関係代名詞の基本をマスター!who, which, that の使い方と省略ルール

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関係代名詞とは、「私には大阪に住んでいる友だちがいます」のような日本語の文章を、英語でも1つの文で表現するときに使う「つなぎ言葉」のことです。「私には友だちがいます」「その友だちは大阪に住んでいます」という2つの文を1つにくっつける「接着剤」のようなものだと思ってください。

この記事では、関係代名詞 who / which / that について10分でざっくり理解できるように説明します。最後に練習問題も用意しているので、読み終えたらぜひ挑戦してみてくださいね。

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関係代名詞 who

例文1:I have a friend who lives in Osaka.(私には大阪に住んでいる友だちがいます)

a friend who lives in Osaka は「大阪に住んでいる友だち」という意味です。例文における who を「関係代名詞」と呼びます。

この関係代名詞に関することで最も重要なのは、日本語と英語で「説明文をもってくる位置が異なっていること」です。

・日本語:名詞(友だち)の「」に説明文(大阪に住んでいる)
・英語:名詞(a friend)の「」に説明文(who lives in Osaka)

この順番の違いに慣れるために私たち日本人が意識すべきことは、まずは名詞を説明不足なまま放り出すこと(I have a friend)、そしてその後に補足説明を加えること(who lives in Osaka)です。この順番を強く意識してもらえればと思います。

関係代名詞 who の働き

関係代名詞は、説明不足のまま放り出された名詞に対して、補足説明を加えるときの「つなぎ言葉」として使われますが、もう少し詳しく働きを見てみましょう。

① 補足説明をしたい直前の名詞先行詞と呼びます)を吸いこむ。

補足説明用のポップアップをつくり、その中に先行詞の代わりを出現させる。

③ 先行詞の代わりを補足説明文の空いているところに埋め込む

この例文の場合は、「その友だちは大阪に住んでいます」という補足内容なので、その友だち(先行詞)を主語のところに埋め込んで、補足説明の文を完成させます。補足説明したい内容に応じて、埋め込む場所は変わるので注意してください。

関係代名詞という名称について

関係代名詞は次のような2つの働きをしています。

直前の名詞に関係する補足説明を導く→「関係詞」
・補足説明の中で直前の名詞の代わりをする→「代名詞」

平たく言えば、「放り出された名詞の後に説明文をつなぐ、その説明文内で先行詞の代わりをする」ということです。これらの働きを合わせて「関係代名詞」と呼んでいるわけですね。

主格と目的格の関係代名詞

例文2:The boy who you met yesterday is Taro.(昨日あなたが会ったその男の子は太郎です)

the boy who you met yesterday は「昨日あなたが会ったその男の子」という意味です。今回、直前の名詞「その男の子」は説明文内の目的語のところに埋め込まれています。

このように直前の名詞を目的語のところに埋め込む場合、その関係代名詞を「目的格の関係代名詞」と呼びます。

最初の例文1のように、主語のところに埋め込む場合は「主格の関係代名詞」と呼びます。

The woman who works at that bakery is my aunt.
(あのパン屋さんで働いている女性は、私の叔母です)

He is looking for someone who can speak Chinese.
(彼は中国語を話せる人を探しています)

The man who I respect is my father.
(私が尊敬している男性は、私の父です)

She is the actress who I saw on TV last night.
(彼女は私が昨夜テレビで見た女優です)

I thanked the person who helped me.
(私は私を助けてくれた人にお礼を言いました)

関係代名詞 which

例文3:This is a bus which goes to Osaka.(これは大阪に行くバスです)

a bus which goes to Osaka は「大阪に行くバス」という意味です。

関係代名詞は直前の名詞が人か物かによって使い分けます。人の場合は who を、物の場合は which を使います。この場合は直前の名詞が「バス」なので、who ではなく which が使われているわけですね。

 

例文4:This is the book which I bought yesterday.(これが私が昨日買ったその本です)

the book which I bought yesterday は「昨日私が買ったその本」という意味です。

関係代名詞 which の働きは、関係代名詞 who と同じです。この場合は、直前の名詞「その本」は説明文(which I bought yesterday)内の目的語のところに埋め込まれることで、目的語の代わりとして役目を果たしています。

I lost the watch which my grandfather gave me.
(私は祖父がくれた腕時計をなくしてしまいました)

The cake which she made was delicious.
(彼女が作ったケーキは美味しかったです)

This is the train which goes to Kyoto.
(これは京都へ行く電車です)

The dog which has long ears is very cute.
(耳の長いその犬はとてもかわいいです)

He showed me the pictures which he took in Italy.
(彼はイタリアで撮った写真を私に見せてくれました)

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関係代名詞 that

関係代名詞 who, which の代わりに that を使うこともできます。

例文2’:The boy that you met yesterday is Taro.(昨日あなたが会ったその男の子は太郎です)

この関係代名詞 that は who の代わりに使われており、「補足説明を導く」働きをしています。

that は「あれ」という意味が有名ですが、これは遠くを指差すイメージの英単語です。関係代名詞 that は、説明不足のまま放り出された名詞に対して、この名詞については「あれ(補足説明の文)を見て」という感じで続きを導いており、「このあと補足説明の文を続けますよ」という合図になっているわけです。

 

例文3’:This is a bus that goes to Osaka.(これは大阪に行くバスです)

関係代名詞 that は which の代わりにも使えます。that は先行詞が「人」であろうが「物」であろうが使えることに注意してください。

また関係代名詞 that の働きも、関係代名詞 who, which と同じになります。この場合は、直前の名詞「バス」は説明文(that goes to Osaka)内の主語のところに埋め込まれることで、主語の代わりとして役目を果たしています。

The movie that we watched last night was scary.
(私たちが昨夜観た映画は怖かったです)

I’m looking for a bag that is waterproof.
(私は防水のバッグを探しています)

He is the scientist that won the Nobel Prize.
(彼がノーベル賞を受賞した科学者です)

The students that she teaches are very smart.
(彼女が教えている生徒たちはとても賢いです)

Please show me the dress that you bought in Paris.
(あなたがパリで買ったドレスを見せてください)

関係代名詞の使い分け

前述したように 関係代名詞 who, which は that に置き換えることができます。さきほどは例文2、例文3の関係代名詞を that に置き換えたものを確認しましたが、それ以外の例文1、例文4についても見ておきましょう。

例文1’:I have a friend that lives in Osaka.
例文4’:This is the book that I bought yesterday.

