be動詞を「ですます」で覚えていませんか?この記事では、be動詞のコアイメージを元に、be動詞の意味・用法(「存在」「状態」「名前や数」)を解説しています。
be動詞のコアイメージ
be動詞のコアイメージは「存在する」です。イラストにあるように「場」をつくり、主語がそこにあることを表したり、主語がある状態であることを表したりします。
be動詞の主な用法は「存在」「状態と結びつける」「名前や数と結びつける」です。
be動詞は英語で linking verb(結びつける動詞)と呼ばれることもあります。「イコール」のように考えるとわかりやすいでしょう。
be動詞の活用
be動詞は主語によって変化します。主語が単数形の場合は特にわかりにくいので、ピックアップしておきましょう。
一人称 | 二人称 | 三人称 | |
---|---|---|---|
現在形 | I am | You are | He is / She is / It is |
過去形 | I was | You were | He was / She was / It was |
主語が複数形の場合は、人称に関わらず、現在形は are、過去形は were となります。
一人称 | 二人称 | 三人称 | |
---|---|---|---|
現在形 | We are | You are | They are |
過去形 | We were | You were | They were |
be動詞の用法
存在を表す be
例文:I‘m home.(ただいま)
I’m home. は「私は家です」と解釈できそうな例文ですが、実際の意味は「ただいま」になります。
どうしてそうなるかというと、I am で「私は存在する」ことを表し、その存在している「私」を home で家に移動させているからです。「存在している私が家に移動する」ということで「ただいま」という意味になるわけです。
ちなみに、これはとても英語らしい表現です。なぜなら、私自身のことなのに、まるで他人のように切り離して存在させ、そのようにして描いた「私」を家に移動させることで「私が家に帰ってきたこと」を表しているからです。
このように英語では、自分自身のことであっても、一歩引いた視点から描写することに注意してください。
なお、I’m home. で私を家に移動させている home のことを副詞と呼びます。副詞について詳しくは次の記事をご参照下さい。
There is a knife on the table.(テーブルの上にナイフがある)
状態と結びつける be
例文:She is sleeping.(彼女は寝ているところです)
She’s で「場の上に彼女が存在している」ことを表し、続く sleeping で、その「彼女」の状態が「寝ているところだ」と説明しています。
この場合は be動詞に「存在」のニュアンスはほとんど感じられなくなり、「状態と結びつける」働きが目立つようになります。要するに、be動詞は she = sleeping のように「イコール」の役割をするようになるわけです。
名前や数と結びつける be
例文:I‘m Taro.(私は太郎です)
I’m で「場の上に私が存在している」ことを表し、続く Taro で、その「私」は「太郎」だと説明しています。
この場合、be動詞は「名前や数と結びつける」働きをしています。要するに、I = Taro のように「イコール」の働きをしているわけです。
実際、be動詞はこのように「イコール」として働くことが多いです。そのため、be動詞のコアイメージは「存在する」ですが、実務上は「イコール」で捉えてしまって問題ありません。
今井 She = sleeping のところですが、「寝ている」ということは「存在している」と言ってもいいように、「存在する」と「イコール」が似ているから、「イコール」で捉えてしまって問題ないというふうに考えていいのでしょうか?
遠藤 そのように考えてもらって大丈夫です。実際に「イコール」と「存在する」は似ていますからね。コアイメージのイラストで説明したように、be動詞は主語の足元に円を描いてブワッと強調させるようなものです。逆に言えば、その程度の「存在する」という意味合いなんですね。
be動詞は、そのような主語を取り上げて強調する働きをするわけですが、その後に状態を表す単語が来ると、主語の存在というよりも主語の状態を強調する働きになる、つまりイコールの役割をするようになるわけなのですね。
あと、be動詞自体はとても軽い単語というふうに捉えてもらえればと思います。あまり強く意識する必要はないということですね。
今井 それは私もそう思います。be動詞って一番よく使うからこそ、変に味付けがないってイメージなんですよね。
遠藤 そうですね。be動詞はきちんと発音しなくても通じてしまうくらい軽いものなんです。もちろん、それは英語の語順がきっちりしているからであり、be動詞がなくても聞き手が勝手に補って理解してくれるということなんですけどね。
今井 なるほど。省略しても理解してもらえるけれど、私たちのように第2言語として英語を学ぶ人間は、そこは怠けずに発音しておいたほうが良さそうですね。まあ、でもそれくらい軽い単語だということはわかりました。
まとめ
be動詞のコアイメージは「存在する」です。
be動詞の主な用法は「存在」「状態と結びつける」「名前や数と結びつける」です。
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コメント
最初の「be動詞のこと適当に扱ってませんか?」というのはまさにその通りで、自分もbe動詞って何なんだろうと詳しく知りたくなりました。
そして、be動詞のコアイメージの「存在する」ということを覚えておくことができたので、今後はbe動詞について理解できるでしょうし、とてもためになる記事でした。
be動詞はよく出てくるのですが、特に日本語に訳す時にどうやって使っていいかや、また実際の使いこなしには悩んでいました。記事を読んで、be動詞には存在や結びつけるというコアイメージがあるという解説が分かり安かったです。また、I’m homeの謎も解けてよかったです。
be動詞のコアイメージのイラストは、be動詞の本質そのものをズバリと示していて、数ある解説記事
の中でも抜き出ている印象を持ちました。それから、be動詞解説から横道にそれてしまいますが、I‘m home.におけるhomeの用法解説は目からうろこでした。
確かにこの記事を読むまでは、be動詞のことを基礎中の基礎と思い、適当に扱っていたかも知れません。特に目新しい内容ではないかもしれませんが、復習という点からはこれを読んで良かったと思いました。
冒頭で述べられている通り、 be動詞の事を適当に扱っていたので改めて使用法を基本から確認できて良かったです。「存在」「状態と結びつける」「名前や数と結びつける」としてbe動詞を考えるという説明が非常にしっくりはまりました。会話時に、これにはbe動詞が付くのかなというあいまいな状態で使ってしまう事もあるので、今後は上記の事を頭の片隅に入れながら会話したいと思います。
be動詞というのはぶっちゃけ「~である」という本来の意味から入ると混乱しやすいので、むしろ入り口は数学記号の「=」と覚えていました。ですが、存在する、というコアイメージのほうがずっと把握しやすい物だと思いました。
be動詞は英語を勉強し始めて最初に習うようなもので、コアなイメージまで深く考えたことがなかったので参考になりました。存在自体を表したり、名前や状態と結びつけるという用法の説明がわかりやすかったです。
「be動詞のこと、適当に扱ってませんか?」の文言にドキッとしました。be動詞の主な用法(存在・状態と結びつける・名詞や数と結びつける)を改めて確認すると、たしかに「です、ます」だけではない大切な表現だと気づかされました。
be動詞は基本的なことですが、この記事を読んで改めて理解を深めることができました。英語を習った時、ここまでは教えてはもらえなかったです。苦手な人はもちろんですが、得意な人にもぜひ読んでもらいたい内容になっていると思いました。
丁寧にユーモアを交えつつ解説されていてとても良かったです。be動詞という基本的かつ重要な用法ですが、これだけ分かりやすい内容だと楽しく学習できると思います。これからも素晴らしい記事を期待しております。