英語の過去形のおさらいをしましょう。この記事では、past のイメージを元に、過去形の意味・用法(「過去の行為」「過去の状態」「丁寧さ」)について解説しました。また「過去形と現在完了形の違い」についても言及しています。
過去形とは
「過去形」は英語で past form といいます。past はもともと動詞 pass(そばを通り過ぎる)の過去分詞 passed が変化したもので、ここから past のイメージは「遠くに離れている」となります。
過去形の用法は「過去の行為を表す」「過去の状態を表す」「丁寧さを表す」です。
それでは具体的な例文を挙げて、過去形の用法を確認しておきましょう。
過去形の意味・用法
過去の行為を表す
例文:I visited the town last year.(私は昨年、その街を訪れました)
visited が過去形で、「昨年、その街を訪れました」と過去の行為を表しています。
過去の状態を表す
例文:I lived in Tokyo.(私は東京に住んでいました)
lived が過去形で、「東京に住んでいました」と過去の状態を表しています。
過去形のポイントは「離れている」なので、「現在とは違う」というニュアンスも含みます。このあたりは日本語と共通していますね。
丁寧さを表す
英語における依頼表現では、過去形にすることで丁寧さを表すことができます。現在形の場合と比較して確認してみましょう。
例文:【現在形】Will you go to the supermarket for me?(おつかいに行ってくれますか?)
例文:【過去形】Would you go to the supermarket for me?(おつかいに行ってくれませんか?)
Will you …? は「~してくれますか?」という意味です。ストレートな表現であり、聞く人によっては依頼というよりは命令に近いと感じるかもしれません。
Would you …? は「~してくれませんか?」という意味です。will を過去形にすることで、目の前の状況から距離を取ってニュアンスをやわらげているわけです。
※現在形についての詳細は「現在形の意味・用法まとめ」をご参照ください。
過去形と現在完了形の違い
過去形と現在完了形の違い、わかりにくいですよね。過去形と現在完了形の使い分けのポイントは「言いたいことが現在のことなのか過去のことなのか」です。
- 言いたいことが現在のこと→現在完了形
- 言いたいことが過去のこと→過去形
過去形と現在完了形の違いを例文で確認してみましょう。
例文:I had dinner with Taro last night.(昨晩、太郎と晩御飯を食べました)
had が過去形で、「昨晩、晩御飯を食べました」という過去の行為を表しています。
言いたいことは過去のことであって、現在どうなのかを言いたいわけではありません。
例文:I‘ve had dinner, so I’m not hungry now.(晩御飯は済んでいるので、いまはお腹が空いていません)
have had が現在完了形で、「晩御飯を食べた状態をもっている」という結果を表しています。
言いたいことはそれに続く「いまお腹は空いていない」という現在のことなので、現在完了形が使われているわけです。
※現在完了形についての詳細は「現在完了形の意味・4用法まとめ」をご参照ください。
過去形の意味・用法まとめ
過去形の用法は「過去の行為を表す」「過去の状態を表す」「丁寧さを表す」です。
用法 | 例文 | 意味 | 備考 |
---|---|---|---|
過去の行為を表す | I visited the town last year. | 昨年、その街を訪れました | |
過去の状態を表す | I lived in Tokyo. | 東京に住んでいました | 「現在とは違う」ニュアンスを含む |
丁寧さを表す | Would you go to the supermarket for me? | おつかいに行ってくれませんか? | 距離を取ってニュアンスをやわらげている |
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コメント
基礎を押さえつつ、受験にも必要な応用にも対応してあって分かりやすいなと思います。
現在完了形と過去形の違いの説明がわかりやすかった。現在のことを言いたい時に使うというのはイメージがつきやすい。ただ、例文が1つだけだったので、もう少したくさんあるともっと嬉しいしわかりやすいだろうと感じました。
過去形の形をしていても意味や用法が違うときがあるので、勘違いするときが時々あります。今回の記事では、わかりやすい絵と丁寧な解説で説明されているので、読むだけで「なるほど!」と思いました。特に、”過去形と現在完了形の違い”はわかりやすかったです。
過去形と現在完了形の違いという項目で、すんなり理解できました。
分かりやすかったです。2つの違いを理解することができました。もっと早くこの記事に出会っていたかったと思いました。
過去形のイメージが「遠くに離れている」であることが分かり、大変勉強になりました!
過去形の用法の中に、丁寧さを表すものがあるというのは、意外な盲点だなと感じました。
過去形そのものを英語として捉えたことがなかったので、冒頭の解説はとてもイメージしやすかったです。
英語を学ぶ上での基本的な項目内容でしたが、復習だけでなく新しい目線で過去形の用法を学べました。特に、Will youよりもWould youの方が丁寧な表現になるのはその距離感からというのは意識したことがなかったので大変ためになりました。