第17章 現在形と現在進行形

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これまで何気なく出てきた現在形ですが、実は日本語と大きく異なっているところがあります。ポイントは、英語の現在形には「いつからいつまでという時間的な区切りがない」ことです。逆に、時間的な区切りをつけたいときは現在進行形を用います。このあたりに注目しながら読み進めていってください。

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現在形

例文:He plays soccer every Sunday.(彼は毎週日曜日にサッカーをします)

例文のように「主語(He)+動詞(plays)」と並べることで、現在の状況を描写することができます。このときの動詞の形を「現在形」と呼びます。

実は、英語の現在形にはいつからいつまでという時間的な区切りがありません。そのため、動作を表す動詞を現在形で使うと「いましていること」ではなく「普段していること」を表すことになります。

例文:He plays soccer.(彼は普段サッカーをします)

He plays soccer という文から、彼が普段サッカーをしていることはわかりますが、それだけでは「いつ・どれくらいやっているのか」はわかりません。そのため、ふつうは every Sunday のような説明を加えて、いつ・どれくらいやっているのかを明確にします。

I drink milk tea every morning.(私は毎朝ミルクティーを飲みます)
The earth goes around the sun.(地球は太陽の周りを回っています)

【補足1】現在形について

現在形は「いつからいつまでという時間的な区切りがない」と説明しましたが、これは必ずしも「永遠に続く」という意味ではありません。

例文:I am happy.(私は幸せです)

この文は現在形ですが、当然「ずっと幸せです」という意味ではありません。いつから幸せだとか、いつまで幸せなのかのような時間的な制限をしていないだけです。

時間的な制限をつけずに表現するのが、現在形だというわけです。

【補足2】これまで出てきた例文について

これまでの解説で、次のような例文を用いてきました。

例文:I play soccer.(私はサッカーをします)
例文:I open the window.(私はその窓を開けます)

これらは正しくは「私は普段サッカーをします」「私は普段その窓を開けます」という意味です。そして、当然ながらこれだけでは「普段ってどれくらい?」となるので、実際の会話では次のような説明を加えるのがふつうです。

例文:I sometimes play soccer.(私は時々サッカーをします)
例文:I open the window every morning.(私は毎朝、その窓を開けます)

これまでの解説において、このような説明語句を省略してきたのは、解説したい英文構造に焦点を合わせるためです。後出しの説明で恐縮ですが、趣旨をご理解いただければと思います。

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現在進行形

現在形:He plays soccer every Sunday.(彼は毎週日曜日にサッカーをします)
現在進行形:He is playing soccer.(彼はサッカーをしているところです)


現在形の文は「普段していること」を表しているのに対して、現在進行形の文は「いままさにしていること」を表しています。

現在進行形は「be動詞の現在形+動詞のing形」を組み合わせたものです。動詞のing形は「現在分詞」とも呼びますが、そのイメージを確認しておきましょう。

動詞のing形は「(まさに)~している状態」を表します。動詞のing形の特徴として「状態と動作をあわせもつ」「時間的な区切りをもつ」があります。

be動詞の現在形だけだといつからいつまでという時間的な区切りがありませんが、これに時間的な区切りをもつ動詞のing形を加えることで、「いましていること」を表しているわけです。

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特別な形の動詞のing形

多くの一般動詞のing形は -ing をつけるだけですが、それ以外のパターンもあります。

現在進行形の否定文・疑問文

■ 否定文

例文:He is not playing soccer.(彼はサッカーをしているところではありません)

現在進行形は be動詞の文なので、否定文は be動詞の後に not を入れてつくります。

■ 疑問文

例文:Is he playing soccer?(彼はサッカーをしているところですか?)
答え:Yes, he is.(はい、サッカーをしているところです)
答え:No, he isn’t.(いいえ、サッカーをしているところではありません)

現在進行形の疑問文は be動詞を主語の前に出してつくります。また、現在進行形の疑問文には be動詞で答えます。

現在進行形の疑問詞の疑問文

例文:What are you doing?(あなたは何をしているところですか?)
答え:I am studying English.(私は英語を勉強しているところです)

疑問詞を使った疑問文はまずわからないものを what にして文頭にもってきて、その後は現在進行形の疑問文の語順で続けます。

なお、答えの文にあるように study のing形は studying です。3単現で studies とすることもあってか、studing としている間違いをたまに見かけるので、ご注意ください。

Please be quiet. I’m working.(静かにしてね。仕事をしているところだから)
Mr. Imai is flying a drone.(今井くんはドローンを飛ばしているところです)
※ fly「~を飛ばす」

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ことばの研究室

■ What do you do? はどういう意味?

今井 意外と現在形の方が難しかったですね。

遠藤 現在形は難しいですよね。別の例文で、もう一度確認しておきましょうか。今井くんに質問ですが、英語ネイティブに What do you do? と言われたら、どういう意味だと思いますか?

今井 直訳したら「何をしますか?」ですよね。「いま何をするの?」とか「これから何をするの?」というように聞かれているのかなと思います。

遠藤 うーん、残念。これは現在形なので「普段何をしますか?」という意味であって、慣用的に「職業は何ですか?」と聞いていることになります。

今井 あー、そうか。現在形は「普段」を表すのでしたね。 ……あれ? でも、現在形でも「普段」って訳をつけないときもありますよね。

遠藤 そうですね。状態を表す動詞の場合は、現在形でも「普段」という訳をつけません。たとえば、I like coffee. は「私はコーヒーが好きです」となります。

 一方で、動作を表す動詞の場合は、現在形のとき「普段」という訳をつけます。本文でも取り上げましたが、I play soccer. は「私は普段サッカーをします」となります。

今井 状態を表す動詞と、動作を表す動詞で変わるのか。

遠藤 どちらも「いつからいつまでという時間的な区切りがない」という点では共通しているのですが、動作を表す動詞の場合は日本語訳するときに工夫しないといけないわけですね。

■ 日本語と英語における現在形の違い

今井 そう考えると、日本語側の問題ってことなのでしょうか?

遠藤 正確に言えば、日本語の現在形と英語の現在形では違っているところがある、ということですね。以下の例文で、その違いを確認しておきましょう。

英語:What do you do?(普段何をしますか?)
日本語:何をしますか?

今井 さっきも言いましたけど、日本語の「何をしますか?」の方は「いま」や「これから」という言葉を補いたくなりますね。

遠藤 実はそれには理由があるのです。第3章で、日本語は「話し手が場に入り込んで、そこから見える物事を表現している」と説明しましたよね。

 つまり、日本語は何も言葉を加えなければ「話し手がいま見ている状況」を表すことになるので、「いましていること」や「これからすること」と解釈するのが自然になるわけです。

今井 なるほど。逆に日本語で「普段」のことを言いたいときは、ちゃんと「普段」という言葉を加えなければいけないというわけか。

遠藤 その通りです。一方で、英語は「真っ白なキャンバス」に状況描写しているようなものです。そのため、英語はそのままだと「いつからいつまでという時間的な制限がない」ことになります。

今井 英語の方は何も言葉を加えなければ、「普段」のことだと解釈するのが自然だというわけですね。で、逆に「いま何をしていますか?」のように「いま」という制限を加えたいときは、What are you doing? のように現在進行形にするということですか。

遠藤 そうですね。日本語と英語における現在形の違いも、大元をたどれば前提となる物の見方が違っているところに行き着くわけです。

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