may as well の意味がなぜ「~した方がよい」になるのか、might as well との違いも含めて徹底解説!

この記事は約9分で読めます。

なぜ may as well の意味が「~した方がよい」になるのか先生に質問したところ『先生もよくわからないから覚えるしかない』と言われました。どうしてこんな意味になるのでしょうか?

may as well の意味が「~した方がよい」になるのは不思議ですよね。この記事では may と as well (as) のイメージを元に、may as well のイメージ・意味について解説しました。may as well と might as well の違いも取り上げています。

中学英語イメージリンク

may as well / might as wellの解説の前に

may as well の意味が「~した方がよい」となる理由ですが、実はその成り立ちは英語圏でもはっきりしていません参考URL)。

本記事では歴史的な経緯を踏まえ、最も妥当と考えられる流れで解説を行います。ただし、あくまでも仮説に過ぎないため、予めご留意をいただければと思います。

※本記事は仮説ではありますが、may as well / might as wellのイメージは掴めると思いますし、英会話の実践にはそれで十分と考えています。

 

さて、may as well は元々 might as well ~ as … というフレーズに由来しているので、本記事では might as well ~ as … の解説から行っていきます。

 

構成要素のコアイメージ

may のコアイメージ

may のコアイメージは「上から下への許容」です。

may の主な用法は「許可」「推量」「祈願」です。

may as well の意味は「推量」用法を活用したものになります。

※助動詞 may の持つイメージ・意味についての詳細は「助動詞 may のイメージと意味・用法まとめ」をご参照下さい。

 

推量を表す might のイメージ

推量を表す might のイメージは「一応、想定される」です。

may の表す「想定される」を距離をとって遠ざけたイメージです。

 

as well のイメージ

as well のイメージは「あるレベル・程度で」です。

as well は「程度を測るモノサシ(単位)」のようなイメージで捉えると良いでしょう。

※ as の持つイメージ・意味についての詳細は「as のイメージと意味・用法まとめ」をご参照下さい。

 

as well as のイメージ

A as well as B は「B と同じレベルで A する」という意味です。

 

例文:He can speak English as well as French.(彼はフランス語と同じレベルで英語が話せる)

as well は「あるレベル・程度で」というモノサシのイメージでしたね。それに as French を重ね合わせることで「フランス語と同じレベルで」となっているわけです。

 

英会話イメージリンク習得法

might as well A as B

例文:One might as well be hanged for a sheep as a lamb.(大人の羊を盗んで縛り首になるのも、小羊で縛り首になるのも同じことだろう)

これは英語のことわざです。その昔、羊を盗んだら、それが大人の羊であろうが小羊であろうが同じく縛り首に処せられていました。

このことわざが意味していることは、もし同じ縛り首になるくらいなら「大人の羊を盗んだ方がマシだ」というものです。

日本語のことわざで言えば「毒を食らわば皿まで」に当たります。

 

このことわざのイメージが強く影響を及ぼして、might as well ~ as … は本来持っていなかった「…するよりも~した方がマシ」という意味を持つことになったのです。

なお、might as well ~ as … は日常会話というよりは本や映画に出てくる表現です。

実用的というよりも、装飾的で手の込んだ言い方のように相手には聞こえます。日本における故事成語のような感覚が伴っていると考えて頂ければと思います。

 

might as well の意味

他の選択肢がある場合

N Taro and Keiko have just missed the bus. The buses run every hour.(太郎と恵子はバスに乗り遅れてしまいました。バスは一時間に一本走っています。)
Taro What should we do? Shall we wait?(どうする?待つ?)
Keiko We might as well walk. It’s a nice day and I don’t want to wait here for an hour.(どちらかといえば歩く方がマシかしら。今日はいい天気だし、ここで一時間も待っていたくないわ。)

 

例文:We might as well walk.(歩いた方がマシだ)

例文には might as well walk (as wait) が省略されており、「待つよりも歩いた方がマシだ」という意味になります。

might as well は「~した方がマシ」という意味ですが、積極的にこうしようと思っているわけではなく、他の選択肢に比べたらまだマシという感覚で使われます。

