英語の現在進行形の形式と意味をおさらいしましょう!現在進行形のイメージを元に、「未来を表す現在進行形」など現在進行形の例文を解説しています。また現在形と現在進行形の違いについても記載しています。
現在進行形とは
現在進行形の形式は「be動詞の現在形(am, is, are)+現在分詞(動詞のing形)」です。
例文:He is sleeping in bed.(彼はベッドで眠っているところです)
「~しているところ」という意味は現在分詞から出てきています。そこで、まずは現在分詞のイメージを確認しておきましょう。
現在分詞のコアイメージは「進行、ライブ感」です。
この現在分詞とbe動詞が組み合わさって「まさに行動している状態」を表し、「~しているところ」という意味が生まれるわけです。
ただし、現在分詞には「既にスタートしている(着手済)」ことと「まだゴールをしていない(未完了)」という2つのニュアンスも含まれます。
現在進行形には「始まりと終わりという時間的な区切りがある」というイメージが付随していることにも注意してください。
※現在分詞についての詳細は「現在分詞の意味・用法まとめ」をご参照下さい。
現在進行形の例文解説
いま進行している行為を表す現在進行形
例文:Taro is playing tennis with Shinichi now.(太郎はいま信一とテニスをしているところです)
現在進行形を使って、いままさにしている最中のことを表しています。
一時的な行為を表す現在進行形
例文:I‘m living in New York at present.(私はいま(一時的に)ニューヨークに住んでいます)
この例文は、現在ニューヨークに住んでいるけれど、それは一時的なものであることを表しています。
現在進行形を使うことで、一時的な期間における行為を表すことができます。
比較:I live in Tokyo.(私は東京に住んでいます)
この例文は、現在東京に住んでいて、特に引っ越したりする予定もないことを表しています。
このように現在形を使うと、期間の区切りがなくなります。
ある期間における行為を表す現在進行形
例文:Taro is scoring a lot of goals this season.(今シーズン、太郎はたくさんゴールを決めています)
この例文は、今シーズンという期間において、太郎がたくさんゴールを決めていることを表しています。
現在進行形のイメージに含まれる「期間の区切り」が、文末のthis seasonで「今シーズン」と名付けられているわけです。
いま変化している途中を表す現在進行形
例文:The old dog is dying.(その老犬は死にかけている)
この例文は、その老犬が死というゴールに向かう途中にあることを表しています。
スタートの「老衰がいつから始まったか」はあいまいですが、ゴールの「死」は明確であり、そこに焦点があたっています。
手配済みの未来の予定を表す現在進行形
例文:I‘m leaving for Paris tomorrow morning.(明日の朝、パリへ向けて出発する予定です)
この例文は、私が明日の朝、パリに出発する予定であることを表しています。
既に航空券などの手配を済ませていること(着手済)と、まだパリに出発していないこと(未完了)という2つのニュアンスが含まれています。
また現在進行形が作り出す「期間の区切り」ですが、そのゴールの日時が文末のtomorrow morningで「明日の朝」と指定されていることになります。
※未来を表す表現についての詳細は「will と be going to と現在進行形の違い」をご参照下さい。
現在形と現在進行形の違い
日本語訳したときに、現在形と現在進行形は区別がはっきりつけにくくなるので、ここで取り上げておきましょう。
- 現在形:現在時を含み、期間の制限がない場合
- 現在進行形:現在時を含み、期間の制限がある場合
時間軸で考えたときに、現在形は「どこまでも伸びる直線」であり、現在進行形は「区切られた線分」になります。
ここで、現在形の「期間の制限がない」ことについて補足しておきます。
そもそも現在形は英語では present form と呼びます。presentは「プレゼント(贈り物)」の意味で有名ですが、元々は「目の前にあるモノ」を表します。
※「プレゼント(贈り物)」の意味は「目の前に差し出したモノ」というニュアンスから発生しています。
現在形のpresent(目の前にあるモノ)のイメージとして「広大な平野」を想像してみてください。
その視界には明示的な区切りがありませんよね。近くに焦点をあわせることもできますが、全体を見渡すこともできます。
このようなイメージで現在形そのものには区切りがないと捉えていただければと思います。
それでは具体的な例文を挙げて、現在形と現在進行形の違いを確認しておきましょう。
例文:I don’t usually eat sweet things. But I‘m eating some cake today because it’s Mami’s birthday.(私は普段は甘いものを食べないんだ。だけど、今日は真美の誕生日だから、ケーキを食べているよ。)
前の英文が現在形(I don’t usually eat)で、後の英文が現在進行形(I’m eating)になっています。
現在形が「普段の行動(習慣)」を表していて、現在進行形が「期間限定の一時的な行動」を表していることがわかるかと思います。
参考:This watch generally keeps perfect time. But these days it‘s not working properly.(この腕時計は概して完璧な時間を刻んでいるよ。だけど、このところちゃんと動かなくなってきているんだ。)
【Advanced】迷惑な習慣を表す現在進行形
さきほど、現在形は「普段の行動(習慣)」を表し、現在進行形は「期間限定の一時的な行動」を表すと述べました。
しかし、現在進行形が「習慣的な行動」を表すこともあるので、確認しておきましょう。
例文:You‘re always biting your nails. Stop it!(あなたはいつも爪をかんでばかりいる。止めなさい!)
