第43章 原形不定詞(let 人 do など)

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この章では、let 人 do(人に~させてあげる)などの表現について学んでいきます。この表現は want 人 to do と同じ構造ですが、to を取り除いた形になっています。なお、let 人 do の「do」の部分を to不定詞(to do)と対比して「原形不定詞」と呼びます。

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let 人 do(人に~させてあげる)

例文:I will let him do it.(私は彼にそれをやらせてあげよう)

let him do は「彼に~をさせてあげる」という意味です。それをやりたがっている彼に許可を出して、やりたいようにさせてあげるというニュアンスになります。

ポイントは「let の影響が残っている」と捉えることです。「人」の後に「動詞の原形」がきていますが、let の影響が残って、「人」→「する」のように人と動作を結びつけているわけです。

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make 人 do((強制的に)人に~させる)

例文:She made me do my homework.(彼女は私に宿題をやらせた)

make me do my homework は「私に宿題をやらせる」という意味です。私の意志に関わらず、強制的にそうさせるというニュアンスになります。make の「作る、作り出す」イメージから、私が宿題をする状況を作りあげているように捉えるとよいでしょう。

この表現も make の影響が残って、「人」→「する」のように人と動作を結びつけているのがポイントです。

let や make 以外に、help(助ける、手伝う)も同じ形をとります。

I let Mr. Imai use the office.(私は今井くんに事務所を使わせてあげました)
I helped him do the work.(私は彼がその仕事をするのを手伝いました)

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原形不定詞とは

原形不定詞とは、let 人 do などにおいて「人」の後に続いている「do」の部分のことです。つまり、原形不定詞=動詞の原形です。

この原形不定詞という名称は、to不定詞との対比で用いられます。

want 人 to do(人に~してほしい)と let 人 do(人に~させてあげる)において、「人」は want や let の目的語でありつつ、to do や do の主語にもなっています。

つまり、構造としては同じものであり、to不定詞の to をとったものとして原形不定詞という名称が用いられているわけです。

なお、want 人 to do においては、to が人を動作に向かわせる働きをしていましたが、let 人 do においては、残っている動詞 let の影響が to の代わりに人と動作を結びつけています。

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ことばの研究室

■ なぜ原形不定詞をとる場合と to不定詞をとる場合に分かれているの?

今井 原形不定詞が to不定詞から to をとったものだ、というのはわかりました。でも、どうして let や make の場合は「toなし」で、want の場合は「toあり」なんですか? どちらかに統一してほしいんですけど……。

遠藤 ごもっともな質問ですね。ちなみに今井くんは「toあり」と「toなし」のどちらの方がわかりやすいですか?

今井 それは「toあり」の方がわかりやすいです。いきなり動詞の原形がポロッと出てくるよりは、to で人を動作に向かわせることを明示した方がしっくりきますね。

遠藤 そうですよね。実はかつては make 人 to do のように、make などでも to を用いていたのです。実際に、劇作家のシェイクスピア(1564-1616)が書いた作品の中に make 人 to do の形のものが出てきます。

 正確に言えば、同じ作品の中に make 人 do の形のものも出てくるので、その頃はどう表現するか揺れていた時期だったわけですね。

今井 元々は「toあり」が基本だったんですね。そうすると、どうして他の動詞は「toあり」のままなのに、make や let は「toなし」になったのですか?

遠藤 それについては、make と let で理由が異なっていると考えています。それぞれ説明していきますね。

■ make が「toなし」の「make 人 do」になった理由

遠藤 まず make が「toなし」になったのは、第32章で出てきた「make 人 状態」(人を~にする)の用法があったからだと考えています。この用法では make の影響が残って、人と状態を結びつけていましたよね。

「make 人 do」においても、それと同じようにすれば人と動作を結びつけることができるので、to がなくても大丈夫となったのでしょう。

今井 なるほど。「make 人 状態」と「make 人 do」は形としてもよく似ていますもんね。

 たとえば、make me happy の happy のところに、make me work の work が入るような感じですね。確かに、to work よりも work という1つの英単語を入れる方がしっくりきます。

■ let が「toなし」の「let 人 do」になった理由

遠藤 次に let が「toなし」になった理由ですが、これは let が次のような命令文でよく使われるからだと考えています。

例文:Let me do it.(私にそれをさせて)

 今井くんが子どもの頃に戻ったとして、親などに「それさせて!」と言うシーンを思い浮かべてほしいのですが、Let me do it! と Let me to do it! だと、どちらが言いやすいですか? 実際に声に出して確認してみてください。

今井 これは明らかに Let me do it! の方が言いやすいですね。to があると勢いが削がれます。

遠藤 そうですよね。元々 let には「make 人 状態」のような影響が残る用法があったわけではありません。

 しかし、Let me do(私に~させて)のような命令文の形でよく使われていたため、命令文の勢いが加わって let の影響が残る「let 人 do」が一般的になったのだと思います。

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