第47章 関係代名詞

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引き続き「先に名詞を述べて、その後に名詞の補足説明を行う」ことについて見ていきます。前回は前置詞などのフレーズでしたが、今回は「文」で補足説明を行います。ポイントは名詞と補足説明文の間に「関係代名詞」を用いることです。
※関係代名詞の解説イラストは込み入ったものになっています。最初の例文解説はじっくり読んでほしいですが、一度仕組みがわかったら、その後はさらっと流し読みすることをおすすめします。

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関係代名詞 who(主格)

例文1:I have a friend who lives in Osaka.(私には大阪に住んでいる友だちがいます)

a friend who lives in Osaka は「大阪に住んでいる友だち」という意味です。

例文における who を「関係代名詞」と呼びます。a friend という名詞の後に who lives in Osaka という関係代名詞に続く文をもってくることで、名詞の補足説明を行っています。

who は疑問詞のときと同じように「はてなボックス」で表しています。この「はてなボックス」がどのように直前の名詞について補足説明するのか、3ステップに分けて解説していきます。

① 補足説明をしたい直前の名詞先行詞とも呼びます)をはてなボックスで吸いこむ。

② すぐに補足説明用のポップアップをつくり、その中に直前の名詞を出現させる。

③ その名詞をつかんで、空いているところに落とす

この例文の場合は、「その友だちは住んでいる」という補足内容なので、その友だちを主語のところに落として、補足説明の文を完成させます。補足説明したい内容に応じて、落とす場所は変わるので注意してください。

疑問詞のときと異なるのは補足説明用のポップアップをつくるところであり、関係代名詞に続く文で名詞の補足説明をしています。

直前の名詞に関係する補足説明を導く→「関係詞」
・補足説明の中で直前の名詞の代わりをする→「代名詞」

これらを合わせて「関係代名詞」と呼んでいます。

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関係代名詞 who(目的格)

例文2:The boy who you met yesterday is Taro.(昨日あなたが会ったその男の子は太郎です)

the boy who you met yesterday は「昨日あなたが会ったその男の子」という意味です。今回、直前の名詞「その男の子」を落とす場所は目的語のところになります。

このように直前の名詞を目的語のところに落とす場合、その関係代名詞を「目的格の関係代名詞」と呼びます。

最初の例文1のように、主語のところに落とす場合は「主格の関係代名詞」と呼びます。

【補足】who の目的格 whom について

実は who の目的格は whom です。he – him と同じように、who – whom という形になります。そのため、例文2は The boy whom you met yesterday is Taro. が文法的に正しい文になります。

しかし、実際には whom は公文書など限られた場面でしか使われず、口語ではほぼ使われていません。whom の代わりに、一般的には who が使われているので、この解説でも who を使って解説しています。

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関係代名詞 which

■ 主格

例文3:This is a bus which goes to Osaka.(これは大阪に行くバスです)

a bus which goes to Osaka は「大阪に行くバス」という意味です。

関係代名詞は直前の名詞が人か物かによって使い分けます。人の場合は who を、物の場合は which を使います。

■ 目的格

例文4:This is the book which I bought yesterday.(これが私が昨日買ったその本です)

the book which I bought yesterday は「昨日私が買ったその本」という意味です。

関係代名詞 that

ここまで関係代名詞 who, which について解説してきましたが、これら who, which の代わりに that を使うこともできます。

例文2’:The boy that you met yesterday is Taro.(昨日あなたが会ったその男の子は太郎です)

「関係代名詞の that」は「that節の that」と同じイメージで捉えるとよいでしょう。

that節の that が「内容を導く」働きをしていたのと同じように、関係代名詞の that は「補足説明を導く」働きをします。関係代名詞 that はその後に補足説明がくる目印になっている、とも言えます。

例文2’は例文2の who を that に変えたものですが、それ以外の例文1、3、4においても who や which を that に置き換えることができます。

例文1’:I have a friend that lives in Osaka.
例文3’:This is a bus that goes to Osaka.
例文4’:This is the book that I bought yesterday.

関係代名詞の使い分けを一覧表にまとめておいたので確認しておいてください。

This is a drone that Mr. Imai wants to buy.(これが今井くんが買いたがっているドローンです)
The man who you just talked to is a famous soccer player.(あなたがさっき話しかけた男性は有名なサッカー選手ですよ)

関係代名詞の省略

関係代名詞には省略できるときと省略できないときがあります。基本的に、関係代名詞が目的格のときは省略できて、主格のときは省略できません。

目的格の関係代名詞は省略できる

例文2”:The boy you met yesterday is Taro.(昨日あなたが会ったその男の子は太郎です)

the boy you met yesterday で「昨日あなたが会ったその男の子」という意味になります。このように目的格の関係代名詞は省略できます。

主格の関係代名詞は省略できない

(×)例文1”:I have a friend lives in Osaka.

