動名詞とto不定詞の違い

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→この答えは記事中にて

動名詞とto不定詞の違いは何ですか?

動名詞とto不定詞はどちらも「~すること」と訳せると思うのですが、実際の英文ではどちらかしか使えなかったり、両方使えたとしてもニュアンスが違っていると言われたりして、よくわからなくなってしまいました。動名詞とto不定詞の違いを教えてください。

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動名詞の意味とイメージ

動名詞は「動詞の原形+ing」という形で、コアイメージは「まさにその動き」、代表的な意味は「~すること」です。

動名詞は現在分詞と同じ形をしていますが、その現在分詞から進行のニュアンスを取り除いて名詞化したものだと考えるとわかりやすいです。

たとえるならば、動名詞は「写真」のようなものです。

動名詞は「写真」のように状況をありありと描くことから、「過去に経験したこと、習慣的な行為」や「一般的にこうだろうと想像される行為」に対して用いられやすいのが特徴です。

動名詞の詳しい解説は以下の記事をご参照ください。

現在分詞と動名詞の違いから学ぶ現在分詞と動名詞の意味と用法
現在分詞と動名詞、ともに「動詞の原形+ing形」で表されますが、実際はどのように違うのでしょうか?現在分詞と動名詞のコアイメージを元に、意味や用法を解説します。

to不定詞の意味とイメージ

to不定詞は「to+動詞の原形」であり、toと動詞から成り立っています。

to のコアイメージは「別のところに向かう動き(矢印)とその向かう先にある対象(到達点)」です。

ここから to不定詞の主な意味は「①~すること」「②~するための」「③~するために」となります。

なかでもto不定詞の意味「①~すること」は、toによって指し示した先に動作が存在しているというイメージから「これから~すること(将来)」や「~することになれば(条件)」というニュアンスを伴いやすいのが特徴です。

to不定詞の詳しい解説は以下の記事をご参照ください。

今度こそto不定詞を体得!3用法の見分け方のコツも伝授します。
「to不定詞の3用法ってどういう意味だったっけ?」ーー何度学習しても抜けてしまいがちなto不定詞の用法を、今度こそしっかりつかめるようにイメージで解説しています。不定詞の「不定」とは何なのかについての説明もあります。

動名詞とto不定詞の違い

To see is to believe と Seeing is believing の違い

太郎 そういえばさぁ、学校の横に用水路あるだろ?あそこに亀がいるの知ってる?
信一 えー、まじで?いくらなんでも嘘だろ。あんなところに亀なんているはずないよ。
太郎 いやいや、俺も実際に見たんだって。じゃあ、放課後、見に行こうぜ。百聞は一見にしかずって言うだろ。(To see is to believe, as they say.)
信一 オーケー。
(放課後)
太郎 ほらっ!あそこにいるだろ!?
信一 ホントだ。こんなところにもいるもんなんだなぁ。百聞は一見にしかずだな。(Seeing is believing.)

日本語訳は「百聞は一見にしかず」ですが、英文のほうはto不定詞と動名詞で違っていますね。それぞれの英文を確認してみましょう。

To see is to believe.

例文:To see is to believe.(見たら確かにそうだと信じることになるよ)

to seeは「見ることになれば」、is to believeは「確かにそうだと信じることになる」という意味です。

これらの意味は、toの「指し示した先に動作が存在している」というイメージから発生しています。

なお、この表現は「実際に見てみないで、聞くだけだったり読むだけだったら、信じるところまではいかない」というニュアンスも含んでいます。

toによって動作まで距離がある感じになり、他の選択肢を考慮する余地が生まれているわけです。

Seeing is believing.

