get+O+Cの構文は、ネイティブの日常会話ではとてもよく使われますが、私たち日本人にはまだそれほど馴染みがないと思います。get+O+Cをイメージから理解して、使いこなせるようになることを目指しましょう。
getのおさらい
getのコアイメージは「何らかの過程を経て自分のものにする」です。このコアイメージから「~の状態になる、~の状態にする」という意味が派生しています。
この意味は、たとえばget angry「怒った状態になる」→「怒る」のように使われます。
get+O+Cの意味とイメージ
この「~の状態になる、~の状態にする」の使い方を応用したものがget+O+Cの構文です。これはgetと「状態」の間に目的語(O)を差し込んだものになります。
この構文の意味は「なんやかんやして、目的語が~の状態になるようにする」です。
この構文を使えば「目的語の状態を変化させること」ができるようになります。そのことを例文で確認していきましょう。
get+O+前置詞/副詞
例文:I got him up.(彼を起こした)
これはマインクラフトというゲームの1シーンなのですが、ベッドで寝ている村人をタップすることで起こしています。タップする部分がget himで、その結果him upとなるわけです。
この動きをイラストで表すと次のようになります。
getの矢印が「彼」にあたって、彼は「up」の状態になります。「upの状態になるようにする」ところまでがgetの働きであることに注意してください。
例文:I got him down.(彼をやっつけた)
これもマインクラフトの1シーンですが、行商人を切りつけてダウンさせています。切りつけている部分がget himで、そこからhim downとなっています。
さきほどと同じようにgetの矢印が「彼」にあたって、彼は「down」の状態になっていますね。
このようにgetとup(down)の間にhimという目的語を入れることで、「彼をup(down)の状態になるようにする」という意味になることを見てきました。
他にもget him inであれば「彼を中に入れる」ですし、get him outであれば「彼を外に追い出す」となります。
このような「なんやかんやして、あるものを別の状態にする」ことは日常生活でよく出てきます。つまり、このgetの構文は日常生活でよく使われる表現なのです。
(猫を木から降ろしてあげて)
Can you get the kids in the car?
(子どもたちを車に乗せてくれる?)
get+O+形容詞
実はさきほどの前置詞/副詞(inやupなど)は厳密にはC(補語)ではありません。ただ、構造はget+O+Cと同じなので、よりイメージしやすいものとして先に取り上げました。ここからは、get+O+Cの例文として、get+O+形容詞 を確認していきましょう。
例文:It took them 15 minutes to get the boat ready.(そのボートを準備するのに、彼らは15分かかった)
get the boat readyをストレートに捉えると「なんやかんやして、そのボートを準備ができた状態にする」です。
「なんやかんや」として何をするのかは文脈次第ですが、この例文の場合はボートを水辺に移動させるなど、乗れるようにするまでの一連の流れを表していると考えるのが自然ですね。
このように get+O+形容詞 は結果に至るまでの過程を感じさせたいときに用いると効果的です。
(時々、彼女は私をすごく怒らせる)
Don’t get me wrong, I’m not criticizing you.
(勘違いしないでね、私はあなたを批判しているわけじゃないの)
get+O+過去分詞
get+O+Cの応用に get+O+過去分詞 があります。この get+O+過去分詞 は「なんやかんやして、Oを過去分詞の状態にする」→「なんやかんやして、Oを~し終えた状態にする」となります。
過去分詞は「~した状態(完了)、~された状態(受け身)」を表します。どちらの意味で使われているのかは文脈で判断します。
例文:I need to get the machine fixed.(その機械を直してもらう必要がある)
get the machine fixedは「なんやかんやして、その機械を直した状態にする」となり、「その機械を直してもらう」という意味になります。
「なんやかんや」として何をするのかは文脈次第ですが、一般的に機械を直すのは専門の修理屋さんにお願いする類(たぐい)のことですよね。
そのため、「私がなんやかんやして」というのは「私が修理屋さんに電話などして」という手配のようなアクションを表していると考えるのが自然になります。
そうすると、「機械を直した状態にする」のは、私自身ではなく、修理屋さんがやることになるので、get the machine fixedは「その機械を直してもらう」となるわけです。
このようにして、get+O+過去分詞 は「Oを~してもらう」という意味を表すことになります。
(昨日、車を修理してもらった)
We get our groceries delivered.
(私たちはいつも食料品を届けてもらっています)
まとめ
get+O+C の意味は「なんやかんやして、目的語が~の状態になるようにする」です。
なお、get+O+過去分詞 には「~してもらう」以外に「~し終える」「~される」といった意味があります。これらは「~してもらう」に比べると使用頻度が落ちるため、この記事では扱いませんでしたが、詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。

【get+O+Cの解説動画】

おまけ:get+O+Cの文法構造
例文:It took them 15 minutes to get the boat ready.(そのボートを準備するのに、彼らは15分かかった)
get the boat readyは、文法的にはthe boat=readyのように間にイコールが隠れているように捉えるとわかりやすいです。文型でいえば第五文型(SVOC)に当たります。
※英語の文型については以下の解説記事をご参照ください。

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