hear と listen の違い

このページの読了時間:約355

突然ですが、クイズです。次の英文の( )には hearlisten が入りますが、どちらがどちらに入るでしょうか。

問題:I was (    ) to the radio when I (    ) the phone ring.(電話の呼び出し音が聞こえてきたとき、私はラジオを聞いていました)

英語で「聞く」を表す hear と listen ですが、どう違うのかわかりにくいですよね。この記事では、hear と listen のコアイメージを元に、hear と listen の違いを解説しました。

中学英語イメージリンク

hear と listen のコアイメージ

hear のコアイメージ

hear のコアイメージは「耳にする」です。

意識する・しないに関わらず、耳に入ってきた音を聞くことです。

listen のコアイメージ

listen のコアイメージの「(耳を傾けて)聞く」です。

主体的に音や言葉を聞きにいくイメージです。

hear と listen の違い

正解:I was listening to the radio when I heard the phone ring.(電話の呼び出し音が聞こえてきたとき、私はラジオを聞いていました)

I was listening to the radio は「ラジオに耳を傾けていた」です。お気に入りのラジオ番組を聞いているようなイメージです。

I heard the phone ring は「電話の呼び出し音を耳にした」です。自然と呼び出し音が耳に入ってきたイメージです。

このように hear は「受け身的に聞く」、listen は「主体的に聞く」という大きな違いがあります。

imagelink_banner1

hear と listen の主な用法

hear と listen の違いは以上ですが、もう少し詳しく hear と listen のイメージを見ていきましょう。

hear の主な用例

例文:Can you hear me?(声は聞こえていますか?)

「私の声が、あなたの耳に入っていってますか?」というイメージです。

例文:I’ve heard that you live on your own.(あなたは一人暮らしをしているんだってね)

hear は「うわさ話を耳にする」という意味でも使われます。

listen の主な用例

例文:Are you listening to me?(私の話を聞いているの?)

当然、このセリフは「私の話を聞いていないでしょ!」というニュアンスのものです。「耳を傾けていない、注意を払っていない」そのような姿勢を批判しているわけです。

例文:You should listen to my advice.(あなたは私のアドバイスを聞き入れるべきだ)

listen には「耳を傾ける」ことから「聞き入れる」という意味も派生しています。

hear と listen の注意点

演奏や講演などを「聞く」場合は、どれほど積極的に聞いていたとしても listen ではなく hear が用いられます。

これはどちらが主導権を握っているかという感覚に由来しています。

たとえば、ライブなどでアーティストが聴衆に向かって「次はどの曲が聞きたい?」と問いかけるときは “What do you wanna(=want to) hear?” と hear が用いられます。

これはあくまで主導権をアーティストが握っていて、聴衆は音楽や演奏を聞こえるままに受け取るという構図があるからです。

一方で、通勤電車に乗ってイヤホンを耳にいれながら「音楽でも聞こうっと」とつぶやくときは “I’m going to listen to music.” と listen が用いられます。

これは自分で音や言葉を選び取ることができるからこそ使える表現であり、嫌なら聞かないようにすることもできるわけです。

imagetrace_banner1

まとめ:hear と listen の違い

英単語コアイメージ違い
hear耳にする受け身(受け取る)
listen耳を傾ける主体(選び取る)

【英語教材・英会話教材をお求めの方へ】

基本的な英単語のコアイメージをつかむことはとても大切!一日一つ基本英単語のコアイメージを学んでいける『英会話エクスプレス6ヶ月コース』で、無理なく英語のイメージを貯金していきましょう。

おすすめ英会話教材 英会話エクスプレス

この記事のURLとタイトルをコピーする

シェアする

コメント

  1. 匿名 より:

    hear は「受け身的に聞く」、listen は「主体的に聞く」というのはとてもわかり易かったです。
    しかし、演奏や講演のときは少しむずかしいかなと感じましたが、主導権を握っているかという表現により、受け身か主体的かにつながり、理解出来、説明がとても素晴らしいと感じました。

  2. かえで より:

    最近、日本でもTOEFLやTOEICなどのテストがあるおかげで、以前はよくhearingとされていたものがlisteningに変わった気がします。そのため、なんとなくですが違いを理解していた気になっていましたが、コアイメージを読んだ後は、より理解度が増したと思います。受け身と主体の違いには大変勉強になりました。

  3. 秋金 より:

    hear と listen については、私の理解で合っていました。私がイメージしている通りの記事だったので、一安心。しかし、演奏や講演などを「聞く」場合は hear というのは間違えていたかも。いいところを突いてきますね。

  4. lily より:

    hearとlistenのニュアンスの違いが端的に説明してあり、とてもわかりやすかったです。また、注意点の内容がとてもためになりました。なぜhearを使うのか、なぜlistenが使うのかというポイントが明確に説明されていたのでとても理解しやすかったです。

  5. ゆうま より:

    最初に問題が入っていたので、勉強をしている感覚になり、とても理解度が高くなりました。hearとlistenの違いは比較的簡単なので、ちょっと長い記事だなと感じました。もう少し短くても理解できる内容です。絵だけでも十分わかります。

  6. 団子4兄弟 より:

    学生時代によく試験に出た問題だなと思いました。学生時代に詳しく教えてもらって理解できていたつもりでしたが勘違いしているところもありました。聞き手の立場によって使い分けると覚えておけば分かり安いですね。参考にさせてもらいます。

  7. ダッフィー より:

    heartとlistenの使い分けについては以前から知っていましたが、講演や演奏の際にhearが用いられるということは知っているようで知らないことでした。
    こちらのサイトではいつもこういう「知っているようで知らないこと」との出会いがあるので楽しく読んでいます。