まとめると、先行詞が「人」の場合は who か that を使い、「物」の場合は which か that を使います。関係代名詞の使い分けを一覧表にまとめておいたので確認しておいてください。

直前の名詞
(先行詞)
主格 目的格
who/that who/that
which/that which/that
The person who called you is my boss.
The person that called you is my boss.
(あなたに電話してきた人は、私の上司です)

I want to read the book which you recommended.
I want to read the book that you recommended.
(あなたが勧めてくれたその本が読みたいです)

The musician who I met at the party was from Spain.
The musician that I met at the party was from Spain.
(パーティーで会ったその音楽家はスペイン出身でした)

Do you know the coffee shop which has a beautiful garden?
Do you know the coffee shop that has a beautiful garden?
(美しい庭があるその喫茶店を知っていますか?)

英会話イメージトレース体得法

関係代名詞の省略

関係代名詞は省略できるときと省略できないときがあります。基本的に、関係代名詞が目的格のときは省略できて、主格のときは省略できません。

目的格の関係代名詞は省略できる

例文2”:The boy you met yesterday is Taro.(昨日あなたが会ったその男の子は太郎です)

the boy you met yesterday で「昨日あなたが会ったその男の子」という意味になります。このように目的格の関係代名詞は省略できます。

主格の関係代名詞は省略できない

(×)例文1”:I have a friend lives in Osaka.

主格の関係代名詞は省略することができません。

省略可否を分けるポイント

目的格の関係代名詞は省略できて、主格の関係代名詞は省略できないと述べましたが、この省略できるかどうかについて、もう少し直感的にわかるように言い換えておきましょう。

・先行詞の後に名詞が続く場合:省略できる
・先行詞の後に動詞が続く場合:省略できない

ただし、これはルールのようなものではありません。どうしてこのようになるのか、例文2”と例文1”を取り上げてネイティブの感覚を解説します。

先行詞の後に名詞が続く場合

例文2”:The boy you met yesterday is Taro.(昨日あなたが会ったその男の子は太郎です)

英語では、名詞の後には動きを表す単語がくるのがふつうです。そのため、この例文のように「名詞(the boy)→名詞(you)」が続くと、ネイティブは the boy に対する補足説明が始まったんだなと解釈します。

名詞の後に名詞が続くのは明らかにおかしいため、補足説明だと気づくことができるというわけです。

先行詞の後に動詞が続く場合

(×)例文1”:I have a friend lives in Osaka.

この例文では「名詞(I)→動詞(have)→名詞(a friend)→動詞(lives)」となっていて、さきほどの「名詞(The boy)→名詞(you)」のような明らかに流れがおかしいところがありません。つまり、補足説明だと気づくきっかけがないのです。

そのため、どこが補足説明の部分なのか、聞き手が英文の意味から判断しないといけません。これは聞き手にとって負担ですし、意味の取り違えにもつながりかねません。このような理由から、先行詞の後に動詞が続く場合は、関係代名詞を使ってちゃんと補足説明が始まる合図をするわけです。

関係代名詞の省略の練習問題

次の英文について、関係代名詞を省略できる場合は( )に「○」を、省略できない場合は「×」を記入しなさい。また、「○」の場合は、関係代名詞を省略した文を書きなさい。

(1) This is the key which I was looking for.(これは私が探していた鍵です)

( ) __________________

(2) The girl who is playing the piano is my sister.(ピアノを弾いている女の子は私の妹です)

( ) __________________

(3) The movie that I saw last night was very interesting.(昨夜私が見た映画はとても面白かったです)

( ) __________________

(4) He has a cat which sleeps all day.(彼は一日中寝ている猫を飼っています)

( ) __________________

(5) The man who you met this morning is Mr. Tanaka.(あなたが今朝会った男性は田中さんです)

( ) __________________

関係代名詞の省略の練習問題【解答と解説】

(1) This is the key which I was looking for.

( ○ ) This is the key I was looking for.

関係代名詞 which の直後に「名詞(I)」が続いているため、which は省略できます。この which は目的格の関係代名詞です。

(2) The girl who is playing the piano is my sister.

( × )

関係代名詞 who の直後に「動詞(is)」が続いているため、who は省略できません。この who は主格の関係代名詞です。

(3) The movie that I saw last night was very interesting.

( ○ ) The movie I saw last night was very interesting.

関係代名詞 that の直後に「名詞(I)」が続いているため、that は省略できます。この that は目的格の働きをしています。

(4) He has a cat which sleeps all day.

( × )

関係代名詞 which の直後に「動詞(sleeps)」が続いているため、which は省略できません。この which は主格の関係代名詞です。

(5) The man who you met this morning is Mr. Tanaka.

( ○ ) The man you met this morning is Mr. Tanaka.

関係代名詞 who の直後に「名詞(you)」が続いているため、who は省略できます。この who は目的格の関係代名詞です。

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