前置詞 at のイメージと意味・用法まとめ

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前置詞 at の代表的な意味

英語意味例文・フレーズ
at[点を表して]~で、~にat the bus stop(バス停で)
at 7 o’clock(7時に)
~に向かってlook at(~に目を向ける)
~の状態であるat peace(平和な状態である)
~しているところat lunch(昼食中)

※記事内では表に掲載のない意味・用法も解説しています。

前置詞 at は「」のイメージでよく説明されますが、at lunch(昼食中)のように「点」では捉えられない用法もあります。この記事では at のコアイメージから、at の持つ意味・用法(「点」「点に向かう動き」「場における活動」「特定の期間」)について解説します。

中学英語イメージリンク

at のコアイメージ

at のコアイメージは「点に向かう」です。

語源をさかのぼると at は、to(~へ)や near(~の近く)のニュアンスをもつ単語でした。

そのため、at は「点」だけではなく「ある地点に移動させる」や「場における活動」などのイメージも含んでいます。

 

at の用法

「点」を表す at

地点

例文:I was waiting at the bus stop.(そのバス停で待っていました)

at the bus stop で「そのバス停で」という意味。at はバス停という地点を指しています。

 

時点

例文:I usually get up at 7 o’clock.(私はいつも7時に起きます)

at 7 o’clock で「7時に」という意味。at は7時という時点を指しています。

 

レベル・程度(価格、比率、年齢、速度など)

例文:I bought the old book at 100 yen.(私はその古本を100円で買った)

at 100 yen で「100円で」という意味。at は100円という価格を指しています。

 

例文:The garden is at its best in June.(その庭園は6月が最も見頃です)

at its best で「最も良い状態で」という意味。at は最も良いというレベルを指しています。

 

「点に向かう動き」を表す at

点に向かう動き

例文:The receptionist decided to leave because the boss often shouted at her.(その受付係は退職することを決めた。その理由は、上司がよく彼女に怒鳴ったからだ)

shout は「(できる限り)大きな声を出す」という意味です。

at は her という点に向かう動きを表しています。shout at her で、声がきっちり彼女に到達している(密着している)イメージになります。

 

参考:I shouted to them across the busy road, but they didn’t hear me.(私は往来の激しい道路の向こう側にいる彼らに向けて大声を出したが、彼らには私の声が聞こえなかった)

to は、その先にある対象物が them であることを表しています。shout to them で、声を出した先に彼らがいるイメージになります。実際に声が到達したかどうかは文脈に依存しており、shout to という表現だけではわかりません。

 

主題を特定する

例文:I’m good at English.(私は英語が得意です)

I’m good at English は「私は英語が good です」という意味。

at は点に向かう動きから、主題を特定する働きが派生します。特に、複数ある選択肢から主題を特定するイメージでよく用いられます。

at English は、数学や国語など学校における複数の科目の中の「英語」を特定しているイメージになるので、例文は「科目としての英語が得意だ」という意味になります。

 

参考:I’m good in English.(私は英語を上手く扱えます)

I’m good in English は「私は英語空間で good です」という意味。

in は「~の内部に存在する」イメージなので、in English は「英語空間内で」というイメージになります。

そのため、「英語空間内で良い状態である」ことから「英語を扱うことが上手い」という意味になります。

 

原因を特定する

例文:The children all laughed at his joke.(その子どもたちはみんな彼のジョークに笑った)

at his joke は、その子どもたちが笑った原因が「彼のジョーク」だと特定しています。

 

「場における活動」を表す at

ここまでの at の用法は「点」として理解できる範囲だったと思います。ここからは「活動」を表す用法について確認していきましょう。

 

特定の状態

例文:He says he’s at peace when he’s walking in the mountains.(彼は山を歩いている時は、心が穏やかだと言っています)

at peace は「平和が続いている状態」という意味。

平和という点(状態)に密着しながらグルグル回っているイメージですが、これは平和な状態のまま時が経過しているように捉えるとよいでしょう。

 

何かをしている状態

例文:I’m sorry, she is at lunch just now.(申し訳ありません、彼女はちょうど昼食中です)

at lunch は「昼食中」という意味。

昼食に密着しながらグルグル回っているイメージですが、今回は昼食という活動をしているように捉えるとよいでしょう。

 

例文:I’m just going for a cup of coffee. Shall I bring you one while I’m at it?(ちょうどコーヒーを買いに行くところです。ついでにあなたの分も買ってきましょうか?)

I’m at it は「私がそれをしているところ」という意味。

at it も、 it(=私がコーヒーを買いに行く)という活動しているイメージになります。

while I’m at it で「私がコーヒーを買いに行っている間に」となり、文脈から「私がコーヒーを買うついでに」という意味になります。

 

場における活動

例文:He is at school.(彼は学校で授業を受けているところです/授業をしているところです)

He is at school は「彼は学校で活動中」という意味。

school 単体は「学校というコンセプト」、つまり「先生は授業を行い、生徒は授業を受ける」そのようなものを表します。

at school は、そのような授業を受けたり、授業を行ったりするコンセプトに密着しながら活動しているイメージになります。

そのため、例文は「彼は授業を受けているところです」または「彼は授業をしているところです」という意味になります。

 

「特定の期間」を表す at

例文:They came to stay with us at Christmas.(彼らはクリスマスにやってきて私たちと一緒に過ごしました)

at Christmas は「クリスマスに」という意味。

クリスマスのように、そのときにやることが明確なイベントの期間を表すときには、活動のニュアンスを含む at が使われます。

 