 

他に同じレベルの選択肢がない場合(I might as well)

例文:I’ve got to go to the store anyways, so I might as well visit the bank next to the store.(どのみちそのお店に行かなければいけなくなったわけだから、お店の隣りにある銀行を訪れるのも悪くないかな)

この例文では might as well visit の visit よりも良い選択肢は思いついていません。

このように他に同じレベルの選択肢がない場合、might as well は「~するのも悪くない」という意味になります。

「他にやることもないし、銀行を訪れてお金をおろしておくか…」というわけです。

 

なお、例文の日本語訳の文末を「悪くないかな」としていますが、「悪くないだろうな」や「悪くないと思う」という表現でも大丈夫です。might が表す「一応、想定される」は幅があるため、これらのニュアンスが包含されるわけです。そのため、どう訳すのがよいかは文脈に依存します。

 

他に同じレベルの選択肢がない場合(You might as well)

例文:You might as well enjoy your money while you’ve got it.(お金を持っている間は、そのお金を使って楽しむのも悪くないと思うよ)

この例文でも enjoy よりも良い選択肢は思いついていません。

例文のように You might as well と You と合わせて might as well が使われる場合は、相手に提案しているニュアンスになります。

ただ、その場合も「他に適当な選択肢も見たらないし、せっかくだからお金を使って楽しむのも悪くないと思う」という程度の弱い提案であることに注意してください。

 

英会話イメージトレース体得法

may as well の意味

他の選択肢がある場合

例文:Well, I think if it’s a choice between a job and a place at college, you may just as well take the job. At least you’ll earn some money.(そうだねぇ、私の考えとしては、もし仕事と大学との選択なら、そりゃあ仕事をとった方がいいと思うよ。少なくともお金を稼げるからね)

例文には may just as well take the job (as enter the college) が省略されており、「そりゃあ大学に入学するよりも仕事をとった方がいい」という意味になります。

may as well は「~した方がよい」という意味で、might as wellの「~した方がマシ」よりは前向きな感覚で使われます。

ただし、それでも積極的に仕事をした方がいいと言っているわけではなく、どちらかを選べと言われたらこちらの方がいいという程度の感覚であることに変わりはありません。

 

なお、just は as well take the job を強調しており、may just as well ~で「そりゃあ~した方がよい」という意味になります。

 

他に同じレベルの選択肢がない場合

Tomokazu What time does the film finish?(何時に映画終わるんやろか?)
Yamato I think it’s ten o’clock.(10時だと思うよ)
Tomokazu Uh-huh. We may as well eat in town before it, then.(ふーむ、映画の前に街で食べておくのも良さそうやな)

 

例文:We may as well eat in town before it.(その前に街で食べておくのもいいだろうね)

映画館に入る前にやることとして「食べる/食べない」以外に「本屋に立ち寄る」など色々と考えられますが、この例文では eat(食べる)よりも良い選択肢は思いついていません。

このように他に同じレベルの選択肢がない場合、may as well は「~するのもよい」という意味になります。

「他に適当な選択肢も見たらないし、せっかくだからそれまでに食べておくのもいいだろうね」という感じです。

 

まとめ:may as well / might as well の意味と違い

フレーズ 場合分け 意味
may as well 他の選択肢あり ~した方がよい
他に同じレベルの選択肢なし ~するのもよい
might as well 他の選択肢あり ~した方がマシ
他に同じレベルの選択肢なし ~するのも悪くない

 

might as well という表現は「不本意さ」が含まれることがある一方で、may as well は might as well よりは「前向きさ」が含まれやすいという違いがあります。

なお、現代英語では might as well の方が may as well の7倍使われています(統計調査サイト ※may as well:might as well=637:4572(2017/11/03執筆時現在))。

そのため英会話の実践において may as well と might as well のどちらを使うかで悩んだ場合は、might as well を使っておいた方が無難だと言えます。

 

