやすい特徴が挙げられます。「~のための(用途)」は「過去の意図」と言えますし、「~で(理由・原因)」は「過去に起きたこと、過去から存在しているもの」を表しているとも言えます。

この観点から、ざっくり for は過去志向の前置詞であると言うことができるでしょう。

また「配下」に関して言えば、主語を表す subject も元々「下に投げられたもの」という意味なので、for のイメージと近いものがあります。

for が意味上の主語として使われるのは、そのような共通イメージがあるからと考えると納得しやすいと思います。

※この subject にご興味がある方は拙著『英会話イメージリンク習得法』をご覧ください。

for の用法まとめ

for のコアイメージは「(目の)前の方向」です。「腕と腕がつくりだす領域」だと考えるとわかりやすいでしょう。

for の主な用法は「~のために」「~に向かう」「~を求めて」「代わりを提示する」「前提を提示する」「範囲・期間」です。

カテゴリ 用法 フレーズ 意味
向かう先にあるもの ~のために(利益) a present for you あなたへのプレゼント
~にとって(対象) for me 私にとって
~に対して(対象) for your kindness あなたの親切に対して
先に向かう動き ~に向かう left for Tokyo 東京に向けて出発する
~を求めて wait for the bus そのバスを待つ
~に賛成する I’m all for your plan 私はあなたの計画に大賛成
代わりを提示する 交換・対価 the diamond for 237 dollars そのダイヤモンドを237ドルで
意味・言い換え red is for danger 赤色は危険を表す
代理・代表 say hello to your family for me 私の代わりにあいさつする
前提を提示する ~するための(用途) a knife for cutting bread パンを切るためのナイフ
~で(理由・原因) for the mist 霧で
基準・対比 for her age 彼女の年齢のわりに
範囲・期間 for 40 minutes 40分間
予定日時 for 18th May 5月18日に

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コメント

  1. アバター 桜木 より:

    forの用法が細かく別れて解説されているので、ひとつひとつ理解することができた。特に、「代わりを提示する」forの交換・対価「〜の代わりに」や、「前提を提示する」forの基準・対比「〜のわりに」は、意味がパッと出てこないので、ここで整理できてよかった。また、 for は過去志向という発想がなかったので新鮮だった。

  2. アバター Hattora より:

    forは前置詞の中でも、たくさん意味があるもので混乱しやすいので、まとめてもらえたのは有り難いです。特に「〜に向かう」のforとtoの違いは、ずっと気になっていました。この説明でも、なんとなくわかったような気はするのですが、具体的な例文があると、より嬉しいかと思います。動詞によってtoを使うものとforを使うものがあるのが、いまいちわかりません。

  3. アバター 猫スーパー より:

    手を開いて求めた幅で動きを表す図はわかりやすくて良いと思いましたが、代わりに提示するの図、前提を表示するの図だけが、なんだか違和感があって理解しずらかったです。それらの英文だと理解できるのですが、ダイヤがお金に変わることやパンを切ることに、あの図では動作が少々読み取りにくいなと思いました。

  4. アバター 匿名 より:

    forには思っている以上にたくさんの使い方があるんだなと思いました。一つ一つ使い方について丁寧に説明してくれていたので、頭の中の整理ができました。コアイメージの図を覚えておけば比較的理解しやすいと思います。他の前置詞との使い分けについても学習したいので、ほかの記事も読んでみようと思います。

  5. アバター 匿名 より:

    絵で描かれていて大変わかりやすかったです。

  6. アバター トマトのおかげ より:

    forの様々な意味について、両手を広げたエリアと方向を意識しての説明がわかりやすく頭に入ってきました。Red is for danger.の意味・言い換えは、当初「?」と思ったのですが、”投影させる”という説明で納得しました。ついついイディオムで考えがちですが、今後はイメージから理解を深めるようにしていきたいと思いました。

  7. アバター 友紀 より:

    forは今までもあまり間違わずに使えていた英語表現だと改めて確認しました。しかし「目の前の方向」というコアイメージは、言われないと、又は解説されないと多分分らなかったと思います。正確なイメージの把握というのは、いつも気づきがありますね。

  8. アバター 大洗 より:

    前置詞 for はたくさん使い方があって、初学者にとり理解が難しい項目です。コアイメージが目の前の方向性にあることを使って説明するという方法で、途中まではすっきり理解できました。ところが、代わりを提示するforの項目から突然配下という言葉が登場して、いささか混乱してきました。コアイメージと配下という言葉が結びつかなかったのが、混乱の理由です。配下という言葉を、もう少し具体的なメージのある言葉に置き換えることができればなと感じました。