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可算名詞と不可算名詞
例文1:I like chicken.(私は鶏肉料理が好きです)
例文2:I have a chicken.(私は1羽の鶏を飼っています)
例文1の chicken のように「単数形だけ」のとき、この名詞は「不可算名詞」として使われているといいます。
例文2の a chicken のように「a/an+単数形」のとき、この名詞は「可算名詞」として使われているといいます。
辞書における表記
【可】(または [C] )という表記は、可算名詞として使われるときの意味です。つまり、「a/an+単数形」で使ったときの意味ということです。
【不】(または [U] )という表記は、不可算名詞として使われるときの意味です。つまり、「単数形だけ」で使ったときの意味ということです。
数えられない名詞
英語の名詞には、数えられない名詞というものがあります。不可算名詞としてのみ使う名詞(=可算名詞としては使われない名詞)のことです。
water は数えられない名詞です。a water のように「a/an+単数形」の形をとりません。
しかし、「1滴の水」のことを a water と言っても良さそうですよね。なぜ、英語ではこの表現がダメなのかを見ておきましょう。
1滴の水と1滴の水を合わせると、少し大きい1滴の水になります。1+1 が 2 ではなく 1 になるわけです。
このように、足し合わせたときに一緒になって区別できなくなるものは、英語の世界では数えられない名詞に分類されます。
数えられない名詞の数量の表し方
フレーズ:a glass of water(グラス1杯の水)
フレーズ:two glasses of water(グラス2杯の水)
数えられない名詞の数量は、容器などの枠を使って表します。枠があれば足し合わせても一緒にならずに済みます。
■ 代表的な数量表現
代表的な数えられない名詞と見分け方
代表的な数えられない名詞と見分け方のポイントをまとめておきました。
※見分け方のポイントは絶対的なものではありません。あくまでも参考程度にお考えください。
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ことばの研究室
■ 日本語では物の輪郭を無視してしまう
今井 僕はよく a を無視して使ってしまったりするんですよ。a なんて僕にとってはどうでもいいことなんです(笑)
でも、実際の英語の世界では、まずその物の輪郭を見ていて、その輪郭を a で表していたんですね。そして、輪郭(a)と中身(名詞)で、そのもの全体を表すと。この話はとても面白かったです。
遠藤 私たちにとって a/an を使いこなすのが難しいのは、日本語では輪郭を無視してしまうからです。この輪郭を無視してしまうことは、単数と複数を区別しないことにもつながっているのですよ。
たとえば、「いまから友だちとゲーセン行ってくるね」という日本語を考えてみましょう。ここに出てくる「友だち」ですが、これだけでは1人なのか2人以上なのかわかりませんよね。
しかし、日本語ではこれでよいのです。日本語では中身が重要なのであって、単数や複数の区別はあまりしないのです。
今井 確かに。いちいち「いまから1人の友だちとゲーセン行ってくるね」のようには言わないですね。「1人の」がついていると、ことさらに「1人」が強調されてしまって、何か別の意味があるような感じがします。
遠藤 そうですね。日本語では、特別な意図がない限りは数を表に出さないですからね。逆に言えば、私たちが英語を学ぶときには、物の輪郭を強く意識する必要があるということでもあります。
■ 日本語では枠も無視してしまう
今井 a glass of water も「グラス1杯の水」ですが、ふつう日本語では「お水をください」のように「水」としか言わないですよね。レストランで店員さんに「グラス1杯の水をください」と言ったら、「グラス」が強調されすぎていて、僕は違和感を覚えますね。
遠藤 店員さんも「細かいお客さんだなぁ」と感じてしまいそうですよね。でも、英語ではそれが当たり前なのです。
むしろ、「グラスに入った水」を「水」と表現するような発想は、英語ネイティブからすれば「そこにグラスが存在しているのに、なぜグラスを無視するのだろう…」と感じてしまうようなことなのです。
今井 うーん、これまで無視していたものをちゃんと見るようにするのは、かなり難しそうですね。
遠藤 一朝一夕にできるようにはならないので、少しずつ意識していくしかないですね。