前置詞 from のイメージと意味・用法まとめ

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前置詞 from は「~から」という意味が有名ですが、tell A from B(A と B を見分ける)のように「~から」では捉えられない用法もあります。この記事では from のコアイメージから、from の持つ意味・用法(「出発点・起点」「離れている起点」「起点に置く」)について解説します。

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from のコアイメージ

from のコアイメージは「起点」です。

何かを起点に置いて、その起点から動き出す」という一連の流れを含んでいます。

from の主な用法は「出発点・起点」「原料」「出身」です。

「原料」の用法では「離れている」というニュアンスも含むことに注意してください。

「出身」の用法では「起点に置く」だけで「その起点から動き出す」ことは含まないのがポイントです。

例文を挙げながら詳しく見ていきましょう。

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from の用法

「出発点・起点」を表す from

出発点

例文:The flight leaves from Terminal B.(その飛行機はターミナルBから出発します)

from Terminal B は「ターミナルBから」という意味。from は「出発点」を表しています。

例文:I had an excellent flight from Tokyo to Hong Kong.(東京から香港まで素晴らしいフライトだった)

from Tokyo to Hong Kong は「東京から香港まで」という意味。from は「出発点」を表し、to は「到達点」を表しています。

この意味で from と to は対になる前置詞だと言えます。

時の起点

例文:The shop is open from 9 o’clock every day.(その店は毎日9時に開きます)

from 9 o’clock は「9時から」という意味。from は「時の起点」つまり「ある時刻から先」を表しています。

「離れている起点」を表す from

距離

例文:I live about 10 km from Kamakura.(私は鎌倉から約10km離れた所に住んでいます)

about 10 km from Kamakura は「鎌倉から約10km離れた所」という意味。from は「2つの間の距離」を表しています。

この from には「離れている」というニュアンスが含まれていることに注意してください。

原料

例文:Wine is made from grapes.(ワインはぶどうから作られています)

made from grapes は「ぶどうから作られる」という意味。from は「原料」を表しています。

made from は製品と原料の間が離れている、つまり「製品には原料がそのままの形では残っていない」場合に用いられます。

製品に原料がそのままの形で残っている場合は made of が使われます。made of と made from の違いについて詳しくは次の記事をご覧ください。

made of、made fromという表現、日本語訳は「~で出来ている」「~から作られている」と似た意味になりますが、その違いをちゃんと説明できますか?ここではofとfromのコアイメージから、made ofとmade fromがどう違うのかを解説します。

原因・根拠

例文:He died from overwork.(彼は働きすぎが原因で死んだ)

die from overwork は「働きすぎが原因で死ぬ」という意味。from は「原因」を表しています。

die from は死と原因の間が離れている、つまり「間接的な死因」の場合に用いられます。

心筋梗塞やガンなどのように直接的な死因に対しては die of が使われます。

「起点に置く」働きをする from

出身地に置く

例文:He is from Australia.(彼はオーストラリアの出身です)

from Australia は「オーストラリアの出身」という意味。

from は「彼」をオーストラリアという「出身地に置く」イメージで用いられています。

どうして出身地からの矢印がないの?

He is from Australia. のイラストにオーストラリアから「彼」に向かう矢印が出ていませんが、何故なのでしょうか?

オーストラリアから「彼」に向けて矢印を出して、「彼はオーストラリアからです」のように解釈してはいけないのでしょうか?

結論から述べると、この「出身」を表す用法においては、from の働きは「起点に置く」だけで「その起点から動き出す」ことは含みません

その理由は、次の例文を考えてみると理解しやすいと思います。

例文:I’m from here.(私はこのあたりの出身です)

from hereは「このあたりの出身」、つまり「地元の人間」という意味です。

この例文で from に「起点から動き出す」イメージが含まれるとすると、「私はこのあたりからです」のような意味になりますが、この表現はさすがに違和感を覚える方が多いのではないでしょうか。

その原因は「まさにこの話をしている現在地」と「出身地」が同じ場所だからです。要するに、矢印を出す余地がないのにも関わらず「出身地」から「現在地」へ矢印を出している感じになってしまっているからです。

このことから「出身」を表すときは「起点から動き出す」イメージは含まないということが言えます。

「起点から動き出す」イメージを含まないことの重要性

なぜこのような細かいことを説明しているかというと、「起点から動き出す」イメージは「~から」という日本語に対応しているからです。

私たちは from といえば「~から」という日本語を当てはめがちです。

しかし、今回のように「起点から動き出す」イメージを含まない場合、「~から」を当てはめても上手く理解できません。

このような「~から」で上手く理解できない用法は、これまでは個別に覚えるしかありませんでしたが、「起点に置く」だけのイメージで捉えられれば無理なく理解できるようになります。

そういうわけで、from には「起点に置く」だけで「起点から動き出す」イメージを含まない用法があることを丁寧に説明したわけだったのです。

出会った起点に置く

例文:I’m going out with some friends from work tonight for drinks.(私は今晩、職場の友人たちと飲みに行く予定です)

some friends from work は「職場の友人たち」という意味。from は友人たちを「出会った起点に置く」働きをしています。

この表現は「同僚」を表す colleague とだいたい同じ意味ですが、colleague はビジネスライクなニュアンスを伴うため、ビジネスから離れた場で友人として表現したい場合に some friends from work はよく使われます。

from work は「仕事が終わってから」ではないの?

この例文は「今晩、仕事が終わってから友人たちと飲みに行く予定です」という意味にはならないのでしょうか?

