なぜクリスマスを Xmas と書くのでしょうか?この記事では Christmas と Xmas について、Xmas の由来から Xmas 表記の使い方について解説しました。また X’mas 表記は間違いなのかどうかについても言及しています。
Xmas と Christmas
遠藤 (街なかを歩きながら)早いもので、もう12月ですね。クリスマスツリーが置かれたり、クリスマスソングが流れたりして、本当にこの時期、街はクリスマス一色という感じですね。
今 そういえば、店頭などで “Merry Xmas” と書かれたものをよく見かけるんですけど、どうしてクリスマスを Xmas って書くんでしょうね?
遠 確かに、そのまま読んだら「エックスマス」ですもんね。それでは今回はクリスマスを Xmas と書く理由についてお話しましょうか。
Xmas の由来
遠 クリスマスは英語で書くと、Christmas です。Christ は「キリスト」、mas は「ミサ・祭礼」を表しています。
今 Xmas が Christmas と同じってことは、X = Christ(キリスト)ってことでいいんでしょうか?
遠 そうです。X はギリシャ語で「キリスト」を意味する Χριστός(読み:クリストス)の頭文字を取ったものなんです。(参考:Xmas – wikipedia)
今 X はクリスチャンにとって、特別なアルファベットなんですね。
遠 うーん、「昔はそうだった」というところですね。昔は、今ほど文字が巷にあふれていませんでした。識字率も低かったですしね。そのような時代には X という一文字で「キリスト」を表すのは、都合が良かったわけです。
今 確かに、わかりやすい目印になりますもんね。でも、「昔は…」ってことは今は違うんですか?
遠 今は X で「キリスト」を表すのは否定的に捉えられています。「キリストを X 一文字に略すのは失礼だ!」と感じる人が増えてきたからですね。
今 ちゃんと正式名称で表示するべきってことですね。
遠 それに X には、数学などで出てくる未知数 x のイメージも含まれます。
「我らを導いてくれる神の子イエス・キリストを未知のもの扱いするなんて許せない!」とも感じさせてしまうようになったのでしょう。
今 うーん、なるほどなぁ~。時代によって、X のイメージが変わってしまったんですね。
Xmas 表記の使用
今 あれっ。それじゃあ、Xmas って表記は英語圏ではなくなってきているんですか?
遠 減ってはきていますが、なくなってはいないです。今でも「広告の見出し」などでは、まだ使われていますよ。
今 良いんですか、それ?
遠 やはり広告にはお客さんに訴求するという目的があるので、デザインを優先しているんでしょうね。ただ、クリスチャンの方々への印象も考えると、Christmas 表記のほうが良いのは間違いないですね。
X’mas 表記は間違い?
今 そういえば、X’mas というアポストロフィ付きの表記もありますけど、これはなんでアポストロフィがついているんですか?
遠 X’mas は日本で一般的に使われていますが、正式な表記ではありません。
今 海外では X’mas 表記はないんですか?
遠 私はほとんど見かけないですね。理由は定かではありませんが、I am を I’m のように短縮するときにはアポストロフィをつけると教えられたため、Christmas を Xmas という略記にしたときにも同じようにつけるものだと感じている人が多いのかもしれませんね。
今 「短縮形」と同じように考えてしまっているってことですね。
まあ、Xmas のように X と mas を続けると、なんとなくバランスが悪く感じられるのはわかる気もします。アポストロフィが挟まっていたほうが、しっくりきちゃうんですよね。
遠 そのあたりは日本人的な感覚も影響しているのかもしれませんね。
今 なるほど。まあ何にせよクリスマスを Xmas と書く理由がよくわかりました。ありがとうございます!
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コメント
X’mas は日本で広まってしまった誤表記ということはまったく知らなかったです。
とても楽しい記事でした。クリスマスについてまた一つ詳しくなることができました。
本当かどうかはわかりませんが、私が聞いたことがあるのは、クリスマスは本来「キリストの(誕生を祝う)礼拝」であるのに対して、日本の商業的クリスマスは「キリストなんて人は知らないけど楽しければいい日」的な広がり方だったので「誰の誕生日を祝っているかわからない」という揶揄的な意味を込めて「Xさん(誰だかわからない人)のお祝い」と化しているから「エックスマス(Xmas)」と言い出した人がいるのだと聞いたことがあります。本当っぽいですけどこれも作り話なのかしら。
Xmasにまつわる色々な話題を興味深くまとめていると思いました。
個人的には十字架だからXの字を当ててるのかとずっと思っていました。そうでないにしても普通にギリシャ語でキリストの事だとは思いませんでしたが。アポストロフィありが日本特有の表記なのは初めて知った気がします。
Xmasという表記は最近の流行りかと思っていたので、そうではないと知りちょっとびっくりしました。否定的な見方もあるという事なので、英語圏の人にカードを書く際には気を付けたいと思います。