please の使いすぎには気をつけて!please の本当の意味、ネイティブの感覚とは…

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pleaseって言えばなんでも済むと思って!いい加減にしなさい!!

pleaseを「どうぞ~ください」で覚えていませんか?この日本語訳で覚えてしまうと、不適切な場面でpleaseを使いすぎてしまったり、言うべきときにpleaseが抜けてしまったりしがちなのです。今回は多くの日本人の皆さんが間違えて使っている please について、編集部の遠藤、今井、ビッキーの対談形式で解説します。

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please を連発している注意書き

今井 この前、ホテルの大浴場の脱衣所で注意書きを何気なく読んでいて「なんだこれ?」ってなったんです。これ見てもらえます?

遠藤 パッと見た感じだけど、please だらけだね。ビッキーは違和感ある?

ビッキー 違和感ありますね。please の使いすぎで、読んでいてなんだか疲れます

 どんなふうに違和感があるかな?ふたりとも英語ができるわけなんだから、それぞれ意見を聞かせてください。

please のイメージ

 例えば、親戚の口うるさいおばさんの家に泊まりに行ったような感じで、すごく丁寧なんだけど、「何々はしないでくださいますか…」「何々はしないでもらえるかしら…」といやらしく禁止されてるような印象を受けます。まあ、一言でいえば「うっとうしい」ですね(笑)

 私は英語ネイティブだから、うまく説明できないです…。ただ言えるのは、please は politeness(丁寧)を表す言葉ですけれど、ネイティブはこんなに使わないってことですね。もちろん、私は日本に長いこと住んでいるので慣れてしまったところはありますけど…

please の意味をコアイメージから理解する

 自分の母語については説明しにくいですよね。では、解説していきましょう。まず、この please なんだけど、実は “if it please you” が省略されたものです。

 「こんにちは」が「こんにちは良いお日柄で」などの省略だってのと同じような感じですね。

 そうだね。で、動詞の please のコアイメージは「受け入れてもらう、喜ばせる」で、次のようなイメージなんです。

 だから、“if it please you” は「もし、あなたが受け入れてくれるならば」とか「もし、それがあなたを喜ばせるならば」といったニュアンスを表しています。

please の意味は「どうぞ~ください」ではない?

 「どうぞ~ください」じゃ、だめなんですか?

 その日本語訳でしっくりくることもあるけど、ズレているときもあるんだ。ポイントは日本語訳「もしあなたが受け入れてくれるならば」からもわかるように、相手に決定権がある(相手が選べる)ことを明示することにあります。

 だから、相手に決定権がない(相手が選べない)ようなものに please を使うと違和感が発生してしまうってわけだね。ビッキー、さっきの注意書きのなかで please を使っているけど違和感がない例文ってある?

 ”Please put away your things when you finish taking a shower.” これは大丈夫です。「シャワーが終わったら、あなたの荷物は除けておくようにお願いします」ということですが、これはルールというよりもモラルの話なので、違和感がありません

pleaseの事例1:男友達から言われた please のニュアンス

 あっ!いまの話を聞いてわかったことがあります。むかし、仲の良かったネイティブの友だちと飯を食っていた時に、そいつから “Pass me the salt, please.” って言われて、ちょっとイラッとしたことがあるんです。

 これは「塩を取ってよ。もし君が受け入れてくれるんであればね」のような感じだった、ってことですね。もちろん、そのネイティブもわざと「プリ~ズ」って言ってたんで、その言い方だけでもイラッとしたんですけど。

 please を加えることで相手に決定権を委ねる(相手が選べるようにする)ってことは、言われる方からすれば自分が試されているようなものだからね。

 目の前にある塩を取って渡すのは大したことないわけで、仲の良い友だちがそんな行為にわざわざ please をつけてくるってことは、おちょくってきているわけだね01)これは男同士の「じゃれあい」であり、一般的に “Pass me the salt, please.” が失礼にあたるわけではありません。

 ビッキーもこんな状況だったら please はつけないよね?

 私は友だち相手であれば please はつけないですね。もちろん知らない人や仲がそこまで良くない人に対しては please をつけますよ。あとはお店の雰囲気にもよりますね。

pleaseの事例2:習慣として使われる please

 あっ、でも知り合いのネイティブで、親のしつけが厳しかった女の子がいるんですけれど、その子は誰にでも please をつけてますね。ただ、その子も特別な意図があるわけじゃなくて、習慣になっているだけって感じですから、みんな特にイラッとしたりはしてないと思います。

 なるほど。その人の性格によるところも大きそうだね。

pleaseの適切な使い方:違和感のない注意書きにするために

 話を脱衣所の注意書きに戻すけれど、ビッキーだったら please を使いすぎている例文をどう直しますか?

 ”Don’t dye your hair.” とか “Don’t eat or drink here.” とか “Don’t swim in the bathtub.” ですね。禁止事項はシンプルに Don’t でオーケーです。失礼にはあたりません。Don’t 以外だと No を使いますね。”No eating or drinking here.” のような感じです。

 オーケー。本日の話をまとめると、大浴場の利用ルールを決める管理人が何か禁止したいことを伝える時は、please をつけずにそのまま Don’t や No で大丈夫だってことですね。

 わかりました。ありがとうございましたー。

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注釈   [ + ]

01. これは男同士の「じゃれあい」であり、一般的に “Pass me the salt, please.” が失礼にあたるわけではありません。

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Masayoshi Endo
英語と日本語の研究をしています。専門分野は認知言語学です。著書は『英会話イメージリンク習得法』『英会話イメージトレース体得法』、英会話教材『英会話エクスプレスシリーズ』。英会話エクスプレス出版代表。日本認知言語学会所属。