【may as well の意味関連記事】

【助動詞をまとめて学習したい方へ】

助動詞に関する記事を一冊の電子書籍『英文法イメージリンク【助動詞】』にまとめました。公開記事との違いは次の通りです。

  • 読みやすいように編集しました。
  • 記事中に広告がありません。
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  • 参考例文を追加しました。

また電子書籍なので、キーワードで横断的に検索することができます。リファレンス用などとしてぜひご活用ください。

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コメント

  1. 菜実 より:

    わかりづらい表現方法だと思っていましたが、かみ砕いて説明されていたので頭に入りやすかったです。may as wellが~した方がよいというのは暗記で覚えこむしかない気がしていましたが、その後にas~が省略されているという説明は本当にしっくりきました。また、まず最初にmay as wellを1つずつ分けてコアイメージで解説されているのが理解しやすかったです。

  2. KoKo より:

    私も”may as well”を「~した方がよい」とそのまま暗記していました。しかし、今回の記事ではイメージや例題がたくさん掲載され、一文ごとに丁寧に説明しているので大変参考になりました。記事の最後に「might as wellを使っておいた方が無難」とありましたが、このような豆知識は大好きです。

  3. 五十嵐 より:

    may as wellは実際に使ったことがなく、また意味も知らなかったので勉強になった。asのコアイメージ、用法、as well asのイメージ画像は非常に分かりやすく、すんなりと理解できた。ちょっとボリュームがあったので、はじめの方の解説を読み返すときにスクロールするのが少し面倒だった。

  4. トマトのおかげ より:

    might as wellとmay as wellそれぞれに、「不本意さ」と「前向きさ」が含まれているというのはとても解りやすい覚え方で、現代英語では might as well の方が7倍使われているという事実もあり、迷ったらmight as wellを使う、特に前向きに表現したいのみmay as wellにするという覚え方が出来解りやすかったです。

  5. 匿名 より:

    may as wellの意味は今まで丸暗記で学生時代を過ごしてきましたが、mayとasのイメージを正しく理解すると何となく理由がわかってきました。場面ごとの詳しい使用法の説明もあるのでこれからはうまく使いこなせそうです。とても役に立つ記事でした。

  6. 午後のコーヒー より:

    might as well ~ as … の …するよりも~した方がマシ という意味が、英語の「ことわざ」からきているというのは面白いですね。たしかに、このフレーズは覚えるしかなさそうです。他の選択肢がある場合とない場合の解説もあり、わかりやすかったです。

  7. aya より:

    may as well の意味を may、as、as well などの意味を段階的に説明していくことで、わかりやすく解説されていると思いました。
    実際のシーンには柔らかくした表現である might as well が使われることが多いということから、大体の表現は過去系を用いると、柔らかい言い方にすることができると思いました。

  8. 匿名 より:

    英語圏でも成り立ちがよくわかっていない表現が今でも普通に使われているという事実自体が一番興味深かったです。
    比較なのに比較対象の選択肢がない、というのはよく咀嚼しないと消化できない考え方のように思いました。

  9. キティ子 より:

    私もmay as wellの意味と使い方が分かりませんでしたので、興味深く記事を読ませていただきました。最初はよくわかりませんでしたが、コアの説明や例文などを見ていると、段々理解することができました。記事の量も丁度良く、納得できるまで詳しく分かり易い文章で書かれているため、とても良い記事だと思います。

  10. あがさ より:

    grammar in useと同じ例文が使われてるけど良いのかな?

  11. 陣 高宏 より:

    may/might/as well/as well asのコアイメージ、特にわかっていたと自分では思っていたas well asをまた新たな次元で捉え直すことができてとてもスッキリしました。知識を積み重ね結びつけ活かしていくその妥協のない姿勢を見習わせていただきたいと思いました。ありがとうございました。

  12. こど より:

    参考文献がないので,このサイトで述べられていることがどれほど正確かどうかの確認が取れません.数学科卒ならば数学書は読んだことがあると思われるので理解していると思いますが,参考文献くらいは載せるべきです.

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