§6-2 先にモノを宣言、すぐ後で内容を説明

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※本記事は書籍『英会話イメージリンク習得法』の一部をWeb公開したものです。

関係代名詞を用いて「先にモノを述べ、そのあと内容を説明する」という英語ならではの英文の作り方を解説します。

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whoのはたらき(関係代名詞)

Mamoru On Sunday, I went to several car dealers. I didn’t care for the guyʼs attitude who showed me the Japanese model I liked. He was arrogant, as if he had no interest in selling the car to me. In comparison, the Mercedes salesperson was pleasant and explained things politely. He was a good guy.
From「A Heartwarming Family」Story.5『Talking about hobbies』

I didn’t care for the guy’s attitude who showed me the car01)the Japanese model I likedをthe carに置き換えています.

まず例文にあるwhoとforについて解説をしておきましょう。

whoはここまで出てきたものとは少し違う単語で、基本イメージは「人を入れるためのブラックボックス」です。このボックスに入るのは1人に限りません。人であれば何人でも入れられるボックスです。

次にforの基本イメージは「両腕を広げたときに腕と腕がつくりだす領域とその方向」で、図にすると「扇形」のイメージになります。toが到達点(ピンポイント)を表していたのに対して、forはその範囲内といったように幅をもたせて使うことができます。

例文ではwhoがthe guyを引き寄せて、そのブラックボックスに入れています。イメージで表すと次のようになります。

ここでも体を使ってイメージを深めていきましょう。

  • 1.Iと言って、自分の胸に手をあてます。
  • 2.didnʼt careと言って、手を前方へ向けていきます。
  • 3.forと言って、その方向に両腕を広げます
  • 4.the guyʼs attitudeと言って、その範囲内に想像上の「その男」の態度を出現させます。
  • 5.すぐにwhoと言って、手を「その男」に向けて焦点を合わせ直します
  • 6.showedと言って、手をその男から別の方向(この場合、自分の方向)に向けます。
  • 7.meと言って、自分の胸に手をあてます。
  • 8.the carと言って、手を胸の前で上にして、そこに車を出現させます。

ステップ5で「すぐにwhoと言って」と述べていますが、この理由を話し手の気持ちになって考えてみましょう。

ステップ4までで話し手は「その男の態度が気に入らなかった」と述べています。しかし、これだけでは「その男って誰?」と聞かれるのは目に見えています。だから、すぐに説明を加えないといけないと考えて、the guyを引き寄せるwhoを使うわけです。このように「そのままでは情報が足りていない」という話し手の気持ちによってwhoが使われるわけです。

このようなwhoの「引き寄せる力」がthatの「遠くを指さす」と同じような働きをして文をつないでいるわけです。

なお、文法では例文のようなwhoは関係代名詞と呼ばれます。しかし、ここでも重要なのは名称ではなく、whoを使うときの話し手の気持ちです。段階的音読・暗唱で練習するときにはI didn’t care for the guy’s attitudeで止めてしまったときの不完全感をしっかりと味わって、whoをつなげるようにしてください。

日本語訳
日曜日にショールームを見に行ったんだけど、気に入ってる日本車の営業の奴は、なんだか上から目線で売る気がないっていうか、感じが悪かったんだ。それに比べてベンツの営業マンは腰が低いし、説明も丁寧にしてくれて感じが良かったんだよ。
「ほのぼの家族」Story.5『趣味の話』より

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今井 whoは例文のような関係代名詞として以外にもWho are you? みたいに使われますよね。その場合とは何か違うんですか?

遠藤 who自体には違いがありません。つまり「人を入れるためのブラックボックス」という基本イメージで捉えて大丈夫です。違うのはwhoの周りにある状況です。

例文では話し手は急いでwhoを述べる必要がありましたが、Who are you?では話し手に焦る気持ちはありません。しかし、ブラックボックス自体がもっている引力は同じなので、それが聞き手から答えを引き出す働きをします。

今井 なるほど。あと、例文で急いで述べないといけない気持ちが話し手にあるというのは面白いなと思いました。

遠藤 この「急いで述べる」とか「ちょっと間を置いてから述べる」というのは呼吸とつながっています。そしてその呼吸は話し言葉における文法のようなものなのです。呼吸の置き方が変われば言いたいことも変わってしまいます。

例えば、アメリカの小学校ではそれを学ぶために次のような例文が取り上げられるそうです。

(a)Let’s eat, grandma!

(b)Let’s eat grandma!

意味の違いがわかりますか? (a)は「さあ、食べよう!おばあちゃん」で、(b)は「さあ、おばあちゃんを食べよう!」です。

文字ではわかりにくくても話し言葉ではちゃんと区別されます。(a)はカンマのところでひと呼吸置きますし、(b)はそのまま続けて読んでしまいます。それでここまで大きく意味が変わってしまうのですから面白いものですね。

今井 日本語でも区切り方によって意味が変わるパターンがあったと思いますけれど、これほど極端ではなかったような気がしますね(笑)

遠藤 英会話では呼吸はとても大切な要素です。このような呼吸の置き方(カンマのあるなし)によって意味が変わる例を他にも挙げておきましょう。

(c)She has two sons, who live in Hawaii.

「彼女には2人の息子がいる。そうそう、彼らはハワイに住んでいるんだけどね」

(d)She has two sons who live in Hawaii.

「彼女にはハワイに住んでいる2人の息子がいる」

(c)の場合、話し手が伝えたいことは「彼女には2人の息子がいる(=息子は2人しかいない)」です。本来はそれで話は終わりなのですが「そうそう、ついでに言っておくと」という感じで , who live in Hawaii. という情報が追加されています。ひと呼吸置く(カンマがある)ことは、話し手の「そうそう」といった思いに対応しています。

(d)の場合、話し手が伝えたいことは「ハワイに住んでいる2人の息子がいる」で、ハワイに住んでいることは欠かせない情報です。例えばハワイが話題になっている状況で出てきたセリフと考えるとわかりやすいでしょう。このような場合はひとくくりで表現しなければいけないので、who の前でひと呼吸置くわけにはいきません。そのため、two sonsのあとは急いで who live in Hawaii. と述べることになります。また、彼女にはその2人以外にも息子がいる可能性があります。

文法では(c)のようなカンマをつける用法を「関係代名詞の非制限用法」と呼び、(d)のようなカンマをつけない用法を「関係代名詞の制限用法」と呼びます。しかし、ここでも大切なことは話し手が何を伝えたいかであって、文脈がない単文の解釈には限界があるのです。

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前置詞を用いて「後で状態を説明する」という英語ならではの英文の作り方を解説します。

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注釈   [ + ]

01. the Japanese model I likedをthe carに置き換えています
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