§5-3 動詞の派生語

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※本記事は書籍『英会話イメージリンク習得法』の一部をWeb公開したものです。

前節でbe動詞と一般動詞について見てきましたが、ここで一般動詞から派生している単語についても確認しておきましょう。

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【1】現在分詞ingは進行している状態を表す

N At Taro’s house, Keiko is waiting impatiently for Taro to return, when she hears an ambulance siren. Keiko anxiously looks out the window.
From「A Heartwarming Family」Story.1『Errands』

Keiko is waiting impatiently for Taro to return.

この文のisがbe動詞で、ここでもisはイコールを表しています。イメージで表すと次のようになります。

waitingは動詞wait(待つ)にingをつけて派生させた単語です。この「動詞+ing」という単語には「いま~している」という何かが進行しているニュアンス(進行)や、「まさに~している」という実際に何かが起きているニュアンス(現実感・ライブ感)が含まれています。何かがブルブル震えている(動いている)ような状態と考えるとわかりやすいかもしれません。

つまり、waitingはwait(待つ)+ ing(進行・現実感)で「待っているところ」というニュアンスを表します。この waiting のような「動詞+ing」で表される単語を「現在分詞」と呼びます。そして、例文のような is waiting(be動詞+現在分詞)を「進行形」と呼んでいます。

ここで大切なのはKeiko = waitingという文構造です。この文はYou = very kindと同じ構造であり、very kindがwaitingになっただけです。そしてwaitingという現在分詞単独で「進行」や「現実感・ライブ感」というニュアンスを表しています。「be動詞+現在分詞」というセットが「~しているところです」という意味を構成しているのではないのです。

「be動詞+現在分詞」というセットにこだわらなければ、進行形以外でingが出てきた時に理解しやすくなります。さらにingのニュアンスが自分のなかでイメージできれば、日本語訳に固執せずに済むようになり、英語を使う時の自由度が飛躍的に高まります。

単語をセットにしてしまうことで個々の単語の姿が見えなくなることがあります。個々の単語レベルから丁寧に学ぶように意識していただきたいと思います。

日本語訳
太郎の家では恵子が太郎の帰りを待ちわびています。とその時、救急車のサイレンが聞こえてきました。恵子は心配そうに窓の外を見ます。
「ほのぼの家族」Story.1『おつかい』より

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【2】過去分詞edは完了した状態02)書籍では「完全な状態」と表現していますを表す

N The bookcase in Shinichi’s room is filled with manga.
Taro Wow! Do you have the whole series?
Shinichi Yup. I can lend you some.
From「A Heartwarming Family」Story.3『Going to a friend’s house』

The bookcase (in Shinichi’s room) is filled with manga.

この文もbe動詞のisが使われており、イメージで表すと次のようになります。

filledは動詞 fill(満たす、いっぱいにする)にedをつけて派生させた単語です。filledが動詞として使われる場合は「過去形」と呼びますが、この例文のように動詞以外で使われる場合は「過去分詞」と呼びます。

過去形と過去分詞は「過去にfill(満たす)という行為が行われたこと」を表している点では共通しています。違いは過去形として使われる場合は「動作」を表し、過去分詞として使われる場合は「状態」を表しているという点です。

これだけ聞くと不思議な気がするかもしれませんが、実はそんなに複雑なことではありません。ネイティブはfilledが動詞ではないなと思ったら、それが表すものをマルッと固まり(完了状態)にしてしまっているだけなのです。この状況を、体を使って表現してみると次のようになります。

動詞の場合 Shinichi filled the bookcase with manga.

  • 1.filledと言って、手を前方に向けていきます。
  • 2.目的語(the bookcase)を言って、その目的語に手を向けます。

過去分詞の場合 The bookcase is filled with manga.

