to不定詞(to do)と現在分詞(-ing)と過去分詞(-ed)の違い

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本記事は『英会話イメージリンク習得法』著者の遠藤が、2015年7月8日に徳島大学で行った講義を元にしています。

みなさんにとって過去分詞(-ed)のイメージは「~された(受け身)」だと思います。しかし、実際には「~し終えた(完了)」というニュアンスのほうが強いのです。今回はそのあたりの補足をしていきます。なお、過去分詞だけでは比較しにくいので、現在分詞(-ing)とto不定詞(to do)も取り上げて説明します。

場面としては「エレベーターのドアを閉める場面」を設定して、動詞 close(閉める)に対してto不定詞(to close)、現在分詞(closing)、過去分詞(closed)がどのようなイメージと対応するのかを確認していきましょう。

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to不定詞(to close)のイメージ

みなさん、エレベーターの中に入ったらドアを閉めようと思いますよね。この閉めようと思って「閉めるボタンを押そうとすること」、これがto不定詞のto closeのイメージです。

このようなイメージになるのは to が大きく影響しています。次のイラストにあるように、toのコアイメージは「対象に向かっていく動き」です。

そのため、この先にある行為がcloseであるという感じで、「閉めようとすること」となります。

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現在分詞(closing)のイメージ

次に閉めるボタンを押して「実際にドアが閉まっているとき」。これが現在分詞のclosingのイメージです。

エレベーターにディスプレイがあれば “Now Closing” と書いてるかもしれません。進行状態やまさに閉まっているところ(ライブ感)を表します。

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過去分詞(closed)のイメージ

最後に「ドアが閉まりきった状態」。これが過去分詞のclosedのイメージです。書籍『英会話イメージリンク習得法』では「完全な状態」という少しわかりにくい表現を使ってしまったのですが、もう少し踏み込んで「完了状態」と表現したほうがわかりやすいですね。

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過去分詞の「受け身」はどこへ?

ここで「過去分詞(-ed)は『受け身』ではないのか?」と疑問に思う人がいると思います。次のようにドアを主語にした英文であれば「受け身」を表すことができます。

  • “The door is closed.”(ドアは閉まっています/ドアは閉められました)

しかし、訳が2つあることからわかるように、この英文は「完了」とも捉えることができます。むしろ「受け身」よりも「完了」のニュアンスのほうが強いくらいなのです。

英会話(口語)では「受け身」的な表現があまり使われないという事情もあるので、過去分詞は「完了状態」を表すと捉えておいたほうが、英文本来のニュアンスを捉えやすくなると思います。

「完了」と「受け身」の使いわけ

  • 主語が完了状態である(be動詞+過去分詞)⇒受け身(受動態)
  • 主語が完了状態を持っている(have+過去分詞)⇒完了(現在完了形)

過去分詞については以下の記事で詳しく解説しています。01)本記事では過去分詞に「完了状態」が含まれていることがわかりやすいようにcloseという動詞を選んでいますが、実は少し特殊な動詞でもあります。一般的な動詞についてもイメージは同じですが、詳細記事にてご確認ください

過去分詞って何?過去分詞の形や意味、用法を基本から解説!
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過去分詞と対をなす現在分詞は「未完了状態」を表しているともいえます。進行状態やライブ感は「完了していない」ということでもあるので、これはわかりやすいですね。以下の記事で「未完了」について詳しく解説しています。

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to不定詞の詳細について


to不定詞の詳細については以下の記事をご参照下さい。

今度こそto不定詞を体得!3用法の見分け方のコツも伝授します。
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注釈   [ + ]

01. 本記事では過去分詞に「完了状態」が含まれていることがわかりやすいようにcloseという動詞を選んでいますが、実は少し特殊な動詞でもあります。一般的な動詞についてもイメージは同じですが、詳細記事にてご確認ください

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Masayoshi Endo
英語と日本語の研究をしています。専門分野は認知言語学です。著書は『英会話イメージリンク習得法』『英会話イメージトレース体得法』、英会話教材『英会話エクスプレスシリーズ』。英会話エクスプレス出版代表。日本認知言語学会所属。

コメント

  1. より:

    分かりやすい解説ありがとうございます。
    一点疑問があります。
    過去分詞単体で「完了」を表すのであれば、なぜ「現在完了」などの〇〇完了を表す際に過去分詞の前にhaveを書くのでしょうか。
    過去分詞のみで表すことができるのであれば、必要ないような気がするのですが…。

    • ImageLink ImageLink より:

      記事をご覧いただき、ありがとうございます!ポイントは過去分詞が表す『完了状態』と、『現在完了(have+過去分詞)』の表す内容は違う、ということです。

      現在完了は主に「~したことがある」という内容を表すときに使います(※)。そして英語では「~したことがある」は「ある完了した状態をもっている」という形で表現します。それぞれ「もっている」⇒「have」、「ある完了した状態」⇒「過去分詞」と対応しており、haveが必要になるわけです。

      ※代表例として説明しやすい「経験」を取り上げています。経験、完了、結果、継続という4用法それぞれについての解説はこちらをご覧ください。

    • Itchiii より:

      ☆have 過去分詞
      ある完了状態を(今現在)持っている

      完了状態を今現在持っているから何?って考えると、ある完了状態を今持っていることによって起こりうる出来事とか感情などを表すときに使うことがわかります。
      例) 今宿題終わらせた(ことを持ってる)からこれから遊びに行けるぜー!

      ☆had 過去分詞
      ある完了状態を(あのとき)持ってた

      haveが過去形のhadのときも同様に、過去の一時点に持ってた完了状態(今現在は持ってないかも)によって起こりえた出来事とか感情とかを表現したいときに使うわけです。
      例) あのとき受験勉強めちゃくちゃ頑張った(ことを持ってた)から今年の四月に大学に入れたんだ!

      このようにコアイメージをおさえとけば中学高校のときの現在完了のようなめんどい訳とか覚える必要なんてないんです!

      あと英語は、現在分詞(未完了状態)と過去分詞(完了状態)、have(現在)とhad(過去)、二つに割って考えると直感的にとらえやすくなりますよ!

  2. John Doe より:

    to Vは形容詞的用法、名詞的用法、副詞的用法がありますがそれぞれの見分け方はどうすればよいのでしょうか.

  3. まこりる より:

    to不定詞の「不定」とは何が定まっていないことを指すのでしょう?ある人からの解説で、一つ答えは持っているのですが、お知恵を拝借してから提示したいと思います。ご教示願います。

    • Masayoshi Endo Masayoshi Endo より:

      ご質問ありがとうございます。また大量のスパムに混じってしまっており、確認が遅くなってしまいました。申し訳ありません。こちらのご質問に関しては、別途記事化するなどでご回答させていただきます。少々お時間を頂ければと思います。

    • Masayoshi Endo Masayoshi Endo より:

      お時間を頂いてしまいましたが、ご質問の「to不定詞の『不定』とは何が定まっていないことを指すのでしょう?」に対して、回答ツイートをまとめましたので、ご覧頂ければと思います。
      https://togetter.com/li/1111863

      ※なお、コメント欄はどうしてもスパムばかりになってしまうため、現在閉鎖しております。何かありましたらTwitter上でお声掛け頂ければ幸いです。

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