現在分詞の研究「確実な予定」「未来進行形」ーコアイメージと例文解説

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過去分詞(-ed) と比べると現在分詞(-ing) は「進行・ライブ感」でだいたい理解できますが、「確実な予定」を表す用法など「進行・ライブ感」では理解が難しいものもあります。そのような理解が難しい用法を取り上げて解説します。

▼元記事

多くの方にとって過去分詞のイメージは「~された」だと思います。しかし、実は「~し終えた」というニュアンスのほうが強いのです。この記事では、to不定詞と現在分詞と過去分詞の違いをイメージを元に説明します。

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現在分詞のコアイメージ

現在分詞のコアイメージは「進行・ライブ感」です。

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ポイントは「着手済だが未完了」というニュアンスがあることです。このニュアンスがどのように反映されるのか例文で確認してみましょう。

中学英語イメージリンク

【基礎編】現在進行形の例文解説

現在進行形で「確実な予定」を表す理由

Taro is going camping tomorrow. 太郎は明日からキャンプです。

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この例文は現在進行形(be動詞+現在分詞)で「確実な予定」を表しています。しかし、どこから「確実な予定」のニュアンスが発生しているのでしょうか?

その答えは、

  • 「着手済」⇒「思いつきではない確実さ、事前の計画性」のニュアンス
  • 「未完了」+「未来時[01]tomorrowという未来の時点を表す単語」⇒「予定」のニュアンス

が発生しているのです。

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この場面における「着手済」とは、キャンプに向けて「バスの貸し切り」や「キャンプ場の予約」、「予定表作り」など具体的な準備が既に行われているイメージです。

また「未完了」とは、キャンプに向かい終えてはいない[02]“Taro went camping.” とはまだ言えないということです。これと「未来の時点を表す単語tomorrow」が組み合わさることで、キャンプに向かうことが「予定」だとわかるわけです。

現在進行形で「確実な予定」を表す用法を使いこなす

上記の解説がわかったとしても、これだけで使いこなすのは難しいものです。そこで逆のアプローチで考えてみたいと思います。

あなたが手帳に予定を書き込もうとしている場面を想像してください。その予定は既に準備が進んでいます。そのとき「この予定は着手済だな」と感じたら、現在分詞(-ing) を使って予定を書き込むのです。

【例】
あなたは同僚との飲み会の予定を手帳に書き込もうとしています。既にお店も予約しています。このとき「この予定は着手済だな」と思いながら “drinking with colleagues” と手帳に書き込むわけです[03]be動詞はよく省略されます

実際に「着手済だな」と思いながら現在分詞(-ing) 繰り返し書いていると、現在分詞(-ing) の感覚がつかめてくると思います。ぜひトライしてみてください。

現在進行形のその他の用法について

現在進行形には他に「一時的な行為を表す」用法と「反復的な行為を表す」用法があります。お互いに真逆のようですが、これは次のように考えるとわかりやすいと思います。

基本は現在分詞の「着手済だが未完了」のニュアンスがあり、その上で

  • いつかは完了することが見込まれる場合⇒一時的な行為
  • まったく完了しなさそうだと感じた場合⇒反復的な行為

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【応用編】未来進行形の例文解説

現在分詞の応用編として、未来進行形(will be+現在分詞)の用法で理解しにくいものを解説します。

未来進行形が「自然な成り行き」を表す理由

Taro : I‘ll be wearing my hat. 太郎「帽子はかぶっていくから大丈夫」

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この未来進行形は「自然な成り行き」を表しています。このセリフは小学生の太郎がキャンプに持っていく荷物を母親と一緒に確認している場面のもので、太郎は母親に対して「これまでの習慣から自然と帽子はかぶっていくだろう(=帽子に関しては忘れないから大丈夫)」と言っています。

しかし、この例文を訳せと言われたら「帽子をかぶっているところでしょう」と訳す方が多いのではないでしょうか。なぜ「これまでの習慣から自然と帽子はかぶっていくだろう」という意味になるのか、解説を加えたいと思います。

