大人のやり直し英語にピッタリの英文法参考書を対談形式でご紹介します。
今井 この前、僕の友だち(20代男性)から「英語をやり直したいんだけど、どの参考書がいいの?」って聞かれたんです。
僕は「本屋に行って、参考書の棚で一番目立っているものを買えばいいんじゃない」って適当に答えたんですけど、「おすすめを教えてほしい」って粘られてしまってですね。一旦、保留にしているんですが、何かおすすめの参考書とかありますか?
遠藤 英語のやり直しと言っても幅広いですが、ご友人の方はどういう理由で何を学び直したいんでしょうか?
今井 仕事で海外の取引先の人たちとオンラインミーティングをすることがたまにあるらしいんですが、何を言っているのかよくわからないらしいんですよね。それで中学校で習うくらいの英文法をとりあえずやり直したいんだそうです。
遠藤 なるほど。では、大人が学び直すのにピッタリな英文法の参考書を4冊ピックアップして、どういう人に向いているのかや特徴などを説明していきますね。取り上げた中には私の著書も含まれていますが、ちゃんと理由があるので、予めご了承ください。
今井 りょうかいです。遠藤さんの本に関しては、少し割り引いて話を聞けばいいんすね。
遠藤 そのあたりはお任せしますよ(笑)
英文法の参考書を4つに分類
遠藤 英文法の参考書をあげる前に、「細かい解説 vs ざっくり解説」「学校英文法 vs イメージ英文法」という2つの評価軸を準備しておきますね。
今井 えーと、たとえば、4つに分けたうちの右上部分は「解説が細かくて、イメージ英文法の参考書」ってことですかね。
遠藤 そういうことです。
今井 自分で言っておいてなんですが、「イメージ英文法」って何ですか?
遠藤 イメージで英文法を解説しているスタイルの本ってことです。後でもう少し詳しく説明しますね。
今井 りょうかいです。ちなみに、反対側にある「学校英文法」は学校で習ったのと同じような解説スタイルの本ってことですね。
遠藤 うん、その通りです。さて、4つに分けたところに1冊ずつおすすめの英文法参考書を置くと次のようになります。
それでは、ここから評価軸と合わせながら、それぞれの参考書がどういう人に向いているのかや特徴を説明していきますね。
細かい解説 vs ざっくり解説
遠藤 「細かい解説」側にある参考書は、英文法の基礎はそこそこ覚えている方で、細かいところをつぶしていきたい場合にピッタリの本です。
今井 あー、英語を学び直す人の中にはそういう人もいるか……。でも、多分ですけど、僕の友だちはそっち側の人間ではない気がします。
遠藤 その場合は「ざっくり解説」側にある参考書ですね。こちらは、英文法の基礎から学び直したい方で、一通り終えて全体をつかみたい場合にピッタリの本です。
今井 初心者さんレベルだと、その本を読み終えられるかどうかが重要ですよね。
遠藤 そうですね。特に最初から内容が難しすぎると、最初の数ページから先に進めない……みたいなことになりかねません。その意味でも、今回「ざっくり解説」側に取り上げた2冊は最初からパパっと読み進められるので、大丈夫かなと思います。
学校英文法 vs イメージ英文法
遠藤 「学校英文法」側にある参考書は、学校英語で大丈夫だった方向けです。挿絵としてイラストも載っていますが、英文法の解説はテキストが主体になります。学習内容はどちらかというと英文読解に活用しやすいと思います。
今井 うーん。僕の友だちがどうなのかはちょっとわからないですね。学校英語に違和感がなかったら、「学校英文法」側を選んで問題ないってことですね。
遠藤 もちろんです。もし、学校英語だと手応えがなかったり、腑に落ちないことが多かったという場合は「イメージ英文法」側がおすすめです。
今井 あー、僕はそのタイプですね。英文法の解説で「ルールの例外」なんかが出てくると、ただでさえ意味のわからないルールなのに、さらに訳のわからないことを覚えないといけなくなって、やる気が失せてしまうんですよね。
遠藤 とりあえず丸暗記してしまうのも悪くはないのですけどね。ただ、今井くんの言うこともよくわかります。
今井 僕の中で機械的に処理する感じになるので、英語から人間らしさが感じられなくなっちゃうんですよね。
遠藤 うん、それは確かに問題ですよね。その点、「イメージ英文法」側の参考書はイラストを用いて英文法を解説しているので、英文法においても人間らしさが感じられると思います。英会話にも応用しやすいですね。
それぞれの英文法参考書の特徴
遠藤 ここまで評価軸を中心に、どういう人に向いているのかを説明してきました。ここからは、それぞれの英文法参考書の特徴を簡単に述べていこうと思います。
今井 友だちに伝えやすいように一言二言くらいでお願いします!
遠藤 『Evergreen』は解説項目の網羅性が高いです。要するに、細かいところまで解説してくれているってわけですね。学校英文法の参考書のデファクトスタンダードだと言ってよいと思います。
『一億人の英文法』は親しみやすい語り口調の解説です。著者はNHKラジオ英会話などで活躍されている大西先生です。本書に掲載されている英単語のコアイメージは、わからなくなったときに立ち返る場所として活用したいところですね。
『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』はポイントをおさえた解説と演習問題がセットになっています。また、本書に関しては解説動画が公開されており、これがまた大変秀逸です。ぜひ活用してほしいです。
『中学英語イメージリンク』は英語だけでなく日本語との違いも解説しています。英文法の解説もルールをぶん投げるのではなく、「大元の考え方がそうだったら、確かにそうなるよな」とご納得いただけるものになっていると思います。
今井 『中学英語イメージリンク』については、僕も関わっているので話半分で聞いてほしいですが、ぶっちゃけうまくまとまっていると思います。まあ、表紙がかわいいくせに、内容がすごく硬派なんで、表紙にだまされないでほしいですね(笑)
遠藤 今回は大人の学び直し英語に適していると思う英文法参考書を4冊ピックアップして、どういう人に向いているのかや特徴を説明しました。ご友人の方の参考になると嬉しいです。
今井 評価軸による分類、わかりやすかったです。友だちに伝えておきますね。ありがとうございました。
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