Can you speak と Do you speak の違い

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“Can you speak English?”だとダメなの?

外国人の方に「英語を話せますか?」と聞きたいときは、”Can you speak English?”ではなく”Do you speak English?”と言うように教わりました。でも、どうして”Can you speak English?”だとダメなのでしょうか?

なぜ “Can you speak English?” だとダメなのか不思議ですよね。can のコアイメージを元に、“Do you speak English?”と”Can you speak English?”の違いをシチュエーションごとに解説しました。

canのコアイメージ

まずcanのコアイメージから確認していきましょう。canのコアイメージは話し手が思う「根拠に基づいた可能性」です。

canの主な用法には「能力」「許可」「依頼」があります。

※助動詞 can の持つイメージ・意味についての詳細は「助動詞 can のイメージと意味・用法まとめ」をご参照下さい。

“He can speak English.”と”He speaks English.”の違い

例文:He can speak English.(彼は英語を話せます)

この例文は「彼は英語を話す可能性をもっている」という意味です。

このセリフを聞いた人は「彼は英語を学んだことなどがあって(根拠)、英語の話し方を知っているのだろう」と解釈します。

この彼がどれくらい上手に英語を話せるかはこれだけではわかりませんが、普通は意思疎通ができるレベルなんだろうと聞き手は受け取ります。

※一応、彼が “Hello.” と言えるだけでも、”He can speak English.” ということはできます。しかし、他人に「彼は英語が話せるんだよ」と紹介するときは、たいてい「彼とは英語で意思疎通できるよ」というニュアンスを伝えることが目的なので、意思疎通ができるレベルを想定するのが一般的になるわけです。

そのため、このセリフは「彼は日常的に英語を話さないけれど、英語を使ってコミュニケーションすることができるんだよ」「彼は第二言語として英語が使えるんだよ」と言いたいときによく使われます。

※ただし、これは完全に正しい文章で話せるという意味ではありません。彼の母語が英語ではないという前提のもと「彼は英語が話せる」と紹介する場合は、文章が不完全であっても意思疎通できるという意味になります。この点、日本でよく言われる「彼は英語が話せる」のレベルとはズレがあることに注意してください。

比較:He speaks English.(彼は英語を話します)

現在形speaksは「習慣として話している」イメージなので、この例文は「(日常的に)彼は英語を話している」ことを表しています。

また、英語に堪能なニュアンスが含まれるので、このセリフは「彼の母語は英語なんだよ」「彼は英語を母語並みに話しているんだよ」と言いたいときによく使われます。

まとめると、can speakは「第二言語として話せる」現在形speak(s)は「母語として話している」というイメージと結びつきやすいことがポイントになります。

“Do you speak Japanese?”と”Can you speak Japanese?”の違い

ご質問の”Do/Can you speak English?”について解説する前に、speak Japanese(日本語を話す)の場合を確認してみましょう。

例文1:Do you speak Japanese?(あなたは日本語を話しますか?)

(日常的に)日本語を話しますか?」という意味です。このセリフは「日本語を母語並によく使いますか?」というニュアンスでよく使われます。

日本を旅行している外国人に対して使った場合は「日本に詳しそうに見えたのかな?」という印象を与えますが、特に問題がある表現というわけではありません。

例文2:Can you speak Japanese?(あなたは日本語を話せますか?)

(どこかで習うなどで)日本語を話せますか?」という意味です。このセリフは「日本語を第二言語として話せますか?」というニュアンスでよく使われます。

また、この表現には「日本語を話せますか?」と能力を尋ねるニュアンス以外に「日本語で話してもらえますか?」と依頼しているようなニュアンスが微妙に含まれます。

日本を旅行している外国人に対して使った場合は「日本語で話がしたいのかな?」という印象を与えるので、「日本語を話せますか?」という意図にぴったりの表現だと言えます。

例文3:Do you speak Japanese?(あなたは日本語を話しますか?)