まず will のコアイメージは「確信度の高い思い」です。ただし、入念に考られたものではなく「その場の思いつき」というニュアンスです。

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未来進行形ではwillの「その場の思いつき」のなかでbe+現在分詞のイメージが描かれることになります。しかし、「その場の思いつき」のなかで描かれる「着手済だが未完了なこと」とは、どんなものなのでしょう

さきほど現在分詞の「着手済」から「思いつきではない確実さ」のニュアンスが発生していると述べました。その場で思いついた内容が「思いつきではない確実なこと」である。そのようなものとして「これまでの経験や習慣などから自然とそうなること」が挙げられます。

パッと想像したことでも、いつも大体そうなっていることであれば確かだというわけです[04]逆にいえば、厳密にひとつひとつの段階を意識したうえでの確かさではないということです。このようにして未来進行形に「自然な成り行き」というニュアンスが発生していたわけなのです。

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未来進行形が「丁寧に相手の予定を聞く」用法として使われる理由

Will you be having dinner at home? 今晩は自宅で夕食をとる予定ですか?

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この未来進行形の疑問文は、相手に「事前の計画性」を尋ねています。

しかし、この例文も訳せと言われたら「自宅で夕食をとっているところのつもりでしょうか?」と訳す方が多いのではないでしょうか。この訳では意図が不明瞭になってしまうので、ここでしっかり理解しておきましょう。

ポイントはやはり「着手済だが未完了」です。willで「相手の思い」を尋ねるわけですが、「着手済」と組み合わさることで「相手が事前に計画していたこと」というニュアンスが発生しているのです。

また「思い」と「未完了」が組み合わさることで、「予定」のニュアンスが発生します[05]普通の会話ではtonightなしで今晩の夕食であると解釈されます。tonightを明示すると、「今晩は」が強調されて伝わる可能性があります。この2つから「事前に計画していた予定」について相手に尋ねるというニュアンスが発生していたわけです。

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進行形に関する文法書の説明

ここまで見てきた進行形の用法について、これまでの英文法の参考書がどう説明してきたかを確認してみましょう。

(2) I will be meeting him at the airport next week. 来週、彼を空港に迎えに行くことになっている。

<will be+動詞のing形>で、「(何らかの都合で)未来のある時にする予定に決まっている動作」を表すこともある。(2)のように、「来週」という幅のある時間とwill be -ingを組み合わせたときは、「そういう行動を起こすことに決まっている」という内容を表す。
…(中略)
<will be+動詞のing形>は、主語の意志と関係ないことについて使うのがふつう。

『Forest 6th edition』 P.72より

このように脈絡もなく突然導入されるのが一般的です。しかし、英語ネイティブが何の理由や感覚もなしに、未来進行形を「そういう行動を起こすことに決まっている」ものとして使えるようになるはずがありません。

私たち日本人にも理解できる何かがあるはずであり、その正体こそ現在分詞に含まれていた「着手済だが未完了」だったのです。

これまでの参考書で「計画」や「予定」を突然導入せざるを得なかった理由は、「進行」という日本語のせいだと私は考えています。

日本語の「進行」は「進んで行く」であり、現在を中心として未来に向けて使われるイメージの言葉です。しかし、英語の現在分詞(-ing)は現在を中心としつつも、着手済(前)から未完了(後)までイメージに含んでいるのです。

現在分詞で「計画や予定を表す」という説明が唐突なものになっていたのは、日本語の「進行」から「前後」の部分[06]特に「前」の部分が抜けてしまっていたからだったのです。これは海外の文法用語を訳した日本語に引きずられてしまった好例ですね。

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注釈

注釈
01 tomorrowという未来の時点を表す単語
02 “Taro went camping.” とはまだ言えない
03 be動詞はよく省略されます
04 逆にいえば、厳密にひとつひとつの段階を意識したうえでの確かさではないということです
05 普通の会話ではtonightなしで今晩の夕食であると解釈されます。tonightを明示すると、「今晩は」が強調されて伝わる可能性があります
06 特に「前」の部分
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