英文法

英語の五文型を基礎からわかりやすく解説 やり直し英文法

この記事は約13分で読めます。

英語を最初から学び直したい・基本的な文型をしっかりと理解したいという方向けに、英語の五文型をイメージを用いて解説しました。

この記事でわかること
  • 英文の構成要素と基本的な役割
  • 五文型の構造と意味、イメージ
  • 文型と英語のモノの見方の関係

imagelink_banner1

英文の構成要素

英語の基本的な文型は、英文の構成要素によって五文型に分類するのが一般的です。そのため文型の前に英文の構成要素についてざっくり説明していきます。

1. 主語(Subject, S と略記)

主語は行為の主体(「誰が」何をするのか)、状態の主体(「何が」どうであるのか)を表す要素です。通常、主語には名詞・代名詞などをもってきます。

She reads a book.(「彼女は」本を読む)
She is a teacher.(「彼女は」教師です)

2. 動詞(Verb, V と略記)

動詞は主語の行動(主語が「~する」)、主語の状態(主語は「~である」)を表す要素です。行動を表す動詞は一般動詞、状態を表す動詞はbe動詞と呼びます。

(※)状態を表す動詞には状態動詞と呼ばれる一般動詞も含まれますが、ここでは一旦脇に置いて読み進めてください。状態動詞についてはこの後「第二文型」のところで扱います。

一般動詞

・She reads a book.(彼女は本を「読む」)

一般動詞は矢印のイメージで、左のモノから右のモノに向かっての動き(She a book)を表します。

be動詞

・She is a teacher.(彼女は教師「です」)

be動詞はイコールのイメージで、左のモノを右のモノと結びつける働き(She a teacher)をします。

3. 目的語(Object, O と略記)

目的語は一般動詞の動作を受ける対象を表す要素です。通常、目的語には名詞・代名詞などをもってきます。

・She reads a book.(彼女は「本を」読む)

4. 補語(Complement, C と略記)

補語はイコールによって結びつけられる先のモノや状態を表す要素です。

・She is a teacher.(彼女は「教師」です。)

構成要素をシンプルなイメージで捉える

構成要素の説明はどうしてもわかりにくいので、もっとわかりやすいように構成要素をシンプルなイメージで捉えてみましょう。

She reads a book. (彼女は本を読む)

主語

動詞

目的語
She is a teacher. (彼女は教師です)

主語

動詞

補語

このように主語・目的語・補語はモノを表す「◯」で表現することができます。つまり、英文の構成要素は2つに分けられるのです。

動きを表す単語:動詞
モノを表す単語:主語・目的語・補語

構成要素を「動きを表す単語」と「モノを表す単語」に分けて考えると、英文の構造もずいぶん見通しがよくなります。そのことを五文型で確認していきましょう。

文型 要素 モデル
第一文型 SV ◯→
第二文型 SVC ◯=◯
第三文型 SVO ◯→◯
第四文型 SVOO ◯→◯→◯
第五文型 SVOC ◯→◯=◯

英会話イメージトレース体得法

五文型の構造と意味、イメージ

第一文型 SV

第一文型のモデルは「◯→」で、意味は「S が V する」です。動詞の動作を受ける言葉をもってこないパターンです。

The sun rises. (太陽が昇る)
Birds sing. (鳥が歌う)

これらの英文では動詞の動作を受ける目的語がないので、動作がそのまま虚空に向かってやりっぱなしになるような感じです。

第二文型 SVC

第二文型のモデルは「◯=◯」で、意味は「S は C です」になります。一般的に、動詞にはイコールを表すbe動詞がよく使われますが、それ以外に状態動詞を使うこともできます。

She is a teacher. (彼女は教師です)
The sky looks blue. (空は青く見える)

第二文型は「◯=◯」という関係を表していますが、look のような状態動詞を用いると、イコールに「見る」というニュアンスを上乗せした「~に見える」という意味を表すことができます。

第三文型 SVO

第三文型のモデルは「◯→◯」なので、意味は「S は O を V する」になります。第一文型と異なり動詞の動作を受ける言葉をもってくるパターンです。

She loves music. (彼女は音楽が好きだ)
He reads books. (彼は本を読む)

