have+O+Cの意味とイメージ解説、get+O+Cとの違い

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have+O+C(OをCの状態にする)ですが、haveの「もっている」という意味から、どうしてそのような用法が出てくるのかわかりにくいですよね。この記事では、haveのコアイメージからhave+O+Cについて解説します。

この記事でわかること
  • have+O+Cの基本的な意味とイメージ
  • have+O+Cが持つ「間接的な働きかけ」のニュアンス
  • have+O+Cとget+O+Cの共通点とニュアンスの違い

have+O+Cのイメージ

haveのコアイメージは「手に入れて、範囲内にある」です。haveの「範囲内にある」は、主語の支配・関与する範囲内に存在することを示しています。

このコアイメージからhave+O+Cのイメージは「目的語を~の状態にする」になります。

主語が直接何かをするのではなく、「周りの環境を整えるなど間接的な働きかけによって、目的語を~の状態にする」という感じで捉えるとよいでしょう。

これはhaveの「主語の支配・関与する範囲内に置く」を「主語の影響が及んでいる環境下に置く」と読み替えるとイメージしやすいと思います。

 

具体的には、次の3パターンでhave+O+Cのイメージを確認していきます。

・have+O+前置詞
・have+O+副詞
・have+O+形容詞

have+O+前置詞

例文:Thank you for having me around.(歓迎してくれてありがとうございます)

Thank you for -ingは「~してくれてありがとうございます」という意味。

having me aroundは「meを主語(あなた)の影響が及んでいる環境下に置いて、me=aroundの状態にする」というイメージになります。

 

あとはaroundですが、aroundは元々「円周上に」というイメージで、この場合「(あなたの)近くに」という意味になります。このaroundはaround youのyouを省略したものだと考えるとよいでしょう。

ここからhaving me aroundは「私をあなたの近くにいさせてくれて」→「私を歓迎してくれて」となるわけです。

Let’s have him in for a quick chat.
(彼を呼んでちょっと話しましょう)

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have+O+副詞

例文:I’m glad to have her back safely.(彼女が無事戻ってきて嬉しい)

to have her back safelyは「彼女=無事に戻る状態にすること」で、「彼女が無事に戻ってきたこと」という意味になります。

backは副詞ですが、前置詞と同じようにイコールで結んで「~の状態にする」と考えれば大丈夫です。

We’re delighted to have you here.
(ようこそいらっしゃいました)

We would like to have her over for the weekend.
(週末、彼女を招待したいです)

have+O+形容詞

例文:He had his car ready for the trip.(彼は旅行のために車の準備を完了していた)

had his car readyは「彼の車=準備完了状態にする」で、「彼の車は準備ができていた」という意味になります。

なお、車が準備できた状態であることを表していますが、彼自身が準備したかどうかは明示されていません。つまり、誰かが車を準備した可能性(他人に準備してもらった可能性)も含みます。

このhad his car readyという表現はあくまでも「車がすでに準備されている状態である」ことを表すだけなので、誰が実際に準備したのかは前後の文脈から判断する必要があります。

 

参考:He prepared his car for the trip.(彼は旅行のために車を準備した)

彼自身がすべての準備を行った場合は、prepareを用いて表現します。

We had the windows open to let in some fresh air.
(私たちは新鮮な空気を入れるために窓を開けていた)

英会話イメージトレース体得法

have+O+Cとget+O+Cの違い

have+O+Cとget+O+Cはともに「目的語(O)を~の状態(C)にする」という同じ意味になります。ただし、そのニュアンスには違いがあるので、違いを確認しておきましょう。

例文:He had his car ready for the trip.(彼は旅行のために車の準備を完了していた)(再掲)

haveを用いた場合は車が準備された状態であることを表します。この表現は「結果の状態」に焦点が当たっています。先に述べたように、誰が準備をしたのかはわかりません。

 

例文:He got his car ready for the trip.(彼は旅行のために車を準備した)

getを用いた場合は、「なんやかんやして、彼は車を準備ができた状態にした」となります。getに「過程」のニュアンスが含まれているので、彼自身が何かしら過程に関与したことが伝わってきます。

ただし、この場合も必ずしも彼自身が車の準備をしたとは限りません。「彼自身が準備した」「彼が誰かに準備してもらった」の両方の解釈ができ、どちらなのかは文脈によります。

 

haveとgetのいずれの場合も「誰かにやってもらった」可能性が含まれるため、その違いがわかりにくいですが、違いを端的に表すと次のようになります。

・have:結果を強調
・get:過程を強調

言うならばhaveは「準備完了の車をもっていた」というように結果重視の表現です。一方で、getは「なんやかんやして、車を準備完了にした」という過程重視の表現だと理解しておくとよいでしょう。

冒頭のアイキャッチ画像でも述べていますが、get+O+Cを狩猟(積極的に狩りに行き獲物を得る)とすれば、have+O+Cは農業(自然の力を借りて実りを得る)というイメージで捉えるとよいと思います。

この記事は書籍『基本動詞イメージリンク1』から抜粋したものです。この記事でhave+O+Cの基本的な意味・用法がつかめたら、書籍でさらに理解を深めてみてください。書籍では、次のような内容を紹介しています。

より多くの例文で、have+O+Cの具体例を学ぶ
この記事で紹介したhave+O+Cの形式ごとに、さらに多くの例文を掲載しています。解説の理解が深まるだけでなく、実際にどう使えばよいのか、その感覚も自然と身につきます。

「Coffee Break」で、ちょっと一息&知識をプラス
セクションごとに著者の遠藤とアシスタントの今井による会話形式のコラム「Coffee Break」を設けています。have+O+Cの「Coffee Break」では次のトピックを扱っています。
・haveは農業のイメージ?
・文脈で比較するhaveとgetの違い

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まとめ

have+O+Cのイメージは「目的語を~の状態にする」です。

周りの環境を整えるなど間接的な働きかけによって、目的語を~の状態にする」という感じで捉えるとよいでしょう。

分類 例文
have+O+前置詞 Thank you for having me around.(歓迎してくれてありがとうございます)
have+O+副詞 I’m glad to have her back safely.(彼女が無事戻ってきて嬉しい)
have+O+形容詞 He had his car ready for the trip.(彼は旅行のために車の準備を完了していた)

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