第43章 関係代名詞

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関係代名詞 who(主格)

例文1:I have a friend who lives in Osaka.(私には大阪に住んでいる友だちがいます)

a friend who lives in Osaka は「大阪に住んでいる友だち」という意味です。

例文における who を「関係代名詞」と呼びます。a friend という名詞の後に who lives in Osaka という関係代名詞が導く節をもってくることで、名詞の補足説明を行っています。

who は疑問詞のときと同じように「はてなボックス」で表しています。この「はてなボックス」がどのように直前の名詞について補足説明するのか、順を追って解説していきましょう。

最初に、はてなボックスは補足説明をしたい直前の名詞先行詞とも呼びます)を吸いこみます。

そして間髪入れず、補足説明用のポップアップをつくり、その中に直前の名詞を出します。

最後に、直前の名詞を空いているところ(補足説明したい内容に応じて、空いている場所が変わります)に収めて、補足説明の文を成立させます。

疑問詞のときと異なるのは、補足説明用のポップアップをつくるところです。

関係代名詞は補足説明が始まる目印になっています

直前の名詞に関係する補足説明を導く→「関係詞」
・補足説明の中で直前の名詞の代わりをする→「代名詞」

これらを合わせて「関係代名詞」と呼んでいます。

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関係代名詞 who(目的格)

例文2:The boy who you met yesterday is Taro.(昨日あなたが会ったその男の子は太郎です)

the boy who you met yesterday は「昨日あなたが会ったその男の子」という意味です。

今回は「その男の子とは、昨日あなたが会った男の子」という内容を補足説明したいので、「その男の子」が入る場所は目的語のところになります。

このように、関係代名詞によって補足説明の文中に出現した名詞が、目的語のところに収まる場合は「目的格の関係代名詞」と呼びます。

最初の例文1のように、主語のところに収まる場合は「主格の関係代名詞」と呼びます。

【補足】who の目的格 whom について

実は who の目的格は whom です。he – him と同じように、who – whom という形になります。そのため、例文2は The boy whom you met yesterday is Taro. が文法的に正しい文になります。

しかし、実際には whom は公文書など限られた場面でしか使われず、口語ではほぼ使われていません。whom の代わりに、一般的には who が使われているので、この解説でも who を使って解説しています。

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関係代名詞 which(主格)

例文3:This is a bus which goes to Osaka.(これは大阪に行くバスです)

a bus which goes to Osaka は「大阪に行くバス」という意味です。

関係代名詞は直前の名詞が人か物かによって使いわけます。人の場合は who を、物の場合は which を使います。

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関係代名詞 which(目的格)

例文4:This is the book which I bought yesterday.(これが私が昨日買ったその本です)

the book which I bought yesterday は「昨日私が買ったその本」という意味です。

【補足】疑問詞の which と関係代名詞の which について

関係代名詞 which は直前の名詞がの場合に使うと述べましたが、疑問詞のときの which(どれ)とは少し意味が違っているように感じられますよね。そのあたりを少し解説しておきましょう。

生徒 疑問詞の which は「どれ」という意味ですよね。「どれなのか決まっていない」ニュアンスが含まれていると思うのですが、どうして関係代名詞として使えるんですか?

先生 関係代名詞の which は、実は最初 “the which” の形で使われていたんです。the によって、どれなのか特定した上で、直前の名詞の補足説明を導いていたのです。いまでは、特定する the が欠落してしまったので、わかりにくくなっているんですね。

先生 which は疑問詞でも関係代名詞でも、「複数ある中から」というニュアンスを含んでいることも知っておくとよいでしょう。

関係代名詞 that

ここまで関係代名詞 who, which について解説してきましたが、これら who, which の代わりに that を使うこともできます。

例文2’:The boy that you met yesterday is Taro.(昨日あなたが会ったその男の子は太郎です)

「関係代名詞の that」は「that節の that」と同じイメージで捉えるとよいでしょう。

that節の that が「内容を導く」働きをしていたのと同じように、関係代名詞の that は「補足説明を導く」働きをします。関係代名詞 that はその後に補足説明がくる目印になっている、とも言えます。

例文2’は例文2の who を that に変えたものですが、それ以外の例文1、3、4においても who や which を that に置き換えることができます。

例文1’:I have a friend that lives in Osaka.(私には大阪に住んでいる友だちがいます)
例文3’:This is a bus that goes to Osaka.(これは大阪に行くバスです)
例文4’:This is the book that I bought yesterday.(これが私が昨日買ったその本です)

関係代名詞の使いわけを一覧表にまとめておいたので確認しておいてください。

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関係代名詞の省略

関係代名詞には省略できるときと省略できないときがあります。それぞれ確認していきましょう。

省略できるパターン

例文2”:The boy you met yesterday is Taro.(昨日あなたが会ったその男の子は太郎です)

the boy you met yesterday で「昨日あなたが会ったその男の子」という意味になります。例文2の who、例文2’の that は省略できるというわけです。

例文4”:This is the book I bought yesterday.(これが私が昨日買ったその本です)

例文4の which、例文4’の that も省略することができます。

省略できないパターン

(×)例文1”:I have a friend lives in Osaka.