要するに I’m going out with some friends / from work tonight for drinks. と区切って、from work を「仕事が終わってから」と解釈はできないのでしょうか?

from work を「仕事が終わってから」と解釈することはできません。from は「時の起点」を表すことはできますが、それは「9時から」のように「ある時点から」です。

work は仕事という名称であり、時点を表しません。そのため、from work を「仕事が終わってから」と解釈することはできないのです。

比較:I’m going out with some friends after work tonight for drinks.(私は今晩、仕事の後に友人たちと飲みに行く予定です)

「仕事が終わってから」を表したいときは after work を使います。after は名称(何か)を伴って「何かの後」という意味になります。

行為の起点に置く

例文:Bad weather prevented me from leaving.(悪天候で私は出発できなかった)

prevent me from leaving は「私が出発することを妨げる」という意味。

from は「私」を「出発すること」という行為の起点に置くイメージですが、それを prevent で「妨げた」というわけです。

こうして「悪天候で私は出発を開始できなかった」という意味になります。

判断の元となる起点に置く

例文:Can you tell Namihei from his twin brother?(あなたは波平と双子の兄を見分けられますか?)

tell は「見分ける」という意味で、tell Namihei from his twin brother は「波平と双子の兄を見分ける」という意味になります。

from は「波平」を「双子の兄」という判断の元となる起点に置くイメージです。横に並べて比べるようなイメージでもいいかもしれません。そうしながら tell で「見分ける」わけです。

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from の用法まとめ

from のコアイメージは「起点」です。「何かを起点に置いて、その起点から動き出す」という一連の流れを含んでいます。

from の主な用法は「出発点・起点」「原料」「出身」です。

カテゴリ 用法 フレーズ 意味 備考
出発点・起点 出発点 from Terminal B ターミナルBから
時の起点 from 9 o’clock 9時から
離れている起点 距離 about 10 km from Kamakura 鎌倉から約10km離れた所
原料 made from grapes ぶどうから作られる 原料がそのまま残っていない
原因・根拠 die from overwork 働きすぎが原因で死ぬ 間接的な死因
起点に置く 出身地に置く from Australia オーストラリアの出身 「オーストラリアから」ではない
出会った起点に置く some friends from work 職場の友人たち 「仕事が終わってから」ではない
行為の起点に置く prevent me from leaving 私が出発することを妨げる 「私」を「出発すること」という行為の起点に置く
判断の元となる起点に置く tell Namihei from his twin brother 波平と双子の兄を見分ける 「波平」を「双子の兄」という判断の元となる起点に置く

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コメント

  1. アバター 歯磨き大切 より:

    from のコアイメージは「起点」というのはとても解りやすくて、その起点から動き出すというコアイメージも理解しやすかったです。しかし、「~から」で覚えることができないという難しさも認識することができたので、簡単にすべて理解できないということも解りました。

  2. アバター ゆちゅモモ より:

    fromは前置詞の中では比較的わかりやすいと思っていましたが、いろいろな使われ方をするのでちょっと戸惑うところもありました。ですが、このコラムの解説で頭の中が整理されたような気がします。カテゴリ別の解説がとてもよかったので、最後の表による解説は必ず見たほうがいいと思います。

  3. アバター 匿名 より:

    「出発点・起点」を表す from はよく知っていましたが、「離れている」「原料」「原因」というニュアンスや「起点に置く」だけのイメージは把握していなかったので、とても勉強になりました。

  4. アバター 田上 より:

    tell A from B(A と B を見分ける)の用法初めて知りました。43年前の中学では習っていません、最近使われ始めた用法なのでしょうか。
    出発点・起点というイメージはわかりやすいですね。

  5. アバター MAXコーヒー より:

    fromについてこんなに色々な用法があるんだと改めて認識できました。やはり、起点に置く働きをするfromについてが一番難しかったですが、じっくり読み進めて理解できました。また、made from とmade of と同様die fromとdie ofにも使い分けの根拠があることを知らなかったので勉強になりました。

  6. アバター 天竜 より:

    「起点に置く」働きをするfromの解説が非常に分かりやすかった。特に、「彼」に向かう矢印が出ていない理由についての解説はとてもすんなり頭に入ってきた。また、made from/of、die from/ ofの違いの説明もポイント的に押さえていたのでよかった。

  7. アバター frenchstyle より:

    前置詞 fromは~からという訳語で機械的に対応すると、He is from Australia.の意味が分からなくなります。しかし、英語の持っているコアイメージを把握しておけば、このようなことは防げます。英語の学習では、日本語のもつ発想や概念を英語にそのまま適応してはいけないことを示すよい記事でした。

  8. アバター 匿名 より:

    fromというのは特に日本語に混ぜて平気で使われることの多い表現なので、かなり何の気なしに使っていました。
    実は「起点に置く」だけでそれそのものが動き出すわけじゃないと言うのは、正確な意味の把握としてとても重要に思いました。

  9. アバター かえで より:

    “from”は「~から」で覚えてて、それ以外はイディオムとして丸暗記しました。ただ、その方法だと、いざ使用するとき覚えていない、または、他の前置詞と迷ってしまうことが多々ありました。しかし、この記事の用法イメージと例題は大変参考になりました。特に、原因・根拠は勉強になりました。

  10. アバター 猫だまし より:

    fromの説明が網羅的にされていてとても参考になる記事でした。特に「起点から動き出す」イメージを含まない場合の「起点に置くだけ」というわかりにくいイメージを、丁寧に解説されていたので理解しやすかったです。

  11. アバター 匿名 より:

    fromという前置詞でも用法が様々あるんだと改めて実感できました。丁寧かつユニークな感じに仕上がっており、見ていて関心致しました。こちらの記事は、用法の活用から単語の派生まで詳しく解説されているので、本当に素晴らしいと思います。