例文:Seeing is believing.(見たことは確かにそうだと信じているよ)

seeingは「見たこと」、believingは「確かにそうだと信じていること」という意味です。

このように経験したことについては、「写真」のように状況を描く動名詞のほうがしっくりくるようになります01)※believingは「実際にいま確かにそうだなと信じている」と解釈することができますが、一方でSeeingに合わせた表現としてbelievingという形式になっている側面も強いです。

なお、to不定詞も動名詞も日本語としては「百聞は一見にしかず」を当てることができます。

その理由は、未経験の場合は「百聞は一見にしかずって言うだろ」のように使うことができ、経験済みの場合は「百聞は一見にしかずだな」のように使うことができるからです。

日本語は語尾を変えることで、どちらの場合にも使えるということですね。

like to ~ と like ~ing の違い

動名詞とto不定詞の違いとして、基本的に交換可能で同じ意味になるlike to ~ と like ~ing を取り上げてみましょう。

like to play

例文:I like to play baseball.(私は野球をすることが好きだ)

like to playは「野球をすることが好き」という意味です。

toによって指し示された先にplay baseball(野球をする)が存在しているイメージです。

like playing

例文:I like playing baseball.(私は野球をするのが好きです)

like playingは「野球をするのが好き」という意味です。

playing baseballによって野球をしている状況を描き、その状況が好きだと言っているわけです。

like to playとlike playingの違い

先に like to play と like playing は同じ意味で交換可能だと述べました。両者のイメージを確認すると、確かにイメージは異なっているのですが、意味は同じだなとご納得頂けるかと思います。

あえて両者の違いを挙げるならば、次のようになります。

like to play baseball のほうはtoの存在によってplay baseballとの間に少し距離があり、その分だけ客観的な表現になっています。またtoの指し示すイメージから未来志向(これから)のニュアンスも含まれます。

like playing baseballのほうは野球をしている状況の中にいるような感じであり、その分だけ主観的な表現になっています。過去の経験によってそのような状況を描いているという意味で、習慣的なことというニュアンスも含まれます。

Running is fun? To run is fun?

冒頭の画像で「Running is fun? To run is fun?」というテキストを掲示していましたが、答え合わせをしましょう。

答えは「Running is fun.」です。イラストには一緒に走っている状況が描かれていますが、このように実際に走っている場合は動名詞が答えになります。

to不定詞(to run)だと、「これから走ること」や「走ることになるならば」というニュアンスになり、実際に走っている状況としっくりこなくなってしまうわけです。

動名詞とto不定詞のどちらも目的語に取れるが意味が異なる動詞

目的語として動名詞とto不定詞のどちらも取れるけれど、その意味が変わってしまう動詞を一覧表示しておきます。参考にして下さい。

動詞+動名詞またはto不定詞 意味 違い
remember ~ing ~したことを覚えている 経験済みのこと
remember to ~ ~することを覚えている これからのこと
regret ~ing ~したことを後悔している 経験済みのこと
regret to ~ 残念ながら~しなければならない これからのこと
tried ~ing 試しに~してみた 実際にやってみた
tried to ~ ~しようとした 実際にはやらなかった可能性が高い
forget ~ing ~したことを忘れる 経験済みのこと
forget to ~ ~することを忘れる これからのこと

なお、目的語として動名詞とto不定詞のどちらかしか取らない動詞については、イメージと結びつけるよりはフレーズとして覚えてしまう方が英会話においては実用的です。

それらすべてを一度に覚えようとすると大変ですので、出会うたびに一つずつおさえていって頂ければと思います。

まとめ:動名詞とto不定詞の違い

動名詞のコアイメージは「まさにその動き」です。

動名詞は「過去に経験したこと、習慣的な行為」や「一般的にこうだろうと想像される行為」に対してよく用いられます。

toのコアイメージは「別のところに向かう動き(矢印)とその向かう先にある対象(到達点)」です。

to不定詞の名詞的用法のキーワードは「toによって指し示した先に動作が存在している」で、「これから~すること(将来)」や「~することになれば(条件)」というニュアンスをよく伴います。

以上のことから「動詞+動名詞」は「状況が描けること」「経験済みのこと」に対して用いられ、「動詞+to不定詞」は「距離があること」「これからのこと」に対して用いられる傾向があります。

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注釈   [ + ]

01. ※believingは「実際にいま確かにそうだなと信じている」と解釈することができますが、一方でSeeingに合わせた表現としてbelievingという形式になっている側面も強いです。

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Masayoshi Endo

英語と日本語の研究をしています。専門分野は認知言語学です。著書は『英会話イメージリンク習得法』『英会話イメージトレース体得法』、英会話教材『英会話エクスプレスシリーズ』。英会話エクスプレス出版代表。日本認知言語学会所属。