
接続詞 but は「しかし」と訳されることが多いですが、「トム以外の全員(everyone but Tom)」「おもちゃではなく道具(not a toy but a tool)」のように、「しかし」では説明できない使い方も数多くあります。
この記事では、それらバラバラに見える but の意味を、コアイメージから意味の樹形図でつなげて解説します。but の本当の姿を、ぜひここでつかんでいってください。
but のコアイメージ
but のコアイメージは「それまでの流れから外す」です。

but と言えば「しかし」が有名ですが、本質は「それまでの流れから外して、別の流れをつくる」であることに注意してください。
but の意味の樹形図
コアイメージを元に、but の主な意味を分類したものが、次の樹形図です。

but の主な意味と例文
しかし、でも

but の「それまでの流れから外す」働きによって、「(そのままいけば◯◯になるところ)実際は××になった」→「しかし、××になった」となります。
このように文脈から自然と逆接を表す「しかし、でも」の意味が出てきます。

例文:He is rich, but he isn’t happy.(彼はお金持ちだが、幸せではない)
but は「しかし、でも」という意味。
「お金持ち」であれば、普通は「幸せ」であるはず。そこに but を使うことで、別の流れに移して、「しかし、幸せではない」とつなげています。
(テストは難しかったが、受かった)
I called her, but she didn’t answer.
(彼女に電話したが、出なかった)
She was tired, but she kept working.
(彼女は疲れていたが、働き続けた)
~以外、~を除いて

but の「それまでの流れから外す」働きを名詞に対して用いると、「その名詞全体からある一部を除いて」という意味になります。

例文:Everyone but Tom passed the exam.(トム以外の全員が試験に合格した)
Everyone but Tom で「トム以外の全員」という意味。
Everyone(全員)の集合から Tom(トム)だけを外す、つまりトム以外の全員が試験をパスした、というわけです。
なお、この場合、but は名詞 everyone に対して用いられているだけなので、逆接のようには働かず、文全体の流れは Everyone (but Tom) passed the exam. で変わらないことに注意してください。
(あなた以外、誰もその真実を知らない)
She eats nothing but vegetables.
(彼女は野菜しか食べない)
There was no one in the room but me.
(部屋には私以外誰もいなかった)
I had no choice but to wait.
(待つしか選択肢がなかった)
~ではなく

but の「それまでの流れから外す」働きと否定を組み合わせることで、
・それまでの流れ=否定
・別の新しい流れ=正しい
という対比表現をつくることができます。

例文:This is not a toy but a tool.(これはおもちゃではなく道具だ)
not a toy but a tool は「おもちゃではない、道具である」という意味。
This is not a toy で「これはおもちゃではない」という否定の流れをつくり、そこに but a tool で別の流れ「道具である」をつくって、対比を表しているわけです。
(問題はお金じゃなくて時間だ)
She wasn’t angry but disappointed.
(彼女は怒っていたのではなく、がっかりしていた)
He didn’t laugh but cried.
(彼は笑わずに泣いた)
I came here not to complain but to help.
(文句を言いに来たのではなく、手伝いに来たんだ)
~だけでなく…も

否定+対比(not ~ but …)の応用表現が not only A but also B です。
これは前半部分の not only A で「Aだけではない」と述べたうえで、後半部分の but also B で別の流れをつくり「Bもまた」とつなげているわけです。

例文:This book is not only fun but also useful.(この本は面白いだけでなく役にも立つ)
not only fun but also useful は「面白いだけではなく、役にも立つ」という意味。
This book is not only fun で「この本は面白いだけではない」と述べたうえで、but also useful で別の流れ「役にも立つ」をつくって、追加しているわけです。
(彼女は英語だけでなくフランス語も話します)
She not only sings but also dances.
(彼女は歌うだけでなく踊りもする)
Not only students but also teachers joined the event.
(学生だけでなく先生もそのイベントに参加した)
まとめ
but のコアイメージは「それまでの流れから外す」です。

コアイメージを元に、but の主な意味を分類したものが、次の樹形図です。

| 意味 | 例文 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| しかし、でも | He is rich, but he isn’t happy. | 彼はお金持ちだが、幸せではない |
| ~以外、~を除いて | Everyone but Tom passed the exam. | トム以外の全員が試験に合格した |
| ~ではなく | This is not a toy but a tool. | これはおもちゃではなく道具だ |
| ~だけでなく…も | This book is not only fun but also useful. | この本は面白いだけでなく役にも立つ |




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