第三文型は英語で最も基本となる文型で、第四文型・第五文型はこの第三文型の応用に当たります。

第四文型 SVOO

第四文型のモデルは「◯→◯→◯」で、意味は「S は O1 に O2 を V する」になります。最初の目的語O1には「」、二番目の目的語O2には「」が入ります。

He sent her a letter. (彼は彼女に手紙を送った)
She gave him a gift. (彼女は彼に贈り物をあげた)

例文の「send+人+物」は「人に物を送る」という意味です。この表現は、send の働きが人を貫通して、物にまで影響を及ぼしたものです。

本来は「send+物」で「物を送る」となるところ、半ば強引に「人」を間に挟み込んで「人に物を送る」となるようにしているので、省エネ表現とも言えます。

比較 He sent a letter to her. (彼は彼女に手紙を送った)
比較 She gave a gift to him. (彼女は彼に贈り物をあげた)

この比較文が省エネしなかった場合の表現です。分類としては第三文型になります。この場合、動詞の働きは「物」のところで終わっているので、物の後に送る相手を言いたいときは、宛先として to her や to him をもってくる必要があります。

第五文型 SVOC

第五文型のモデルは「◯→◯=◯」で、意味は「S は O を C に V する」になります。

I call him Taro. (私は彼を太郎と呼ぶ)
名前
She painted the room red. (彼女はその部屋を赤く塗った)

例文の「call+人+名前」は「人を~と呼ぶ」という意味です。人と名前の間にあるイコールの正体は call の余波であり、call の影響が残って人と名前を結びつけているわけです。

本来、動詞の働きは目的語のところで終わるところ、それを勝手に延長して、その後の言葉(補語)と結び付けてしまっている。第五文型はそんな感覚で使うとよいでしょう。

文型と英語のモノの見方の関係

それぞれの文型について解説をしてきましたが、実は英語の文型で最も大事なことがあります。それは英語では「能動態」が基本になるということです。これについては日本語との比較で見ていきましょう。

(公園で友だちと鬼ごっこをしていて)
英語:Taro got me.
日本語:太郎につかまえられた。

英文 Taro got me. を直訳すると「太郎は私をつかまえた」ですが、日本語ではあまりこのような言い方はしませんよね。「太郎につかまえられた」と表現するのが一般的だと思います。ここに私たち日本人が英語を学ぶときの難しさがあります。

日本語という言語は、話し手から見た視界で物事を表現するのが基本です。つまり、話し手を基準とした物言いになるということです。

そのため、「太郎は私をつかまえた」のような表現ではなく、「私」を基準とした「(私は)太郎につかまえられた」という表現のほうがしっくりくるわけです。

それに対して、英語の世界観では「太郎は・つかまえた・私を」となります。英語では、動作の発信源である「太郎」を最初にもってくるわけです。

文型の解説のところで「第三文型は英語で最も基本となる文型」と述べましたが、これは「主語・動詞・目的語」という並びが「動作の発信源・動作・動作を受ける対象」という並びになっているからです。

このように英語では「動作がどちらからどちらに向いているのか」に注目して、「発信源 → 受ける対象」という順番で言葉を並べる、つまり能動態で物事を表現するのが基本となるわけです。

改めて五文型を見直してみてください。すべて最初は「主語・動詞」つまり「動作の発信源・動作」となっていることがわかると思います。

文型 要素 モデル
第一文型 SV ◯→
第二文型 SVC ◯=◯
第三文型 SVO ◯→◯
第四文型 SVOO ◯→◯→◯
第五文型 SVOC ◯→◯=◯

五文型それぞれで違っているところに注目するのも大事ですが、共通しているところ(=英文が「動作の発信源・動作」から始まること)もそれと同じくらい大事なので、ぜひ意識してもらえたらと思います。

中学英語イメージリンク

まとめ

英文の構成要素は「動きを表す単語(→または=)」と「モノを表す単語(◯)」の2つに分けられます。

・動きを表す単語:動詞
・モノを表す単語:主語・目的語・補語

五文型の構成要素と構造をモデル化すると次のようになります。

文型 要素 モデル 例文
第一文型 SV ◯→ The sun rises.
第二文型 SVC ◯=◯ She is a teacher.
第三文型 SVO ◯→◯ She loves music.
第四文型 SVOO ◯→◯→◯ He sent her a letter.
第五文型 SVOC ◯→◯=◯ I call him Taro.

