英文法

現在完了形 完全ガイド:構造、意味、用法をわかりやすく解説

この記事は約12分で読めます。

現在完了形の構造を元に、現在完了の4つの用法(継続、経験、完了、結果)について解説しました。現在完了形は日本語にはない時制のため、過去形や現在形との違いについても説明しています。最後に、最近のアメリカ英語では、現在完了形の代わりに過去形を使う傾向があることについても述べています。

この記事でわかること
  • 現在完了形の構造と4つの用法
  • 現在完了形と過去形、現在形との違い
  • アメリカ英語における現在完了形の使用頻度

中学英語イメージリンク

現在完了形の構造と意味

現在完了形は「have/has+過去分詞」で構成されており、英語の文法において「過去と現在を結びつける」役割を果たしています。

・形式:主語 + have/has + 過去分詞
・意味:~し終えた、~したことがある など

例文:I have finished my homework.(私は宿題を終えました)
例文:She has visited Paris.(彼女はパリを訪れたことがあります)

現在完了形の「過去と現在を結びつける」働きは、これらの例文では「過去に宿題を終えて、現在その完了状態をもっている」「過去にパリを訪れて、現在その経験をもっている」という意味合いで表現されています。

現在完了形における過去と現在

現在完了形は「過去と現在を結びつける」働きをしますが、「過去」は過去分詞に由来し、「現在」は現在形 have/has に由来しています。

過去分詞のコアイメージは「過去の行為による結果の状態」です。

イラストにはりんごを目掛けて矢を射って、最終的にりんごに矢が刺さった状態が描かれています。この矢は過去の行為をたとえたもので、過去分詞が表しているのは「矢が刺さった状態」だと考えてください。

現在完了形は、矢が刺さった状態(過去分詞)の◯◯をもっている(現在形 have/has)というイメージで捉えるとよいでしょう。

過去分詞について詳しくは以下の記事をご参照ください。(英語でよく出てくる不規則動詞50個の活用表もあります)

これで完璧!過去分詞を基本から徹底解説:不規則動詞の活用表付き
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現在完了形の否定文と疑問文

否定文

現在完了形の否定文は、have/has の後に not を付けて作ります。

例文:I have not (haven’t) finished my homework.(私は宿題を終えていません)
例文:She has not (hasn’t) finished her work.(彼女は仕事を終えていません)

疑問文

現在完了形の疑問文は、have/has を主語の前に置いて作ります。

例文:Have you finished your homework?(あなたは宿題を終えていますか?)
例文:Has she finished her work?(彼女は仕事を終えていますか?)

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現在完了形の用法

継続

過去に始まった行動や状態が現在まで続いていることを表します。

・意味:ずっと~している

例文:She has worked here for five years.(彼女はここで5年間働いています)
例文:I have lived in this city since 2010.(2010年からこの街に住んでいます)

継続用法では、期間を表す for(〜の間)や開始時点を表す since(〜から)をよく使います。

・for a week(1週間)
・since 1988(1988年から)

経験

現在までの経験を表します。

・意味:~したことがある

例文:He has traveled to many countries.(彼は多くの国を旅行したことがあります)
例文:I have been to Paris twice.(私は2回パリに行ったことがあります)

経験用法では、回数を表す once(1回), twice(2回), three times(3回)の他に、否定文で never(一度も~ない)、疑問文で ever(いままでに)もよく使われます。

否定文:I have never been to Hawaii.(ハワイに行ったことは一度もありません)
疑問文:Have you ever been to Japan?(あなたは日本に行ったことがありますか?)

完了

過去に完了した行動が現在に影響を及ぼしていることを表します。

・意味:~してしまっている

例文:She has just finished her homework.(彼女はちょうど宿題を終えたところです)
例文:She has already left.(彼女はすでに出発しました)

完了用法では、just(ちょうど)や already(すでに)の他に、否定文・疑問文で yet(まだ、もう)もよく使われます。

否定文:I haven’t finished my homework yet.(まだ宿題を終えていません)
疑問文:Have you finished your homework yet?(宿題はもう終わりましたか?)

yet は否定文・疑問文で意味が変わるように感じられますが、「いままでのところ」で統一的に捉えることができます。

否定文:いままでのところ終えていません→まだ終えていません
疑問文:いままでのところ終えていますか?→もう終わりましたか?

