やり直し中学英語 #20『形式主語構文』の動画要約

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やり直し中学英語 #20 形式主語構文 ~なぜ形式主語 it は必要なのか~

中学英語のおさらい解説動画シリーズ、第20回目は『形式主語構文』です。形式主語の it が必要な理由、ご存知ですか? it を置く必要がある背景には、英語の物の見方が隠されていることを解説しました。

※こちらの記事は、中学英語のおさらい動画の内容を要約したものです。

動画内容は書籍『中学英語イメージリンク』に準拠しています。動画とあわせてご活用ください。

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導入・目次

中学英語イメージリンク

形式主語構文の概要

It is interesting to visit foreign countries.(外国の国々を訪れることは面白い)

この例文における it を形式主語と呼びます。

It is interesting で「面白いです」、to visit foreign contries で「外国の国々を訪れること」、合わせて「外国の国々を訪れることは面白いです」となります。

さて、いま述べた形式主語の it とは何者なのでしょうか?

結論から述べると、it は「空の状況」を表しています。この説明だけだといろんな疑問が生じると思いますが、まずは形式主語とto不定詞の構造を先に説明してしまいますね。

It is interesting は it で「空の状況」を置いて、それが「面白い」と述べています。要するに、何かが面白いと言っているわけですが、これだけでは何が面白いのかわかりませんよね。

そこで、to visit と to不定詞を続けることで、その何かとは訪れることだよと指し示しているわけです。つまり、「空の状況」として置いた it の中身を、to不定詞で説明しているのが全体的な構造になるわけです。

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形式主語構文よくある質問

形式主語構文の概要については以上なのですが、これだけだと、いろんな疑問が生じていることと思います。そこでよく聞かれる質問を3つ取り上げたいと思います。

1.it は「空(から)」を表すの?
2.なぜ「空の状況」を表す it が必要なのか?
3.To visit foreign countries is interesting. だとダメなの?

順番に解説していきましょう。

まず、そもそも it は「空」を表すのか、について
確認していきます。

It is sunny.(天気は晴れています)

この例文のように it は天候などを表すときに使うと習いますよね。

実はこれ「空の背景」を置いているようなものなのです。it で空の背景を置いて、それがイコール、晴れている。これで「晴れています」という意味になっていたわけです。

it は「それ」という訳が有名ですが、空の背景や空の状況などを表すときにも使うわけなんですね。

次に、なぜ「空の状況」を表す it が必要なのかについて確認していきます。

It is sunny.

さきほど説明したように、この天候を表す it は実際には「空の背景」を置いているようなものです。

しかし、そもそもどうして「空の背景」を置かなければいけないのかよくわからないという方のほうが多いと思います。

実はこれは日本語と英語で物の見方が違っていることに原因があるのです。

解説動画Part.1で述べたように、日本語では話し手の視界を前提としているので、見えているものは言葉にする必要がありません。

たとえば、日本語で「カンカン照りだぁ」と言えば、話し手の目の前の状況がカンカン照りであることになります。わざわざ、「目の前の状況はカンカン照りだぁ」のように「目の前の状況」という言葉を明示したりはしないのです。

しかし、英語ではこのような誰かの視界を前提とはしていません。

これを私は「場から切り離されている」とよく表現しますが、言うならば、何もない無の状態から状況描写をスタートするのです。

そのため、英語では “Sunny.” だけしか言わなかったら、sunny という形容詞だけが宙に浮いているような感じになり、何が sunny なのかよくわからないということになってしまうわけです。

そういうわけで、it のような空の状況や背景を表す単語を英語ではもってくる必要があるわけなんですね。

最後に To visit foreign countries is interesting. だとダメなのか、について見ていきましょう。

To visit foreign countries is interesting.

私たち日本人的な感覚で言えば、このように to不定詞を主語にもってきた方がわかりやすいですよね。

しかし、結論から言うと、次のような理由が絡み、英語的に微妙な感じになるので、一般的に使われていません。

1.英語では長い主語は好まれない
2.to不定詞を主語にすると異なるニュアンスになる

それぞれについて解説します。

英語では長い主語は好まれない、についてです。

To visit foreign countries is interesting.

この例文の主語は To visit foreign countries までで、これは I や You、He などと比べると長いですよね。ここを It にすれば、確かに主語を短くできます。

なお、英語で主語が長いと何が問題になるのかと言うと、動詞や目的語・補語までが遠くなることです。

解説動画Part.16 で述べたように、英語ではふつう「名称や状態を表す単語」と「動きを表す単語」を繰り返すことで状況を描いていきます。

このとき「静→動→静」が基本的なワンセットになるわけですが、英語的には、なるべくはやくそこまで言い切ってしまいたいのです。

その観点から見れば、形式主語を用いた It is interesting は3単語で「静→動→静」まで言い切ることができているので、すごくスッキリしているわけですね。

to不定詞を主語にすると異なるニュアンスになる、についてですが、こちらは、書籍「中学英語イメージリンク」の読者特典としてダウンロードできる解説pdfでも解説しているので、書籍をご購入いただいた方は、ぜひ読んでみていただければと思います。

To visit foreign countries is interesting.

to のコアイメージは「矢印と到達点」でしたね。

この例文の To visit は向かう先にある「訪れる」という動作を指しているようなイメージになっています。ここまでは to不定詞の解説動画のときと同じですが、問題はこれが主語の位置に来ていることです。

要するに、聞き手からすれば初っ端から別のところを見るように誘導されているような感じになるわけです。このとき、2つの異なるニュアンスが生まれてきます。

1つ目は「外国を訪れることになったら面白い」というものです。

これから先にあることとして「外国を訪れること」があるというイメージから、条件付きのようなニュアンスが出てきます。

2つ目は「外国を訪れることこそが面白い」というものです。

「あれこそが!」のように特別な行為として「外国を訪れること」を取り上げているイメージから、強調のニュアンスが出てきます。

・訪れることになったら
・訪れることこそが

いずれにせよ、to不定詞を主語に持ってくると、聞き手的には初っ端から別のところを見るように誘導されることになり、そのような動きのせいで大げさな表現として受け取られてしまいやすいわけです。

そのため、ふつうに「外国を訪れるのは面白い」と言いたいのであれば、形式主語を使ったほうがよいというわけなんですね。

形式主語構文は It is ~ to do で「…することは~です」という意味です。

形式主語構文のポイントとして

1.英語では「空の状況」を表す it が必要
2.なるべくはやく「静→動→静」まで言い切りたい
3.to不定詞を主語にすると異なるニュアンスになる

が挙げられます。

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▼今井くんとの対談

・長い主語が好まれない感覚もわかるようになる
・先に結論を言ったほうが安心感がある
・To visit foreign countries まで言うと話を溜めすぎ
・英語的な感覚を日本語を話すときにも使う

編集後記

今回のテーマは当初そんなに話す内容がないな…と思っていたのですが、準備を進めるにつれて話さないといけないことがポコポコ出てきて、びっくりしました。

やはり、「英語とはそういうもの」と教えられるテーマの後ろには、日本語の感覚とずれる部分があって、そこをちゃんと説明しないといけないなと痛感した次第です。

なお、動画の最後の方に「今井くんは形式主語構文のような言い方を日本語でもよくする」と発言しましたが、これは本当にそうで、やっぱりそのように考えを組み立てる癖をつけるのが、英語上達のひとつの鍵なんだろうなと思っています。みなさんもぜひ試してみてください(遠藤)