さきほどの例文2”と異なり、例文1の who や例文1’の that は省略することができません。

(×)例文3”:This is a bus goes to Osaka.

例文3の which、例文3’の that も省略することはできません。

省略可否を分けるポイント

関係代名詞が省略できるかどうかについて、一般的には「目的格の関係代名詞は省略できる」「主格の関係代名詞は省略できない」と説明されます。

しかし、この説明だけだと、どういうことなのかわかりにくいですよね。もう少しわかりやすく次のように言い換えておきましょう。

・先行詞(名詞)の後に名詞が続く場合:省略できる
・先行詞(名詞)の後に動詞が続く場合:省略できない

■ 先行詞(名詞)の後に名詞が続く場合

英語では、名詞の後には動きを表す単語がくるのが普通です。そのような前提があるので、この例文のように the boy という名詞の後に you という名詞が続いた場合、ネイティブは the boy に対する補足説明が始まったんだなと解釈します。

名詞の後に名詞が続くのは明らかにおかしいため、補足説明だと気づくことができるというわけです。

■ 先行詞(名詞)の後に動詞が続く場合

例文1”には have と lives という動詞があり、1つの文に動詞が2つあることになってしまっています。

2つある動詞のどちらかがメインの動詞であり、もう1つが補足説明内の動詞になるわけですが、この例文1”は「名詞(I)→動詞(have)→名詞(a friend)→動詞(lives)」となっていて、例文2”のように「名詞(The boy)→名詞(you)」のような明らかに流れがおかしいところがありません。つまり、補足説明だと気づくきっかけがないのです。

そのため、英文の意味から「どこが補足説明の部分なのか」を聞き手が判定しないといけなくなります。これは聞き手にとって負担ですし、もっと英文が長くなると意味を捉えること自体が難しくなってしまいます。このような理由から、先行詞(名詞)の後に動詞が続く場合は、関係代名詞を使ってちゃんと補足説明が始まる合図をしないといけないわけです。

※例文1”をネイティブが聞いた場合、たいていの人はわかってくれるとは思います。しかし、あるべき関係代名詞が抜けているという違和感を与えてしまうのは避けられないでしょう。

【補足】関係代名詞の歴史と使用頻度

生徒 関係代名詞として① who/which、② that、③省略という3つを習いましたが、結局どうすればいいんですか?

先生 まず話し言葉と書き言葉で分けておきますね。話し言葉では、③関係代名詞なし(省略)→② that →① who/which の順でよく使います。書き言葉だと、① who/which →② that →③関係代名詞なし(省略)となります。

生徒 どうして話し言葉と書き言葉で変わるんですか?

先生 それを理解するには、関係代名詞がどのようにして生まれてきたのかを知る必要があります。実は、英語の歴史としては「関係代名詞なし(省略)→ that → which/who」という順で登場しているんです。つまり、元々は関係代名詞がなくても通じていたのです。

生徒 それじゃあ、なおさらどうして that や which/who を使うようになったのですか?

先生 その理由は、印刷技術の発展に伴って書き言葉の英語が増えてきたからです。話し言葉では関係代名詞がなくても、ひと呼吸入れたり、素早く続けたりすることで、補足説明かどうかを表せていました。しかし、書き言葉ではそのような呼吸を表現する方法がありません。そこで、補足説明が始まる目印として that が使われるようになったのです。

生徒 なるほど、that は関係代名詞というよりも補足説明が始まる目印だったわけですね。それでは、どうして which/who が使われるようになったのですか?

先生 which や who はそれまで疑問詞として使われていました。疑問詞の働きとして『はてなボックスから「わからないもの」が出てきて、空いている穴に収まる』というものがありましたよね。この疑問詞の働きが補足説明の仕組みにもバッチリ当てはまることに、当時の英文法学者の誰かが気づいたのだと思います。

先生 当時はイギリスの台頭とともに英語も世界に広がっていて、英文法を統一する必要がありました。そういうわけで、疑問詞を流用した形で関係代名詞が正式につくられたわけです。

それに that だと補足説明が始まることはわかりますが、who や which であれば人や物の補足説明であることが一目瞭然です。書き言葉としてのわかりやすさを追求していくと、that よりも who/which のほうが優秀だったわけです。

生徒 印刷技術や時代背景などの影響で関係代名詞は出てきたのですね。

先生 最近は SNS の隆盛に伴って、話し言葉がそのまま書きこまれることが増えていっています。そのため、後世の人が現代英語を研究したら、ずいぶん話し言葉の方に揺り戻されていると感じるかもしれません。このように、その時代の環境に応じて言語もまた変わっていくのでしょうね。

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