助動詞 can のイメージと意味・用法まとめ

この記事は約6分で読めます。

助動詞 can の代表的な意味

英語 主な意味 例文・フレーズ
can ~できる He can speak English.(彼は英語を話せます)
~がありうる Anybody can make mistakes.(誰でも間違えることはある)
~してもよい You can use my pen, if you like.(もしよければ、僕のペンを使ってもいいよ)
[否定文で]~のはずがない “Here’s your bill, sir.” – “100 dollars! That can’t be right.”(「こちらがお勘定になります」「100ドルだって!?そんなはずはないよ」)
[疑問文で]~してもらえますか? Can you go to the supermarket for me?(おつかいに行ってもらえますか?)

※記事内では表に掲載のない意味・用法も解説しています。

できる」の意味で有名な can ですが、他にもたくさんの用法があります。この記事では can のコアイメージを元に、can の持つ意味・用法(「可能性」「能力」「許可」「命令」「依頼」)について解説します。

中学英語イメージリンク

canのコアイメージ

canのコアイメージは話し手が思う「根拠に基づいた可能性」です。

canは最初に「~できる(能力)」として習った人が多いと思いますが、実際にcanが表しているのは「可能性をもっている」であることに注意してください。

また可能性ならば何でもOKというわけではなく、「それ自身がもつ根拠(実績や要素など)に基づいた可能性」を表します。詳しくは後の例文解説で確認します。

 

canの主な用法は「能力」「許可」「依頼」です。すべて「可能性」から派生しています。

 

canの用法

可能性

例文:Anybody can make mistakes.(誰でも間違えることはある)

誰でも間違える可能性をもっている」という意味です。

どんな人でも実際に間違いを犯したことがあるわけで、それを根拠として誰でも間違える可能性をもっていると言っているわけです。

 

例文:He can be very rude.(彼はとても無礼なときがある)

彼は無礼に振る舞う可能性をもっている」という意味です。

実際それまでに彼は無礼に振る舞ったことがあり、それを根拠として彼は無礼に振る舞う可能性をもっているとみなされているわけです。

 

可能性の否定

例文:A “Here’s your bill, sir.” B “100 dollars! That can’t be right.”(A「こちらがお勘定になります」、B「100ドルだって!?そんなはずはないよ」)

その請求額が正しい可能性はない」という意味です。

canが否定形で用いられる際には、可能性を否定することになるので「~のはずがない」のような強い表現になります。

※canを否定文や疑問文で用いるときは前提となる「根拠」部分はたいてい重要ではなくなるので、「可能性」だけを考えれば大丈夫です。

 

能力

例文:He can speak English.(彼は英語を話せます)

彼は英語を話す可能性をもっている」という意味です。

このセリフを聞いた人は「彼は英語を学んだことなどがあって(根拠)、英語の話し方を知っているのだろう」と解釈します。

 

この彼がどれくらい上手に英語を話せるかはこれだけではわかりませんが、普通は意思疎通ができるレベルなんだろうと聞き手は受け取ります。

そのため、このセリフは「彼は日常的に英語を話さないけれど、英語を使ってコミュニケーションすることができるんだよ」「彼は第二言語として英語が使えるんだよ」と言いたいときによく使われます。

 

許可

例文:You can use my pen, if you like.(もしよければ、僕のペンを使ってもいいよ)

「あなたは私のペンを使うことが可能ですよ」で「私のペンを使ってもいいよ」という意味になります。

私の所有物を使う可能性を提示することで、「~してもよい」と許可を表しているわけです。

 

命令

例文:If you won’t keep quiet, you can get out.(どうしても静かにしないなら、出ていってくれてもいいのよ)

「あなたは出ていくことも可能ですよ」で「出ていってくれてもいいのよ」という意味になります。

外に出ていく可能性を提示して促すことで、婉曲的に命令のニュアンスを表現しています。

 

依頼

例文:Can you go to the supermarket for me?(おつかいに行ってもらえますか?)

