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英語の大方針「先に結論、後で説明」は中心から周辺という動きを表していましたが、モノの表現方法「外枠から中身へ」は外から中へという動きを表しており、一見すると逆のことを述べているように感じられると思います。これらが英文のなかでどのように表現されるのか確認しておきましょう。
N | On Yoko’s last night in San Francisco, John invites her to dinner. They go to a casual but fashionable restaurant on the top floor of a skyscraper in San Francisco. From the large windows, they can see the Bay Bridge connecting San Francisco to Oakland on the other side of the bay. |
Yoko | Thank you for inviting me, John. |
John | I wanted to see you before you left. |
From「In San Francisco」Story.8『A Night in San Francisco』 |
They go to a casual but fashionable restaurant on the top floor of a skyscraper in San Francisco.
この例文が英語の大方針「先に結論、後で説明」と、モノの表現方法「外枠から中身へ」をどのように表現しているのかイメージ図で確認してみましょう。
イメージ全体としては英語の大方針「先に結論、後で説明」に沿って場面の中心から周辺へと状況が推移していることがわかります。しかし、それぞれの状況を表している「a casual but fashionable restaurant」「the top floor」「a skyscraper」ではモノの表現方法「外枠から中身へ」に沿っていることもわかりますね。
それでは比較するために日本語訳がどのように表現されているのかイメージ図で確認しておきましょう。
「サンフランシスコの高層ビルの最上階にあるカジュアルだけれどお洒落なレストランに行きます」
イメージ全体としては日本語の大方針「先に周辺、後で結論」に沿っています。また、それぞれの状況を表している「サンフランシスコの」「高層ビルの」「上にある」「カジュアルだけれどお洒落なレストランに」と外枠・輪郭を無視しているのでスムーズに中に入り込んでいっていることがわかります。
このように比較してみると日本語のほうが言葉の流れはスムーズです。英語は全体としては「中心から周辺へ(中→外)」と進みますが、それぞれの状況を表すときに「外枠から中身へ(外→中)」と逆の動きをしています。
つまり、英語は「静的なモノ」を「外枠から中身へ」の順で表現していき、その静的なモノの間を「動的な矢印」でつなぐことで「中心から周辺へ」と広げていくのです。
日本語訳 | |
N | サンフランシスコでの最後の夜、ジョンは洋子をディナーに招待しました。高層ビルの上にある、カジュアルだけれどお洒落なレストランです。大きな窓からは、サンフランシスコと対岸のオークランドを結ぶベイブリッジがきれいに見えています。 |
洋子 | 誘ってくれてありがとう、ジョン。 |
ジョン | 最後に会いたくなって。 |
「サンフランシスコにて」Story.8『サンフランシスコの夜』より |
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