英文としては例文1と同じですが、アメリカでネイティブに対して”Do you speak Japanese?”と言った場合を確認しておきましょう。

この場合も「日本語を母語並によく使いますか?」というニュアンスが含まれます。

そのため、相手に「えっ?急に何だろう?日本人だと思われたのかな?」という印象を与えるので、少し違和感のある表現と言えます。

例文4:Can you speak Japanese?(あなたは日本語を話せますか?)

同じようにアメリカでネイティブに対して”Can you speak Japanese?”と言った場合です。

この場合も「日本語を第二言語として話せますか?」だけでなく、微妙に「日本語で話してもらえますか?」というニュアンスが含まれます。

そのため、相手に「どうしたんだろう、何か困っているのかな?日本語で話がしたいのかな?」という印象を与えます。

相手になぜこのような質問をしているのかが伝わっていれば、まったく違和感のない表現と言えます。

まとめると、相手が外国人の場合は”Do you speak Japanese?”よりも”Can you speak Japanese?”のほうが違和感を与えにくい表現だと言えます。

“Do/Can you speak …?” 系のセリフは常に “Do you speak …?” が適切というわけではないのです。

“Do you speak English?”と”Can you speak English?”の違い

それでは、いよいよご質問の “Do/Can you speak English?” の解説に移りましょう。

例文5:Do you speak English?(あなたは英語を話しますか?)

(日常的に)英語を話しますか?」という意味です。このセリフは「あなたの母語は英語ですか?」というニュアンスでよく使われます。

日本を旅行している外国人に対して使った場合は「英語ネイティブだと思われたんだな」という印象を与えます。

例文6:Can you speak English?(あなたは英語を話せますか?)

(どこかで習うなどで)英語は話せますか?」という意味です。このセリフは「英語を第二言語として話せますか?」というニュアンスでよく使われます。

また、この表現には「英語を話せますか?」と能力を尋ねるニュアンス以外に「英語で話してもらえますか?」と依頼しているようなニュアンスが微妙に含まれます。

日本を旅行している外国人に対して使った場合は「英語で話がしたいんだろうな」という印象を与えます。

なお、英語で “Can you speak English?” と聞いている以上、相手は「質問してきたこの人は英語で会話が十分にできるんだろうな」と受け取るのが一般的です。

そのため、”Can you speak English?”と聞いたあと、しどろもどろの英語になってしまうようでは、相手は肩透かしを食う感じになるので注意してください。

例文7:Do you speak English?(あなたは英語を話しますか?)

英文としては例文5と同じですが、アメリカでネイティブに対して”Do you speak English?”と言った場合を確認しておきましょう。

この場合も「あなたの母語は英語ですか?」というニュアンスが含まれます。

そのため、相手に「えっ?どういうこと?ここはアメリカで英語を話すのが普通なのに、なぜ聞いてきているんだろう?」という印象を与えます。

わざわざ確認する必要のないようなことを聞いているので、違和感を与えてしまうわけです。

例文8:Can you speak English?(あなたは英語を話せますか?)

同じようにアメリカでネイティブに対して”Can you speak English?”と言った場合です。

この場合も「英語を第二言語として話せますか?」というニュアンスと「英語で話してもらえますか?」という依頼のニュアンスが含まれます。

想像して頂くとわかるかと思いますが、このセリフは相手に「わざわざ確認しなくても英語を話せるし、英語で話しますよ。もしかして英語が話せない移民のように思われているのかしら?」という印象を与えます。

そのため、相手がムッとしてしまうのも仕方がない表現だと言えます。

まとめると、相手が英語ネイティブと思われる場合は”Can you speak English?”よりも”Do you speak English?”のほうが適切な表現だと言えます。

ただし、これらのニュアンスが相手にどういう印象を与えるかは文脈に大きく左右されます。あくまでも大きな方向性として捉えてください。

まとめ:”Can you speak”と”Do you speak”の違い

can speakは「第二言語として話せる」、現在形speak(s)は「母語として話している」というイメージと結びつきやすい表現です。

Do you speak Japanese? Can you speak Japanese?
日本国内を旅行中の外国人
アメリカの在住ネイティブ
Do you speak English? Can you speak English?
日本国内を旅行中の外国人
アメリカの在住ネイティブ ×