聞き手のyouが爪をかむことは「習慣的な行動」ですが、現在進行形(are biting)が使われています。
話し手は現在形ではなく、あえて現在進行形を使うことで「本来は爪かみなんてしないでいるべきなのに、あなたはいつも爪をかんでいる」という話し手の中でのギャップを表しているわけです。
※一時的な行動を表す現在進行形にalwaysという矛盾するような単語を加えることで、ギャップを生み出しているとも言えます。
このように「話し手にとって迷惑な習慣」などを表すときに現在進行形が使われることがあります。
参考:Politicians aren’t honest. They‘re always telling lies.(政治家は誠実ではない。彼らはいつも嘘ばかりついている。)
現在進行形のまとめ
現在進行形の主な用法として「まさに~しているところ」「一時的に~している」「~する予定である」があります。
例文 | 意味 | 備考 |
---|---|---|
Taro is playing tennis with Shinichi now. | テニスをしているところです | いままさにしている最中の行為 |
I‘m living in New York at present. | (一時的に)住んでいます | 一時的な期間における行為 |
Taro is scoring a lot of goals this season. | 今シーズン、得点しています | ある期間における行為 |
The old dog is dying. | 死にかけている | いま変化している途中 |
I‘m leaving for Paris tomorrow morning. | 明日の朝、出発する予定です | 手配済みの未来の予定 |
You‘re always biting your nails. | いつも爪をかんでばかりいる | 迷惑な習慣 |
【現在進行形関連記事】
- 現在完了進行形と現在完了形(継続用法)の違い
- プレゼントとギフトの違い(presentのコアイメージ「目の前に存在する・存在させる」についての解説記事)
コメント
現在進行形は、~しているところという意味があるというのは学校で習っていて認識していましたが、こうしてみてみるといろいろなニュアンスで使われるんだなと思いました。未来の予定を表す時にも使われるのは知りませんでした。とても勉強になりました。
よく使う、現在進行形の用法を改めて理解できました。現在進行形が、始まりと終わりという時間的な区切りがあるという事で、ついうっかりI’m living in Tokyo.にしないよう気を付けたいです。冒頭にあるように、「今だけ」を常に意識したいと思います。
現在進行形と現在形の違いは今までは分かりにくかったですが、現在形のほうには期間制限と言う区切りがないというのは初めて知りました。現在進行形も表で見ると、意外なほど多くのニュアンスを含んだ表現であり新しい発見をした気分です。
現在進行系の「始まりと終わりという時間的な区切りがある」というイメージという表現が解りやすかったですが、全体的には難しいと感じました。
よって、「まさに~しているところ」「一時的に~している」「~する予定である」という三つをそれぞれ覚えるのが一番良いのではないかと感じました。
現在進行形にそれ以外の用法があることを初めて知りました。
また、at presentで(一時的に)を表現出来ることも。
記事の長さ的にもちょうどよく、とても”なるほど”と思える記事だと感じました。
現在形との違いとして、現在進行形には時間的な区切りがある、ということの説明として、 be living と live の意味の違いを例に挙げて説明されている点が非常にわかりやすいと思いました。
現在形と現在進行形の違いがわからない人は、この使い分けで躓くことが多いように思います。
現在形と現在進行形の時間軸の違いがハッキリしました。例外として、現在進行形が「習慣的な行動」を表すこともあるとして記事に載っている例文もわかりやすかったです。あえて現在進行形を使うこともあるんですね。
現在形が時間という軸においては明示的な区切りがないのに対し、現在進行形が始まりと終わりという時間的な区切りがあるとの対比説明はとても良いと思います。
また、迷惑な習慣を表す現在進行形の用法があるという追加説明も意外な盲点があると感心しました。
現在形と現在進行形を日本語にしたとき、ほとんど同じ意味なのに用法が違うことに戸惑った記憶があります。しかし、この記事の現在形では「現在時を含み、期間の制限がない場合」、現在進行形では「現在時を含み、期間の制限がある場合」とあり、なるほどと思いました。
私は現在進行形は得意でしたが、コアイメージや用法のイメージ図のおかげで新たに学ぶこともあり、楽しく読むことができました。改めて英語の面白さを実感しました。英語が苦手な人にも分かりやすくなっているので、もっとたくさんの人に読んでもらいたい記事だと思いました。