第39章 形式主語構文 It is ~ (for …) to do

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ここまで受け身・現在完了と過去分詞を使った表現を見てきました。ここからは to不定詞を使った表現を3回にわたって見ていきます。今回は形式主語構文 It is ~ to do(…することは~です)がテーマです。なぜ it が形式主語として使われるのかに注目して読み進めてください。

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It is ~ to do(…することは~です)

例文:It is interesting to visit foreign countries.(外国の国々を訪れるのは面白いです)

例文における it を「形式主語」と呼びます。It is interesting(面白いです)→ to visit foreign countries(外国の国々を訪れることは)という意味になります。

形式主語

ここでは、どうして it が形式主語として使われるのか、その理由を it のイメージから確認しておきましょう。

it は「それ」という意味で使われる以外に、「前述の物そのものを引き継ぐ it」や「時・天候・状況などを表す it」としても使われます。

・前述の物そのものを引き継ぐ it は「空(から)の容器」のようなもの。
・時・天候・状況などを表す it は「空の背景」のようなもの。

このように it は「」のイメージを含んでいます。そのため、本物の替わりに置かれる形式的な主語としても使うことができるわけです。

形式主語 it と to不定詞

形式主語 it を用いた It is interesting は「面白いです」という意味になります。しかし、主語が「空」なので、これだけでは何が面白いのかわかりません。そこで、to visit …と to不定詞を続けることで、何が面白いのかを説明しています。

形式主語を用いるパターン

形式主語を用いたもので、よく出てくる表現を確認しておきましょう。

・It is easy to do(~することは簡単です)
・It is difficult to do(~することは難しい)
・It is impossible to do(~することは不可能です)
・It is interesting to do(~することは面白い)
・It is nice to do(~することは良いです)
・It is dangerous to do(~することは危ない)
・It is important to do(~することは重要です)

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It is ~ for A to do(…することは A にとって~です)

例文:It is difficult for me to read the book.(その本を読むのは私にとって難しい)

It is difficult(難しいです)→ for me(私にとって)→ to read the book(その本を読むことは)という意味になります。

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ことばの研究室

■ to不定詞を主語にしたらダメなのか?

今井 形式主語についてはわかりましたが、これって最初から to不定詞のところを主語にもってきたらダメなんですか?

遠藤 結論から言うと「文法的には間違っていないけれど、違和感のある表現」ということになります。

今井 どう違和感があるんですか?

遠藤 これを説明するのは少し難しいのですが、次の例文で考えてみましょうか。

例文:To visit foreign countries is interesting.

 今回も to のイメージが重要なので、目の前にいる聞き手に話しかけているつもりで考えてくださいね。

■ to不定詞を主語にしたときのニュアンス

遠藤 to は「矢印と到達点」でしたね。最初に To で言い始めるということは、いきなり「離れたところを指さす」ようなものです。そして、その指さした先にあるのが visit foreign countries(外国の国々を訪れる)ということになります。

 さて、このイメージで、どういうニュアンスを表すと思いますか?

今井 えー、難しいですね。前に to不定詞は「これからのこと」を表すという説明があったと思うので、これからのこととして「外国の国々を訪れることは面白い」みたいな感じですか?

遠藤 いいですね、だいたい合っていますよ。少し補足すると、その場合は「外国の国々を訪れることになれば、面白い」のような条件付きのニュアンスも含まれている感じになります。

 いま挙げてもらったもの以外の解釈の仕方もあるのですが、何か思いつきますか?

今井 うーん、わかりません。

遠藤 最初に To で言い始めた場合、いきなり To で「外国の国々を訪れること」を指さしていることになるので、「あの行為こそが」と特別に取り上げているような感じにもなるのです。この場合は「外国の国々を訪れること、それこそが面白いのである」のように解釈されます。

今井 なんだかちょっと大げさな感じですね。

遠藤 そうですね。この場合は堅苦しくて大げさな表現として受け取られます。

今井 しかし、いま挙げてもらった2つは、ニュアンスが全然違っていますね。

遠藤 文脈によって判断することになるわけですが、少しわかりにくいですね。

■ to不定詞を主語にもってくると主語が長くなる

今井 to不定詞を主語にもってこないのは、ニュアンスにブレがあるからですか?

遠藤 それだけが理由とは言いにくいんですよね。それ以外に、to不定詞を主語にもってくると「主語が長くなる」ので、聞き手の負担が増えるということがあります。

今井 うーん、何かそれ聞いたことありますけど、そんなに負担になります? to不定詞を主語にもってくるくらいなら、大したことないと思うんですが。

遠藤 主語だけの問題ではないんです。第32章の「ことばの研究室」で、英語は「静」と「動」を繰り返して状況を描いていくと説明しましたよね。これに関連するのですが、英語ではなるべく早く「静→動→静」までを提示しておきたいのです。

今井 それは「主語+動詞+目的語」や「主語+動詞+補語」までを早く言いたいってことですか?

遠藤 そうです。とりあえずそこまで言っておいてから、後で足りていない情報を補うのが、英語のよくあるパターンなのです。

今井 なるほど。確かに to不定詞を主語にもってくるよりも、形式主語の it を主語にもってきたほうが、早く「静→動→静」までたどり着けますね。

■ to不定詞を主語にしないのは総合的な判断

遠藤 to不定詞を主語にもってくると違和感があるのは、「ニュアンスにブレがある」ことと「なるべく早く静→動→静まで提示したい」ことという2つの理由があるから、と考えるとよいと思います。

今井 それぞれに違和感ポイントがあって、合計すると許容範囲を超えてしまうって感じですかね。

遠藤 とてもいい表現ですね。その通りです。

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