「あなたは私のためにおつかいに行くことは可能ですか?」で「おつかいに行ってもらえますか?」という意味になります。

相手に可能性を聞くことで、「~してもらえますか?」と依頼を表しているわけです。

※日本語の「もらえる」は可能を表す「得る(える・うる)」がくっついている言葉なので、Can you …? に対応する日本語として最もしっくりきます。

 

ただし、現在形のcanの場合は「可能性があるかどうか」をストレートに聞いている感じになります。

家族や仲の良い友人など親しい間柄では使っても大丈夫ですが、相手がもう少し距離がある人の場合は “Could you please …?” のように過去形couldにして距離を取って、さらに please(もし、あなたがよければ)を入れた丁寧な表現を使うことをおすすめします。

 

英会話イメージリンク習得法

canの用法まとめ

canのコアイメージは「根拠に基づいた可能性」です。

canの主な用法は「能力」「許可」「依頼」です。

canの用法 意味 備考
可能性 ~することがある
~がありうる
根拠に基づいた可能性
可能性の否定 ~はずがない 可能性を否定した強い表現
能力 ~できる 根拠のある能力
実際にある程度できるとみなされる
許可 ~してもよい 所有物を使う可能性を提示
命令 ~してくれてもいいのよ 可能性を提示して促す
依頼 ~してもらえますか? 相手に可能性を聞く

 

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コメント

  1. 岡田 より:

    口語でCanを使う時はCan/Could IもしくはCan/Could youの疑問形がほとんどで、文章でもCanを使うのは直接的すぎるかと思い避けていました。この記事を読んで、改めてCanにはいろいろな意味があるのだと勉強になりました。なかでも、可能性の用法のAnybody can make mistakes.は友人がちょっと何かやってしまってこちらに謝ってきた際に使えそうな感じがしました。

  2. スコティッシュティッシュ より:

    「能力」「許可」「依頼」という覚え方はとてもまとまりがよく、例文なども思い浮かびやすくてたいへん整理できた覚え方が出来るなと思い、canについてはとても自信を持って覚えることが出来、素晴らしい内容だったと感じました。

  3. 匿名 より:

    助動詞の活用の種類が丁寧に分かりやすく説明されており、とても良かったと思います。英語が苦手な人にでも分かるように難しい表現を避けてユーモアのある例文を用いられていて好感が持てました。ただ、be able toとの違いなどがもう少し詳しく説明されているとより良いかなと感じました。

  4. Tommy より:

    canの用法については今まで深く考えたこともありませんでしたが、実際にはcanには〜できるという可能性の意味だけでなく許可や依頼の意味まで幅広く含んでいることが良く理解できました。canの用法の幅が広いので、様々な用途に使えそうですね。とても参考になる記事でした。

  5. 旅大好き人間 より:

    この記事を読んで、改めて”can”には様々な用法があることを確認できました。命令の用法は忘れていたので勉強になりました。しかし、コアイメージの「秘められた可能性」は理解しにくかったです。
    海外に滞在していた経験からの余談ですが、日本人は”I can speak English”のように”can”を頻繁に用いると思いますが、アメリカ人はそれほど使用しないと感じました。

  6. ぽちぽち より:

    can の用法として、能力や依頼の意味があることは知っていましたが、他に可能性や命令などの使い方があるんですね。例文の文章を読んで、解説を見ると腑に落ちます。can を命令や許可で使うと、ちょっとカッコイイかもしれません。

  7. 薩摩妹子 より:

    canに関して、根本的な理解が進みました。
    canがなぜ依頼や許可の意味を持つのか、分かりました。
    今までは、何となくcanを使っていました。しかし、根本的な意味が可能性だと分かり、納得ができました。
    また、canに命令の意味があることは、初めて知りました。

  8. sweet_milk より:

    可能性というとらえ方をしていませんでしたのでビックリしました。can=できる、というイメージしかありませんでしたが、この記事を読んで、canの使い方を深く知ることができました。また、記事内の絵は配色がとてもいいですね。英語に増々興味を持つことができます。英語が楽しいと思えるような記事でした。

  9. 匿名 より:

    canは比較的早いうちに習う英単語ではありますが、その使い方のイメージはざっくり「出来る」で止まっていました。
    本当のコアイメージは秘められた可能性という事で、それでようやく今まで何か合点がいかなかった用法の数々に納得できました。

  10. アンモナイト より:

    canというのは単に”できる”という意味で今まで使っていたのですが、秘めた可能性というできるはずといった意味合いがあるのですね。いろいろ例文が載っていたのでよくわかりました。これからは気を付けてcanを使おうと思いました。

  11. 陣 高宏 より:

    as as … canが、なぜ、できる「かぎり」のような意味になるのでしょうか?できると実際にどのように為すかは別物のはずなのに、この構文ではその可能性の中の最大限のところの意味合いにフォーカスされるのが不思議なのです。

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