英会話イメージリンク習得法

at の用法まとめ

at のコアイメージは「点に向かう」です。

at の主な用法は「」「ある地点に移動させる」「場における活動」です。

カテゴリ用法フレーズ意味備考
地点at the bus stopそのバス停で
時点at 7 o’clock7時に
レベル・程度at 100 yen100円で
at its best最も良い状態で
点に向かう動き点に向かう動きshout at~に怒鳴る到達しているイメージを加える
主題を特定するat English科目の英語複数ある選択肢から主題を特定
原因を特定するat his joke彼のジョークに
場における活動特定の状態at peace平和が続いている状態密着しながらグルグル回っているイメージ(活動/時間経過)
何かをしている状態at lunch昼食中
場における活動at school学校で活動中
特定の期間特定の期間at Christmasクリスマスにそのときにやることが明確なイベントの期間を表す

 

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コメント

  1. macho より:

    「at」の用法が本当によくわかりました。ありがとうございます。凄くわかりやすいです。さて、「to」は「到達のニュアンス」はないということでした。一方で前置詞「to」と「for」との違いで「〜へ」の理解では「to」は到達の意識、「for」は方向のみと解説している文法書もありました。「at」と「to」の「到達」のニュアンスに対して、間違いかどうか知りたいところですね。arrive at確かに到達です。

    • 遠藤雅義(Endo Masayoshi) より:

      ご質問の件、to が「到達」のニュアンスを含まない例文を挙げてみますね。

      例文1:Yamato was sent a Christmas card by Kana.(大和は加奈からのクリスマスカードを受け取った)
      例文2:A Christmas card was sent to Yamato by Kana.(クリスマスカードが加奈から大和宛に送られた)

      上の2つの例文は似ているようですが、次の違いがあります。

      ・例文1:大和はクリスマスカードを受け取っている。
      ・例文2:クリスマスカードは送られているが、大和が受け取ったかは不明。

      例文1では、sent が Yamato と a Christmas card をつないでいることから、大和が受け取ったニュアンスをもちます。

      一方で例文2では、to が A Christmas card と Yamato の間に距離があるニュアンスを表します。そのため、大和宛に送られたことは確かですが、届いたかどうかまでは含んでいない表現になるわけです。

      ※上記は受動態の解説記事からの引用です。リンク先にはイラストもあるので、ご参照ください。

      ただし、普通は例文2で追加的に何も言わなければ、「クリスマスカードは大和に届いたんだろう」と受け取ります。日本語でも「○○宛に送った」と言って、特に追加的に何も言わなければ、「○○に届いたんだろう」と了解するのと同じです。

      この意味で、to のもつ「到達点」のニュアンスから、ごく自然な流れで「到達」を表すことはあります。

      また for と to の比較で言えば、for のほうが方向(範囲)であるのに対して、to は到達点(点)なので、to のほうが到達するところを特定できており、より届いたであろう感じが強いですね。

  2. シーガイル より:

    たくさんある中から選んだり、言い方によってかえたりしなければならないので、前置詞に苦手意識を持っている日本人は多いと思います。しかし、今回の記事を読み、コアイメージを頭に入れ、例文を眺めているいるだけで、イメージが湧きました。

  3. 匿名 より:

    atのコアイメージの「ある地点に移動させる」や「場における活動」というのが少し難しいなと感じました。特に「何かをしている状態」、「特定の状態」というのが理解が難しいと感じましたが、2回見て理解できました。

  4. やまびこ より:

    前置詞の使い分けは英語の中でも一番難しいと思います。この記事で取り上げられているatは何となく点のイメージがありましたが、もっとたくさんの意味があることを解説で知りました。例文が特に分かり安いです。また、atとin、toの意味の違いもよくわかりました。

  5. 糖質制限中 より:

    atの説明だけでなく、toやinとの比較があるのが良いと思います。さらに、その説明がshout at やgood atなどの具体的な例文を使ってあるので、よりわかりやすく感じました。ただ、それでも前置詞というのは難しく、なかなか完璧!というふうにはならないですね。やはり慣れが必要でしょうか。

  6. キャットマン より:

    atというのはよく考えないで使っている前置詞で、実際それで問題も起きにくいものです。ですがイメージを掴むことでより深く理解できた感じはします。点の周りをグルグルしているというイメージは結構新鮮な発見だったと思います。

  7. positivo より:

    atは非常に奥の深い前置詞だと改めて確認できました。説明されていた中で、特にshout atとshout toのニュアンスの違いが大変勉強になりました。atだときちんと聞こえててtoだと定かでないというのを頭に入れて正しく使い分けるようにしたいです。

  8. 匿名 より:

    「点」または「点に向かう動き」のイメージで捕えるat と「活動」を表すat そして「特定の期間」を表すat などさまざまな用法があるという事が、わかりやすい例文の解説で理解できました。とても勉強になります。

  9. より:

    今までイメージしにくかかったatの用法ですが、この記事を読んだことによって理解が深まりました。イラストが分かりやすかったです。もっと早くこの記事に出会いたかったです。英語が得意な人にも苦手な人にもオススメの内容になっていると感じました。

  10. カメゴン より:

    atは、よくin やon、 byと間違えて使ってしまうのですが、調べてみると、He’s walking in the mountainsのin theをat theに変えても意味は同じのようでした。また、atを省略しても意味が通じる場合もありそうですね。atやinの違いについての解説記事もあるようなので読んでみたいと思います。
    いつか『I’m good at English.』と言える時がくればいいのですが。

  11. green&peace より:

    atのコアなイメージが点に向かうこと、地点や時点などの様々な点を表すことを理解すると、用法がイメージしやすいと思いました。atは前置詞として非常に多様な意味を持つため、例文で一つずつ確認できるのが良かったです。

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