mustとhave toの違い

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mustとhave toの違いを教えてください!

mustとhave toは学校の置き換え問題でよく出てきましたが、実際にはニュアンスが違うらしいですね。どう違うのか教えてください。

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mustのコアイメージ

mustのコアイメージは「これしかないモノが迫ってくる」です。

mustの主な用法は「義務」「強い確信」「強いオススメ」です。

mustの詳しい解説は次の記事をご覧ください。

「しなければいけない」の意味で有名なmustですが、義務を表す以外に禁止や強い確信、強いオススメなどの用法があります。この記事ではmustのコアイメージから、mustの用法を解説しました。

have toのコアイメージ

have to doの主な意味は「(状況的に)~しなければいけない」です。

have to doは「主語が何かをもっている」(have)と「~するべきこと」(to do)が組み合わさった表現です。

to doは正確には「toによって導かれた先にあるdoという行為」を表しています。「先にある」というイメージから「~するべきこと(義務)」や「これから~すること(予定)」などの意味が生まれています。

そのようなto doをhaveしているわけなので、have to doは「(状況的に)やらなければいけないことがある、これからやることがある」というニュアンスになるわけです。

※to doの表す意味について詳しくは以下の記事をご参照ください。

「to不定詞の3用法ってどういう意味だったっけ?」ーー何度学習しても抜けてしまいがちなto不定詞の用法を、今度こそしっかりつかめるようにイメージで解説しています。不定詞の「不定」とは何なのかについての説明もあります。

mustとhave toの違い

肯定文の場合

I must とI have toの違い

例文:I must be more careful – I have lost my keys.(もっと気をつけなくっちゃ…。鍵をなくしてしまったんだよ…)

I must は話し手自身の気持ちを表現しています。

話し手は「私はそうせざるをえない!選択の余地はない!」と感じているわけです。

例文:I have to finish the report.(その報告書を仕上げなければいけない)

I have to は他人(上司や政府など)から要求されていることによく使われます

なお、上司から依頼されたことを明示する場合は、I have to finish the report for the boss. となります。

I must は「私自身の気持ち」という内的要因に焦点があたっています。

一方で、I have to は「客観的な必要性」という外的要因に焦点があたっています。

参考:We must go home early – my mother is ill in bed.(早く家に帰らなくっちゃ…、お母さんが病気なんだ)

参考:We have to pay our taxes (to the government).(私たちは(政府へ)税金を支払わなければいけない)

you must とyou have toの違い

例文:You must attend the meeting.(あなたはそのミーティングに出席しなければいけない)

この表現には指揮命令のようなニュアンスが含まれています。

たとえば、上司が部下にミーティングに出席するように命令しているような感じです。部下(聞き手)には、上司(話し手)がそれ以外の選択肢を考えていないことが伝わります。

例文:You have to attend the meeting.(あなたはそのミーティングに出席しなければいけません)

この表現には「出席しなければいけません」という訳を当てていますが、実際には「出席する必要があります」というニュアンスとの中間くらいの感じです。

たとえば、就職説明会で企業の担当者が応募者に「応募者はそのミーティングに出席しなければいけません(出席する必要があります)」と伝えているようなイメージです。

You mustは「直接的な指揮命令」であり強制的なニュアンスが強い表現です。

一方で、You have toは「状況や規則による誘導」であり必要条件を伝えているような感じになります。

【コラム】mustとhave toのどちらが厳しい表現なの?

私が使っている参考書には「mustのほうがhave toよりも強い表現」と記載されていましたが、インターネットで調べていると「実はhave toの方がmustよりも厳しい表現」と書いてある記事がありました。どちらが正しいのでしょうか?

一般的にmustはhave toよりも強制的なニュアンスが強く出ます。要するに押しの強い表現なので、それをもって強い表現だと言うことができます

一方で、have toは必要条件を伝えているような表現です。その必要条件の水準が高ければ、聞き手からすると大変厳しい表現になるでしょう。

これは三国志の登場人物で喩えるならば、「腕力の強い張飛(must)と状況を整えて策略を巡らせる諸葛亮孔明(have to)のどちらが強いのか?」と聞いているようなものです。

文脈によって強さ・厳しさは変わってしまうので、ご質問に対しては「mustとhave toのどちらが厳しい表現なのかは一概に言うことができない」というのが回答になります。

否定文の場合

例文:You mustn’t attend the meeting.(あなたはそのミーティングに出席してはいけない)

この表現は「出席しないこと」を命令しています。相手に「やってはいけないこと(禁止)」を押し付けているわけです。

例文:You don’t have to attend the meeting.(あなたはそのミーティングに出席しなくてもいいです)

don’t have to doは「(状況的に)~するべきことをもっていない」であり、この例文は「そのミーティングに出席する必要がない(出席しなくてもよい)」という意味になります。

You mustn’tは「直接的な禁止命令」であり強制的なニュアンスが強い表現です。

一方で、You don’t have toは「差し迫った状況にはない」であり必要性がないことを伝えている感じになります。

過去を表す場合

例文:I had to apologize to him.(私は彼に謝らなければいけなかった)

過去の「~しなければいけなかった」ことを表現するときは、have toの過去形had toを使います。これはmustに過去形がないためです。

なぜmustに過去形がないかというと、mustが表しているのは「話し手の現在の(目の前にある)気持ち」だからです。

mustに含まれる「目の前にある」という感覚と、過去形で「現在(目の前)から距離をとる」こととが相容れないため、mustには過去形がないわけです。

まとめ:mustとhave toの違い

mustのコアイメージは「これしかないモノが迫ってくる」です。

have to doの主な意味は「(状況的に)~しなければいけない」です。

表現 意味 備考
I must 私は~しなければいけない 私自身の気持ち(内的要因)
I have to 私は~しなければいけない 客観的な必要性(外的要因)
You must あなたは~しなければいけない 直接的な指揮命令(強制)
You have to あなたは~しなければいけない
あなたは~する必要がある
状況や規則による誘導(必要条件の伝達)
You mustn’t あなたは~してはいけない 直接的な禁止命令(強制)
You don’t have to あなたは~しなくてもよい
あなたは~する必要はない
差し迫った状況にはない(必要性の否定)
I had to 私は~しなければいけなかった mustには過去形がない