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コメント

  1. アバター ランチパックマニア より:

    CanとDoの使い分けとても勉強になりました。英語や日本語を話せますかと聞きたい場合は話しかける相手に注意して使わないと相手に不快な思いをさせてしまうかもしれないということがわかりました。普段何気なく使っていますがこれからは気を付けようと思います。

  2. アバター 菜実 より:

    can speak ~ で質問するときは、相手が「第二言語」としてその言葉を話すことができるかというニュアンスを含み、そして受け取る側は質問者がその言葉で話して欲しいんだなと感じるということがよく分かりました。can you ~ で英語が話せますかと聞くときは、自分の英会話能力がある程度ないと恥ずかしいわけですね。

  3. アバター momodesk より:

    Can you speak English?とDo you speak English?について、言葉通りの違いだけでなく、裏のニュアンスまで含めてわかり、大変為になりました。
    前々から、場合によっては微妙な感じがするかもと思っていて、どちらも滅多に使っていなかったので、これからは気をつけながら使ってみようかと思います。
    また、実はネイティブの人も余り使わないのかなと感じています。外国にいて見知らぬ人と話す際、私のアクセントを聞いてから大体Where are you from?とか聞かれます。あと、英語が話せるのが基本と英語圏の人は思っているようで、Can~EnglishもDo~Englishも使わず躊躇なく英語で話してかけてきます。(有名観光地では違うのかもしれませんが。)

  4. アバター 匿名 より:

    相手が外国人か日本人か、今いる場所がどこかということで、こんなに気を使わないといけないことだったのだと、あらためて知らされました。「英語を話せますか?」というより、「英語が母国語ですか?」「普段は英語で話してますか?」というニュアンスで考えたほうがいいのかも。

  5. アバター ミノタウルス より:

    Do と Canを使った場合のニュアンスが、場所や相手によって大きく変わってしまうということが具体的に説明されていて、とてもわかり易かったです。
    それぞれの核となるイメージと結びつけて考えると、違和感が生じてしまう場面を想像しやすかったので、適切に使い分ける必要があると感じました。

  6. アバター 麻婆豆腐 より:

    この二つの言い回しの違いは以前から知りたいと思っていました。自分はDo~で押し通してきたように記憶していますが、本当は場面や相手に応じて使い分けるべきなのですね。この機会にそれぞれのコアイメージをしっかり咀嚼しておこうと思います。とても分かりやすい記事でした。

  7. アバター ひかる より:

    母国語を話している人にcan you speak English?などと聞くのは失礼にあたるのだと初めて知りました。ネイティブの人にはdo you ~? が失礼に当たらないのですね。こういった細かいことでもニュアンスに大きな違いがでてきてしまい、下手をすると誤解を受けてしまう場合もあるので英語を話す時には気をつけなければいけないと思いました。

  8. アバター 大洗 より:

    can you speakとdo you speakについて、海外に行った時と日本で使う時の2通りが絵を交えて説明してあるので、わかりやすかった。さらに、最後に表でまとめてあるので、読み進めていって「あれ?どっちがどっちだったっけ?」といった状態になっていても、スッと頭の中に入ってくるのが良い。

  9. アバター 匿名 より:

    Can you speak Japanese?は使わない方が良いと思っていましたが、そうではないことが分かり、大変ためになりました。
    表現の適切さの背景まで伝えていただき、勉強になっています。イラストも分かりやすいです。

  10. アバター ネロ より:

    Can speakとspeakは第2言語と母語の違いだというのは以前から理解していたが、Can you speak English/Japanese?、Do you speak English/Japanese?の違いは、日本かアメリカかなど、場所に応じて相手の取り方が微妙に違ってくるというのがことが詳しくわかって、なかなか興味深い記事だった。