  • 1.filledと言って、手を前方に向けていきます。
  • 2.そのままマルッと手を回して固まりをつくります。

このように過去分詞の基本イメージは「過去の行為が完了した状態03)書籍では「過去の行為によってもたらされた完全な状態」と表現しています」となります。過去形と過去分詞の違いを例文でも確認してみましょう。

Shinichi filled the bookcase with manga. (過去形)

The bookcase is filled with manga. (過去分詞)

ここで「filled the bookcase」と「the bookcase is filled」は、ほとんど同じ状況を表していることに注目してください。(違いは時制が異なっていることです)

このようにfilledには「過去にその行為が行われた」ニュアンスが含まれ、それが動詞として使われる場合にはその矢印のあて先を準備し、過去分詞の場合は固まりの状態として用いているだけなのです。

The bookcase is filledはthe bookcaseがfilled(完全に満たされた状態)に等しいと述べています。このように「主語」と「過去分詞(完了状態)」がイコールで結びつけられると、過去の行為は主語以外の誰かが行ったことになります。

文法では「be動詞+過去分詞」を「受け身」として説明しますが、この説明は「~された」というニュアンスを強調しすぎるきらいがあります。The bookcase is filled with manga.は「本棚はマンガ本で満たされています」という受け身的な訳より「本棚はマンガ本でいっぱいです」というほうが、より英語のニュアンスに近い訳です。「be動詞+過去分詞は受け身を表す」というルールで捉えてしまうと、英文から抜け落ちてしまうものがあるのです。

日本語訳
信一の部屋の本棚には漫画がぎっしり並んでいます。
太郎 すげえ! これ、全巻揃ってるの?
信一 うん。揃ってるよ。貸してあげようか?
「ほのぼの家族」Story.3『友達の家に遊びに行く』より

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【Coffee Break】

今井 中学校のころに「It will stop raining soon.」(きっとすぐに雨がやむだろう)という英文を学んだときに「stopの後ろはing 形にしなさい」と言われたことを覚えています。そういう風に言われたら「これは覚えなければいけないな」って思いますよね。

でも、そう思った瞬間に僕のなかで自然な英語に対する感覚が死んでしまうんです。本来はrainingという単語に「雨が降っている」という進行のニュアンスが表現されているはずなのに、覚えなさいと言われた途端に何のイメージもわかなくなってしまうんです。それで、じゃあとりあえずstopの後ろだからrainingにするかっていう風になってしまうんですよね。

遠藤 そうですね。「It is raining.」(雨が降っている)という光景を見ながら「It will stop raining soon.」と言っているわけだから、rainingで当たり前なわけです。ことさらstopの後はrainingだという必要もありません。

今井 こういう規則って本当に必要なのかなって思いますね。

遠藤 確かにそのあたりは自然さでカバーできる部分とも言えますね。英語の表現としての自然さを解説しているのであれば意味がありますが、「そういう規則だからこうなる」では何も解説していないのと同じです。

だから、学習する側としては規則として鵜呑みにするのではなくて、その規則の由来となった「表現としての自然さ」を感じ取ることが大切なのです。

今井 過去形や過去分詞は元の動詞にedがつく以外にもパターンがありますね。

遠藤 そうですね。fillは規則的に変化する動詞なので過去形・過去分詞ともにfilledでしたが、不規則に変化する動詞もあります。

今井 不規則に変化する動詞って、よく参考書や教科書の裏に一覧表になっているじゃないですか。あれって覚えるべきなんでしょうか?

遠藤 あまり面白いことじゃないのでムリして暗記する必要はありません。というか、当面必要な不規則動詞の活用はみなさん学生時代にしっかり覚えていると思います。

それよりも過去形や過去分詞がどのようなニュアンスをもっているのかを感じ取ることが大切です。不規則動詞のレパートリーは英文に触れていくなかで少しずつ増やしていってください。

今井 なぜ全ての動詞をfilledのように規則動詞にしなかったんでしょうか。いろいろと覚える単語が増えて面倒だと思うのですが…。

遠藤 go – went – goneのような動詞は過去形wentと過去分詞goneが別の単語なので不規則動詞ですね。このように過去形と過去分詞で別の形になる動詞は、日常的によく使われるものが多いのですが、そういったものは「動作」なのか「状態」なのかが区別されているほうが使い勝手がいいからでしょう。

日常用語としての頻度が少ないものは過去形と過去分詞が同じ形をしていたほうが、いちいち別の言葉を覚えなくていいから、それはそれで使い勝手がいいということですね。

▶次の章はこちら

英語の特徴「先に結論、後で説明」を元に、英文の作り方・組み立て方を説明します。

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注釈   [ + ]

01, 02. 書籍では「完全な状態」と表現しています
03. 書籍では「過去の行為によってもたらされた完全な状態」と表現しています
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