§9-2 subjectと主語

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※本記事は書籍『英会話イメージリンク習得法』の一部をWeb公開したものです。

前節で述べたように、日本語と英語の大きな違いはプレイヤーを表すモノが画面上に見えているか見えていないかでした。これを英語では「subject」、日本語では「主語」と呼んでいます。

【1】subjectの基本イメージ

subject のsubは「下へ」という方向を表す接頭語です。jectは「投げる」とか「置く」という意味です。したがってsubjectで「下へ投げる/投げられたもの」「下へ配置する/配置されたもの」になります。これがsubjectの基本イメージです。

そこから「支配を受ける」というニュアンスが発生します。例えば「British subjects」と言えば「イギリス臣民」という意味になります。

また15世紀くらいから音楽や絵画などの「テーマ」という意味でも subject が使われるようになりました。これはsubject matterのmatterが省略されたもので、芸術の表面には出てきていないけれども、その底流に流れているテーマや主題を表します。

さらにsubjectは「実験の被験者」や「容疑者」という意味にもなります。

このようにsubjectには「受ける」というイメージがあります。支配を受ける、芸術の底流に置かれる、実験を受ける、疑いを受けるなどすべて「受ける」のニュアンスが感じ取れます。

【2】subjectと主語の間のズレ

このようにsubjectには「受ける」というニュアンスがありますが、「主語」という訳語にはそのニュアンスがありません。この訳語のために私たちはsubject のイメージを正しく捉えられなくなっています。

英文法のsubjectはこれから話すことをポンと足元に投げ落とすようなイメージです。日本語の「主語」という言葉から感じられるような「行動する主人公」というものではないのです。

subjectはこれから話すことをポンと足元に投げ落として、話がそこからスタートすることを示すものです。「主語」という訳語にとらわれずにsubjectのイメージをつかむようにしてください。

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§9-3 英語の原始的構造
英語の「目的語」を表す「object」という英単語が本当はどういうニュアンスをもっているのか解説します。