主格の関係代名詞は省略することができません。

省略可否を分けるポイント

目的格の関係代名詞は省略できて、主格の関係代名詞は省略できないと述べましたが、この省略できるかどうかについて、もう少し直感的にわかるように言い換えておきましょう。

・先行詞の後に名詞が続く場合:省略できる
・先行詞の後に動詞が続く場合:省略できない

ただし、これはルールのようなものではありません。どうしてこのようになるのか、例文2”と例文1”を取り上げてネイティブの感覚を解説します。

■ 先行詞の後に名詞が続く場合

例文2”:The boy you met yesterday is Taro.(昨日あなたが会ったその男の子は太郎です)

英語では、名詞の後には動きを表す単語がくるのがふつうです。そのため、この例文のように「名詞(the boy)→名詞(you)」が続くと、ネイティブは the boy に対する補足説明が始まったんだなと解釈します。

名詞の後に名詞が続くのは明らかにおかしいため、補足説明だと気づくことができるというわけです。

■ 先行詞の後に動詞が続く場合

(×)例文1”:I have a friend lives in Osaka.

この例文では「名詞(I)→動詞(have)→名詞(a friend)→動詞(lives)」となっていて、さきほどの「名詞(The boy)→名詞(you)」のような明らかに流れがおかしいところがありません。つまり、補足説明だと気づくきっかけがないのです。

そのため、どこが補足説明の部分なのか、聞き手が英文の意味から判断しないといけません。これは聞き手にとって負担ですし、意味の取り違えにもつながりかねません。

このような理由から、先行詞の後に動詞が続く場合は、関係代名詞を使ってちゃんと補足説明が始まる合図をするわけです。

ーーー

ことばの研究室

■ 関係代名詞にいろいろなパターンがある理由

今井 なんで関係代名詞って、こんなにパターンがあるんですか? that がどんなときでも使えるのであれば、that だけでいいと思うんですけど……。that だけではダメなんですか?

遠藤 とりあえず that でつなぐのは1つの手だと思いますよ。あと、どういうときにどれを使えばいいのかもざっくりお伝えしておきますね。

・話し言葉の場合:関係代名詞が省略できるときはふつう省略する。
・書き言葉の場合:基本的に who/which を使う。

今井 どうして話し言葉と書き言葉で違うんですか?

遠藤 関係代名詞は書き言葉において意味の取り違えがないようにするために生まれたものだからです。

今井 すみません、どういうことですか?

遠藤 現在使われているような関係代名詞は中英語時代(11~15世紀頃)に出てきたもので、その前の古英語時代(5~11世紀頃)にはなかったのです。

 古英語時代、英語は主に話し言葉として使われていたわけですが、その頃は関係代名詞がなくても話し方を工夫することで、だいたい問題なく通じていたのだと考えられます。

今井 ということは、中英語時代に書き言葉として使われることが増えたから、関係代名詞が出てきたってことですか?

遠藤 そうです。中英語時代、紙の製造技術や印刷技術の発展に伴って書き言葉としての英語が増えていきました。

 しかし、書き言葉では話し言葉で行えていたような工夫を表現する方法がありません。そこで、名詞の補足説明を行う場合は、その目印として that が使われるようになっていったわけです。

■ that から who/which に変わっていった理由

今井 最初は that だったんですね。

遠藤 そうです。歴史的には「関係代名詞なし」→「that」→「who/which」という順で登場しているんです。

今井 個人的には that だけで十分だと思いますが、どうして who や which が出てきたのですか?

遠藤 that でも補足説明が始まることはわかりますが、who であれば人、which であれば物の補足説明であることが一目瞭然ですよね。書き言葉としてのわかりやすさを追求していくと、that よりも who/which の方が優秀だったわけです。

今井 うーん。それはそうなんでしょうけれど、急に who や which が出てくるのはイマイチ納得できません。なぜ、who や which だったんですか?

遠藤 いい質問ですね。who や which はそれまで疑問詞として使われていました。疑問詞の働きとして「わからないものをつかんで、元々あったところに落とす」というものがありましたよね。この疑問詞の働きが補足説明の仕組みにも流用できることに気づいた人がいたのだと思います。

 ちょうどその頃、イギリスの台頭とともに英語も世界に広がっていました。母語が英語ではない人たちにも英語を理解してもらえるように、英文法をまとめあげる必要が出てきていたのです。その過程で、補足説明の仕組みが説明しやすい who や which を用いた「関係代名詞」が出てきたのだと思います。

今井 まあ、確かに who や which の方が補足説明の仕組みを説明しやすいでしょうね。

遠藤 書物などに書かれた英語はこれで理解できるようになりますし、会話などで話される英語では関係代名詞が省略されていると考えればいいだけですからね。

今井 なるほど。関係代名詞にいろんなパターンがあるのは、こういう経緯があったからなんですね。

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