英語の文型で最も大事なことは「能動態」が基本になることです。英語では「動作がどちらからどちらに向いているのか」に注目して、「動作の発信源・動作・動作を受ける対象」という順番で言葉を並べます。

なお「英語にも受動態があるじゃないか、英語の受動態は何者なんだ?」と思われた方は以下の記事をご参照ください。

日本語と英語における受動態の違い
英語の受動態はそれほど使われないことをご存知でしたか?その理由は、英語の受動態がとても回りくどい表現だからです。一方で、私たち日本人は受動態の英文を作りがちです。どうして私たちは受動態の英文を作りがちなのかについても解説しました。 この記事...

日本語と英語におけるモノの見方の違いについては書籍『英会話イメージトレース体得法』で詳しく解説しているので、もしよかったらどうぞ。

練習問題(音読用例文)

基本となる五文型の構造やイメージが理解できたら、あとはそれを腹落ちさせましょう。それぞれ10個の例文を用意したので音読して自分のものにしてください。

第一文型 SV ◯→

英文 日本語訳
The dog barks. (犬が吠える)
She smiles. (彼女が笑う)
Birds fly. (鳥が飛ぶ)
The sun sets. (太陽が沈む)
He sleeps. (彼が眠る)
It rains. (雨が降る)
The baby cries. (赤ちゃんが泣く)
They laughed. (彼らが笑った)
The leaves fall. (葉が落ちる)
We agree. (私たちは同意する)

第二文型 SVC ◯=◯

英文 日本語訳
She is a teacher. (彼女は教師です)
The book is interesting. (その本は面白い)
The room was clean. (部屋は清潔だった)
The sky looks blue. (空は青く見える)
He became a doctor. (彼は医者になった)
The soup tastes delicious. (スープは美味しい)
She seems happy. (彼女は幸せそうだ)
He feels tired. (彼は疲れている)
The cake smells good. (ケーキは良い匂いがする)
She appears upset. (彼女は動揺しているように見える)

第三文型 SVO ◯→◯

英文 日本語訳
She loves music. (彼女は音楽が好きだ)
He reads books. (彼は本を読む)
They build houses. (彼らは家を建てる)
The chef cooks dinner. (シェフが夕食を作る)
She watches movies. (彼女は映画を観る)
He writes letters. (彼は手紙を書く)
We play games. (私たちはゲームをする)
She drives a car. (彼女は車を運転する)
He fixes the computer. (彼はコンピュータを修理する)
They enjoy the concert. (彼らはコンサートを楽しむ)

第四文型 SVOO ◯→◯→◯

※「◯→人→物」となることに注意

英文 日本語訳
She gave him a gift. (彼女は彼に贈り物をあげた)
He sent her a letter. (彼は彼女に手紙を送った)
They offered me a job. (彼らは私に仕事を提供した)
She showed us her photos. (彼女は私たちに彼女の写真を見せた)
He lent her his car. (彼は彼女に自分の車を貸した)
She taught the students English. (彼女は学生に英語を教えた)
He handed me the keys. (彼は私に鍵を渡した)
They told him the news. (彼らは彼にそのニュースを伝えた)
She brought us some food. (彼女は私たちに食べ物を持ってきた)
He promised her a trip. (彼は彼女に旅行を約束した)

第五文型 SVOC ◯→◯=◯

英文 日本語訳
They elected him president. (彼らは彼を大統領に選んだ)
She painted the room red. (彼女はその部屋を赤く塗った)
He made her happy. (彼は彼女を幸せにした)
They named the baby John. (彼らはその赤ちゃんをジョンと名付けた)
She called him a genius. (彼女は彼を天才と呼んだ)
He found the task difficult. (彼はその仕事を難しいと感じた)
They appointed John manager. (彼らはジョンをマネージャーに任命した)
She kept the door open. (彼女はドアを開けたままにした)
He considered the proposal interesting. (彼はその提案を面白いと考えた)
They declared the event a success. (彼らはそのイベントを成功だと宣言した)

【英文法の概要や英語学習のコツを知りたい方へ】

英文法の概要を『英会話イメージリンク習得法』にざっくりまとめています。分厚い英文法の参考書を読む前に、さらっとお読みください。

また「これから英語の勉強を始めるぞ!」という方向けに「英語学習を続けるためのコツ」なども掲載しております。ご興味ある方はぜひご覧ください。

imagelink_banner1

スポンサーリンク
遠藤雅義(Endo Masayoshi)をフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました