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What is/are ~?(何?)
ふつうの疑問文:Is that a hotel?(あれはホテルですか?)
What の疑問文:What is that?(あれは何ですか?)
例文に出てくる what を「疑問詞」と呼びます。what は「何」という意味で、イラストでは「はてなボックス」で表しています。(はてなボックスの下の手については後で説明します)
what を用いた疑問文のつくり方ですが、ここでは遠くに見えているホテルがそもそも何なのかわからなかったとして考えてみましょう。
まず、わからないもの(a hotel)を what にして文頭にもってきます。その後は be動詞の疑問文の語順のまま続けます。これで what を用いた疑問文はできあがりです。
さて、what の疑問文をつくる際に、わからないもの(a hotel)を what にして文頭にもってきました。そのため、what の疑問文ではわからないもの(a hotel)が元々あったところが空いてしまっていることになります。
what の疑問文を使うときには、その空いたところをちゃんと埋めるようにすることが大事です。どのように埋めるのか、その流れを3つのステップに分けて説明していきます。
① 最初の What は「何なのかわからないもの(?)があります!」という宣言。宣言と同時に、はてなボックスを下から叩いて、?が出てくるようにイメージする。
② 出てきた?をつかむ。つかんだまま、疑問文 is that を続ける。
③ that の後(わからないものが元々あったところ)に、つかんでいた?を落とす。
これで what を文頭にもっていったことで空いてしまったところがちゃんと埋まり、文の完成となります。what の疑問文に慣れるまでの間は「わからないもの(?)をつかんで、落とす」流れをイメージするようにしてください。
■ What is/are ~? への答え方
疑問文:What is that?(あれは何ですか?)
答え:It is a hotel.(あれはホテルです)
what の疑問文には、Yes や No で答えることはできません。It is ~. などの形で答えます。このとき it が使われる理由は、英語の it は前述の物そのものを引き継ぐことができるためです。
日本語では相手と同じ言葉(ここでは「あれ」)を使うことで、同じ対象物について答えていることを明示しますが、英語では前述の人や物を引き継ぐ代名詞(ここでは「it」)を使うことで、同じ対象物であることを明示するわけです。
What time is it?(何時?)
例文:What time is it?(いま何時ですか?)
what time は「何時」という意味です。「what+名詞」で「何の~」という意味になります。
例文では主語に it が用いられていますが、この it は「時を表す it」と呼ばれるもので、日本語には訳しません。it は他にも天候や状況のような背景的な要素を表すことができます。
■ What time is it? への答え方
疑問文:What time is it?(いま何時ですか?)
答え:It is seven o’clock.(7時です)
答えの It は前述の物そのものを引き継ぐ it ですが、前述の物が「時を表す it」なので、答えの It も結局は「時を表す it」ということになります。
時間の表し方について代表的な表現を挙げておきます。
・ten(10時)
・ten o’clock(10時ちょうど)
・ten fifteen(10時15分)
・ten thirty(10時30分)
What do you ~?(何を?)
ふつうの疑問文:Do you have a pen?(あなたはペンをもっていますか?)
What の疑問文:What do you have?(あなたは何をもっていますか?)
一般動詞の場合も、わからないもの(a pen)を what にして文頭にもってきます。その後は一般動詞の疑問文の語順のまま続けます。
what の後の語順は be動詞でも一般動詞でも同じというわけです。
■ What do you ~? への答え方
疑問文:What do you have?(あなたは何をもっていますか?)
答え:I have a pen.(私はペンをもっています)
What do you ~? に対しては、一般動詞を用いて具体的な内容を答えます。
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ことばの研究室
■ どうして what を文頭にもってくるのか
遠藤 今回は「どうして what を文頭にもってくるのか」について説明しますね。次の例文で考えていきましょう。
例文:What did you eat yesterday?(昨日、何を食べましたか?)
※ did は do の過去形。
今井 そういえば、日本語の場合はわかりやすいですよね。たとえば「昨日、魚を食べましたか?」の「魚」を「何」に変えたらいいだけですもんね。
遠藤 その通りです。日本語だと「何」の疑問文をつくるときに、言葉の位置を変えなくてよいので簡単なんです。
今井 それで、英語の場合はどうして what を文頭にもってくるんですか?
遠藤 さきほどの例文をイラストにしてみましょう。What が「聞き手とのやりとり」に含まれていることがわかるかと思います。
これは、「何?」が聞きたいことなんだと「聞き手とのやりとり」のところで先に提示しているわけです。そして、その後の状況描写で「何」のところを穴埋めするのです。
今井 なるほど。「聞き手とのやりとり」のところに What をもってきているのか。でも「聞き手とのやりとり」のところには、did もありますよ。what が did よりも先にくるのはどうしてですか?
遠藤 did は「それ以降に描写する状況」について尋ねる働きをしているので、状況描写の直前に置いたほうがわかりやすいのだと思います。それに What は「何?」が今回聞きたいことだ、と宣言しているようなものなので、最初に提示した方が聞き手の注意を引きやすいということもあると思います。
今井 なるほど。……しかし、What を最初にもってくる代わりに、後で穴埋めをしないといけないのは厄介ですよね。少なくとも僕は穴があることを意識しながら What を使うなんてことをしていないのですが、やっぱり意識しておいたほうがいいんでしょうか?
遠藤 悩ましいところですね。既にフレーズで覚えてしまっている人にとっては、いまさら意識するようにするなんて面倒ですよね。そういう場合は、疑問詞の疑問文でよくわからない英文に出会ったときに、改めて意識してもらうのが現実的だと思います。
今井 それでいいんですね。
遠藤 文法も英語を理解するための道具ですからね。私は「必要に応じて使う」ということでよいと思っていますよ。