結果

過去の行動によって現在どのような結果になっているかを表します。

・意味:~した(そして、いまも~した状態である)

例文:He has lost his keys.(彼は鍵をなくしています)
例文:The car has broken down.(その車は故障しています)

完了用法と結果用法は意味合いとして似ているため、文法書によっては1つの用法としてまとめられることもあります。

現在完了形と過去形、現在形との違い

現在完了形と過去形の違い

過去形は、過去のある時点での出来事や行動を表します。

・形式:主語 + 動詞の過去形
・意味:~した、~だった

例文:I visited Paris last year.(去年パリを訪れました)

過去形は過去のある時点での出来事に焦点を当てた表現です。その出来事が現在の状況とどう結びついているのかについては述べていません。

一方で、現在完了形はこれまでの経験や現在まで続いている行動や状態などを表すため、過去形よりも現在との結びつきがある場合に使われます。

現在完了形と現在形の違い

現在形は、現在の一般的な事実や習慣を表します。

・形式:主語 + 動詞の現在形
・意味:~する、~である

例文:The Earth orbits the Sun.(地球は太陽の周りを回っています)
例文:I go to the gym every day.(毎日ジムに行きます)
例文:The train leaves at 6 PM.(電車は午後6時に出発します)

現在形は、過去や未来のある時点での行動や出来事には焦点を当てません

一方で、現在完了形は過去の行動や状態と現在の関連性を強調するときに使われます。そのため、現在完了形と現在形は基本的に使い方が異なります。

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時制の違いのまとめ

時制 構造 ポイント
現在完了形 主語 + have/has + 過去分詞 これまでの経験や現在まで続いている行動や状態などを表す(過去と現在を結びつける)
過去形 主語 + 動詞の過去形 過去のある時点での行動や出来事を表す
現在形 主語 + 動詞の現在形 現在の一般的な事実、日常的な習慣を表す

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現在完了形を使う状況例

現在完了形は日本語の文法にはない時制なので、「日常会話」「ビジネス」「ニュース・報道」というシチュエーション別に例文を確認しておきましょう。

日常会話

自分の経験や最近の出来事について話すとき。

例文:I have never tried sushi before.(寿司を食べたことがありません)
例文:I have visited the Grand Canyon twice.(グランドキャニオンを二度訪れたことがあります)
例文:She has just finished reading that book.(彼女はちょうどその本を読み終えたところです)

ビジネス

プロジェクトの進捗状況やタスクの完了について話すとき。

例文:We have made significant progress on the new project.(新しいプロジェクトで大きな進展を遂げました)
例文:They have completed the quarterly report.(四半期の報告書を完成させました)
例文:I have scheduled all the meetings for next week.(来週のすべての会議をスケジュールしました)

ニュースや報道

ニュース速報、自然災害の報告、スポーツの結果などを知らせるとき。

例文:The company has announced a major merger.(その会社は大規模な合併を発表しました)
例文:Heavy rain has caused flooding in several areas.(大雨がいくつかの地域で洪水を引き起こしました)
例文:The team has won the championship for the third consecutive year.(そのチームは3年連続で優勝しました)

アメリカ英語とイギリス英語における現在完了形

アメリカ英語とイギリス英語の間で、現在完了形の使用頻度に違いがあります。最近アメリカ英語では、現在完了形の代わりに過去形を使う傾向があります。

アメリカ:I already ate.(もう食べました)
イギリス:I have already eaten.(もう食べました)

アメリカ:Did you finish your homework?(宿題は終わりましたか?)
イギリス:Have you finished your homework?(宿題は終わりましたか?)

