現在分詞と動名詞の違い

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現在分詞と動名詞は同じ「動詞の原形+ing形」をしていて、何となく意味も似ていますよね。この記事では、現在分詞と動名詞のコアイメージを元に、両者がどう違うのかを解説しました。また現在分詞と動名詞を区別するコツについても記載しています。

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現在分詞の意味・コアイメージ

現在分詞のコアイメージは「進行、ライブ感」です。

現在分詞の代表的な意味は「~しているところ」となります。

 

動名詞の意味・コアイメージ

動名詞のコアイメージは「まさにその動き」です。

動名詞の代表的な意味は「~すること」となります。

 

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現在分詞と動名詞の違い

品詞として現在分詞と動名詞を区別する

現在分詞と動名詞は同じ「動詞の原形+ing形」(以下、ing形とします)をしているため、形の上では見分けることができません

そのため文の中での役割によって、現在分詞なのか動名詞なのかが決まることになります。

  • 現在分詞:動詞と形容詞の性質を合わせ持つ
  • 動名詞:動詞と名詞の性質を合わせ持つ

英文内のing形が名詞(固まり)として扱われる場合は動名詞になります。そうではない場合は現在分詞になるというわけです。

 

現在分詞と動名詞のイメージの違い

同じ形をしているのに現在分詞と動名詞で意味が異なるというのは、英文を直読直解をするにあたって厄介なことです。

ここでは、英文内でing形に出会ったときに、どうイメージを描けばよいかを解説します。

 

まず、ing形を見たら、とりあえず現在分詞の「~しているところ」という行為が進行しているイメージを描きます。前後1秒程度の短い動画のように捉えるとイメージしやすいでしょう。

そのing形が名詞のように感じなければそのままでおしまいですが、名詞だと感じた場合、その進行しているイメージを写真のように切り取って固定化します。

つまり、ing形は現在分詞のイメージ(動画)を基本として、名詞の場合は固定化して動名詞のイメージ(写真)に変えてしまうというわけです。

 

現在分詞のパターン

例文:He is singing.(彼は歌っているところです)

singingは「歌っているところ」という意味で、彼の現在の状態を表しています。特に名詞というわけでもないので、このままのイメージで大丈夫です。

 

動名詞のパターン

例文:Singing is fun.(歌うことは楽しい)

singing の後に is fun と続くことから、singingを名詞として扱う必要があります。写真のように切り取ることで「歌うこと」という意味になります。

 

現在分詞と動名詞の時間軸における志向の違い

現在分詞のイメージは現時点を中心としてそこから先のことを表しやすいので、現在分詞は現在・未来志向のニュアンスを含みます。

それが固定化されて動名詞のイメージになることで、それまでのことを表しやすくなるため、動名詞の場合は過去志向のニュアンスに切り替わります。

同じing形ですが、時間軸における志向が変わることにも注意してください。

 

まとめ:現在分詞と動名詞の違い

現在分詞のコアイメージは「進行、ライブ感」です。

動名詞のコアイメージは「まさにその動き」です。

# 意味 働き 時間軸の志向
現在分詞 ~しているところ 動詞と形容詞 現在・未来志向
動名詞 ~すること 動詞と名詞 過去志向

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コメント

  1. 雪見だいふく より:

    現在分詞と動名詞の違いは、文中で形容詞的な性質を合わせ持つか、名詞的な性質を合わせ持つかで判断できるということがわかりやすかったです。
    時間軸で考えると、動名詞は過去志向、現在分詞は現在・未来志向のニュアンスがあるのも納得がいく説明だと思います。

  2. momodesk より:

    ing形が出た場合の読解方法がとても参考になりました。
    歌っていると歌うことの違いが頭の中で判断出来てさえいれば、現在分詞か動名詞かの区別がつくのだということが良くわかる内容でした。簡単で簡潔にまとまっていて勉強になりました。

  3. 匿名 より:

    たしかに、同じ「動詞の原形+ing形」である現在分詞と動名詞の違いは避けて通れないですね。記事にある時間軸における志向が変わるという説明と、コアイメージにある解説でイメージがつかめました。

  4. 圭輔 より:

    現在分詞と動名詞の違い。なかなか難しい学習項目です。今回の記事を何度か繰り返して読んだのですが、現在分詞のコアイメージ、進行、ライブ感と動名詞のコアイメージ、まさにその動きの違いがちょっと漠然とした感じであり、もう少し解説があればよりよい記事になるのではという感想を持ちました。

  5. さくらランナー より:

    現在分詞と動名詞の違いを再確認できました。普段は余り意識せず使ってしまっていますが、時間軸がそれぞれ、現在&未来、と過去志向と違うというのを視点においておらず新たな発見でした。文法の中では見分けるのが簡単そうと思っていましたが、やはり色々奥が深いです。

  6. あざらし より:

    こちらの内容は少し難しいと感じました。私はやはり文法にネックがあり、難しいと考え込んでしまうのです。そのため、日本語でも難しいと感じる分詞や動詞などの話は理解するまでかなり時間がかかり、今回は何度も何度も記事を読まないと理解できませんでした。しかし、今まで読んだ他の本に比べても、比べものにならないほど分かり易く書かれており、なんとなく理解できたような気がします。絵が沢山あると、イメージしやすいので、とても良いです。

  7. 真っ赤っ赤 より:

    現在分詞と動名詞の違いについて、説明に書いてあった、現在分詞は「現在・未来志向のニュアンス」で動名詞は「過去志向のニュアンス」という覚え方がとても解りやすくて、ハッキリと理解することができ、素晴らしい説明だと感じました。

  8. 匿名 より:

    現在分詞は~しているところ、動名詞は~すること、という意味があるという解説は分かり安かったです。この記事は違いについてを解説していますが、解説中の図解によってとても違いが分かり安くなりました。これからはうまく使い分けていきたいです。

  9. パインdeパイン より:

    文法の中でこの2つの違いが一番ややこしいといっても過言ではない中、丁寧に記事の説明をされていて大変分かりやすいと感じました。覚えるべきところはマーカーで強調し、大切なところはキャラクターや図でインパクトを残しつつ解説されていて素晴らしいと思いました。

  10. まいたけ より:

    このイメージが掴めているかいないかで随分違うものがあると感じます。こう言ったイメージの欠如は受験英語の弊害だとしか思えません。自分がそうでした。素晴らしい説明ありがとうございます。

    • 遠藤雅義(Endo Masayoshi) より:

      コメントありがとうございます! どうしても受験英語は機械的に暗記する感じになってしまって、英語の感覚がつかみにくいですよね。本サイトがお役に立てたようでとても嬉しいです。

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