「現在完了形の4用法が覚えられない…」ーこの記事では have と 過去分詞のコアイメージを元に、現在完了形の意味・4用法(完了、経験、結果、継続)を解説しました。現在完了形と過去形との違いなど、よく聞かれる質問にもお答えします。
現在完了形の形式と意味
現在完了形とは
まず、現在完了形の形式と意味を一覧で確認しておきましょう。
形式 | 意味 |
---|---|
have+過去分詞 | ~し終えた/~したところだ(完了) ~したことがある(経験) ~した結果(結果) ずっと~だ(継続) |
しかし、どうしてこのような4つの意味が出てくるのでしょうか。現在完了形に含まれる have とコア過去分詞のイメージを確認して、現在完了形のイメージを確認していきましょう。
haveのコアイメージ
have は「もっている」という日本語訳が有名ですが、have 本来のコアイメージは「主語が関係している場の上にある」です。
そのため「~したことがある」のような経験も have で表現することができます。
過去分詞のイメージ
過去分詞は「~された」という日本語訳を当てはめがちですが、過去分詞本来のイメージは「過去の行為による結果の状態」です。
ここから「~された(状態の)」という受け身の意味と、「~し終えた(状態の)」という完了の意味が発生します。
なお、現在完了形(have+過去分詞)の形式で用いられるときは「~し終えた(状態の)」の意味になります。
※過去分詞についての詳細は「過去分詞の形や意味、用法まとめ」をご参照下さい。
現在完了形(have+過去分詞)のイメージ
現在完了形(have+過去分詞)のイメージは「~し終えた(状態の)◯◯をもっている」となり、ここから現在完了形の4用法それぞれの意味が発生します。
それでは、どのように意味が発生するのか用法ごとに確認していきましょう。
現在完了形の4用法
現在完了形の完了用法
例文1:I have just finished my homework.(ちょうど宿題をやり終えたところです)
ポイントは過去分詞の働きのどこに焦点が当たっているかです。
この例文の finished では「やり終えた」と行為が終わっているところに焦点が当たっています。
※上のイラストは、過去のある時点でやり終えて、そのやり終えた状態が現在まで続いていることを表しています。
また just(ちょうど)という言葉は、過去にやり終えたときから現在まで時間がほとんど経っていないことを表しています。
このように過去の行為から現在までの時間があまり意識されない場合は【完了】のニュアンスが強くなり、意味も「宿題をちょうどやり終えたところです」となります。
この完了用法で一緒に用いられる単語には just の他に already, yet などがあります。
現在完了形の経験用法
例文2:I have visited London twice.(2度、ロンドンを訪れたことがある)
この例文の visited では、訪れた行為が終わっていることに焦点が当たっています。また twice という頻度を表す単語が一緒に用いられていることにも注意が必要です。
このような場合、【経験】のニュアンスが強くなり、意味も「ロンドンには二回訪れたことがある」となります。
この経験用法で一緒に用いられるのは once、twice、- times など回数や頻度を表す単語です。また他に、ever や never のように回数の有無を表す単語もよく使われます。
現在完了形の結果用法
例文3:I have lost my watch.(腕時計を失くしてしまった)
この例文の lost は、現在も失くしているという状態に焦点が当たっています。
通常、この例文のあとに「そのため時間がわからない」や「だから新しい腕時計を買わなくてはいけない」などのような「その結果いまどうなのか」という趣旨のセリフが続きます。
このような文脈で使われる現在完了を【結果用法】と呼びます。
この結果用法で一緒に用いられる単語には already、yet などがあります。
完了用法と同じ単語ですが、完了用法と比べて結果用法では行為を終えてから現在までの間に、ある程度の時間が存在する(意識される)という違いがあります。
現在完了形の継続用法
例文4:I have lived in Kyoto for two years.(京都に2年間住んでいます)
この例文の lived では、住み始めてからいままでの状態に焦点が当たっています。
このような現在完了形の用法を【継続用法】と呼びます。
継続用法において一緒によく用いられるのは期間を表す単語で、代表的なものとしては since や for などがあります。
まとめ:現在完了形をイメージで理解する
現在完了形の統一イメージは「~し終えた(状態の)◯◯をもっている」でした。ここから現在完了形の4用法の意味が発生しています。
現在完了形の4用法は「~し終えた(状態の)」という過去分詞の働きのどこに焦点が当たっているか、また一緒に用いられている単語によって分類することができます。
用法 | 意味 | 焦点 | 伴いやすい単語 |
---|---|---|---|
完了 | ~し終えた ~したところだ |
過去の行為 | just, already, yet |
経験 | ~したことがある | 過去の行為と頻度 | once, twice, – times(回数) ever, never(回数の有無) |
結果 | ~した結果 | 現在の状態 | already, yet |
継続 | ずっと~だ | 現在までの状態 | since, for |
現在完了形の練習問題
次の英文を、イラストイメージを参考にしながら日本語訳しなさい。
(1) I have just washed the dishes.
(2) I have climbed Mt. Fuji twice.
(3) I have already spent all my money.
(4) I have studied English for ten years.
↓
↓
↓
■解説
(1) I have just washed the dishes.(ちょうどお皿を洗い終えたところです)
直訳すれば「ちょうど洗い終えた状態のお皿をもっている」。just の働きもあり、過去の「洗った」という行為に焦点が当たっています。(完了用法)
(2) I have climbed Mt. Fuji twice.(富士山には二回登ったことがある)
直訳すれば「2回登った状態の富士山をもっている」。過去の「登った」という行為と、twice という頻度に焦点が当たっています。(経験用法)
(3) I have already spent all my money.(もうお金は全部使ってしまいました)
直訳すれば「私の関係する場の上に、すでに全て使い果たしている状態の持ち金がある」。現在の「使い果たしている」という状態に焦点が当たっています。(結果用法)
(4) I have studied English for ten years.(10年間、英語の勉強をしています)
直訳すれば「私の関係する場の上に、10年間、英語を勉強している状態がある」。過去から現在に至るまでの「勉強している」という状態に焦点が当たっています。(継続用法)
FAQ:現在完了形と過去形の違い
現在完了形と過去形との違いはよく質問されるので、ここで回答しておきます。
形式 | 意味の違い | 言いたいこと |
---|---|---|
現在完了形 | 過去のある時に~したことを have している 過去のある時から~していることを have している |
現在のこと |
過去形 | 過去のある時に~した | 過去のこと |
使い分けのポイントは「言いたいことが現在のことなのか過去のことなのか」です。
たとえば「一時間前に晩御飯を食べた」であれば、言いたいことは過去のことなので過去形を使います。
一方で「晩御飯はもう済んでいる」であれば、言いたいことは現在のことなので現在完了形を使うというわけです。
参考:I had dinner with Taro last night.(昨晩、太郎と晩御飯を食べました)
参考:I‘ve had dinner, so I’m not hungry now.(晩御飯は済んでいるので、いまはお腹が空いていません)
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コメント
haveのコアイメージという概念が、現在完了形を理解するのに非常に役立ちました。また、現在完了形と過去形の違いについての解説も端的でわかりやすかったです。
現在完了形の何が難しいのか、どう理解すればいいのかをイラストとともにすっきり説明されていて、とてもわかりやすかったです。
FAQの現在完了形と過去形の違いは、例文を入れてもらえるとありがたいなと思いました。