とは言え、アメリカではどんなときでも現在完了形の代わりに過去形を使うわけではありません。文脈と用法に分けて、ざっくり傾向をお伝えします。

文脈ごとの現在完了形の使用傾向@アメリカ

・会話 vs 文章

アメリカ英語では、日常会話でよりシンプルで直接的な表現が好まれるため、過去形が多く使われる傾向があります。一方で、フォーマルな文脈や文章では現在完了形が使われることが多いです。

・地域や教育レベル

住んでいる地域やそれぞれの個人の教育レベルによっても、現在完了形の使用頻度は異なってきます。教育が進んでいる都市部では現在完了形を使う傾向がやや高いと思われます。

用法ごとの現在完了形の使用傾向@アメリカ

アメリカ英語において、現在完了形の4つの用法ごとに現在完了形と過去形の使用比率をChatGPTに推測してもらいました。なお、これはあくまでChatGPTによる推測であり、正確なデータに基づいたものではないことにご注意ください。

継続

・現在完了形を使うアメリカ人:80%
・過去形を使うアメリカ人:20%

現在完了形:I have lived here for ten years.(ここに10年間住んでいます)
過去形:I lived here for ten years.(ここに10年間住んでいました)

経験

・現在完了形を使うアメリカ人:30%
・過去形を使うアメリカ人:70%

現在完了形:Have you ever been to New York?(ニューヨークに行ったことがありますか?)
過去形:Did you ever go to New York?(ニューヨークに行ったことがありますか?)

完了

・現在完了形を使うアメリカ人:40%
・過去形を使うアメリカ人:60%

現在完了形:I have already eaten.(もう食べました)
過去形:I already ate.(もう食べました)

結果

・現在完了形を使うアメリカ人:50%
・過去形を使うアメリカ人:50%

現在完了形:She has lost her keys, so she can’t get into the house.(彼女は鍵をなくしたので、家に入れません)
過去形:She lost her keys, so she can’t get into the house.(彼女は鍵をなくしたので、家に入れません)

用法ごとの現在完了形の使用頻度まとめ

用法 説明 現在完了形:過去形の比率
継続 過去に始まった行動や状態が現在まで続いていることを表す 80:20
経験 現在までの経験を表す 30:70
完了 過去に完了した行動が現在に影響を及ぼしていることを表す 40:60
結果 過去の行動によって現在どのような結果になっているかを表す 50:50

アメリカ英語においても、継続用法では現在完了形を使うことが一般的だとみなされています。これは、過去に始まった行動や状態が現在まで続いていることを表したいときに、過去形では相手に意図が伝わらないからですね。

逆に、経験や完了といった用法では、過去形の方が使われやすいです。これはどちらの場合も、会話などで前後の文脈をフォローしてあげれば、過去のある時点での出来事を表す過去形でも十分に意図が伝わるからです。

なお、結果に関しては、文脈や強調したいポイントによって現在完了形を使うか過去形を使うかはケースバイケースとなり、現状では両方の時制が同じくらい使われています。

この使用頻度からわかることは、現在完了形の4つの用法の中でも「継続」に関しては最低限マスターしておく必要があるということです。それ以外の用法については、最悪過去形でも伝わるということで、おいおい慣れていくのでもよいでしょう。メリハリをつけながら学んでいきましょう。

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まとめ

現在完了形は「現在形 have/has+過去分詞」で構成されており、中核的な意味は「~し終えた◯◯をもっている」になります。

用法 意味 説明 例文 一緒によく使う単語
継続 ずっと~している 過去に始まった行動や状態が現在まで続いていることを表す She has worked here for five years. for, since
経験 ~したことがある 現在までの経験を表す I have been to Paris twice. once, twice, ever, never
完了 ~してしまっている 過去に完了した行動が現在に影響を及ぼしていることを表す She has already left. just, already, yet
結果 ~した(そして、いまも~した状態である) 過去の行動によって現在どのような結果になっているかを表す He has lost his keys.

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